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逆転裁判

CAPCOMが発売し、ネットなどで人気が広がったシリーズ。 自分もプレイしましたが、素晴らしい出来に感動しました。 すでに4作発売されており、「逆転裁判4」の製作が発表されています。 それでは、レビュー2回目はこの「逆転裁判」の第一作目で行きます。


わかりやすい目的とパート分け

 このゲームは、主人公「成歩堂 龍一」(なるほどう りゅういち)という新人の弁護士が はじめての裁判を前に緊張している状態から始まり、多くの人々と事件を通じて成長していく物語です。 弁護士ですから、目的はもちろん依頼を受けた弁護人の無罪を裁判で証明して無罪を勝ち取ること。 証拠品などを探したり、証言を聞く「探偵パート」と証人の矛盾を暴いて弁護人を無罪に導く「裁判パート」という2つのパートを 通じて、証人の証言や証拠の矛盾を暴いて、そこに「異議あり!」などの突っ込みを入れ、目的を達成していきます。


幅を広げやすい”キャラ設定”と”テンポ”

 プレイしてみて、まず感じたのが”キャラクターがわかりやすい”という点。
 一目見てキャラがわかるというのは、プレイヤーに安心感を与えます。 ほとんどのキャラがどこかお茶目な部分があり、キャラへの感情移入が高まりやすいように設定されています。 しかもそのキャラの個性はコミカルで癖の強いものばかり。一度出たらどんな人物だったか思い出せるのは アドベンチャーゲームでは稀ともいえるテンポが生まれます。 普通のアドベンチャーゲームの多くは難解にすることで、物語の深さなどを出しますが人物形成がその分複雑で どのような人物だったかを忘れると、思い出すのにストレスがたまるという性質を持っていたことを考えると、 まさに逆転の発想でゲーム自体のテンポアップを生み、キャラの掛け合いなどもスムーズに進みました。
 さらに主人公自体の設定をあまり出さなかったのが、逆に色々プレイヤーに妄想させることで、愛着がわくという図式が出来たのではないかと。 こういったミステリアスな部分とライバル・御剣 怜待(みつるぎ れいじ)との関係性がまた多くのファンを獲得したと言えます。

 このシリーズを支えているもう一つの要素は”テキストの面白さ”。
 ふんだんに面白いギャグやノリのいい台詞をちりばめることで、さらにテンポが上がっていきます。 キャラたちが繰り広げる台詞はまるで漫才のようなやりとりで、それぞれのキャラが見事に生きています。  この相乗効果が全体の軸と言えます。


追い込まれてから逆転するという”爽快感”

 探偵パートでも裁判パートでも、証人が怪しい時などに『異議あり!』などの掛け声とともに、突っ込むことが出来ます。 このシステム自体はこのゲームよりも前にPSの「御神楽少女探偵団」で採用されています。「御神楽〜」もアドベンチャーゲームとしては 個人的に好きなタイトルですが、それと決定的に違うのは決定的な矛盾に突っ込むと証人であるキャラが非常に個性的なリアクションを出すこと。 これがまた痛快で、このゲームの面白さとやっつけたという爽快さを生み出すことに成功しています。

 そしていよいよ裁判では敵である検事との対決です。しかし敵も手ごわい検事たちでこちらの矛盾にどんどん突っ込んできます。 それにより追い込まれたナルホドは逆転の発想でそのピンチを乗り越えて、無罪を勝ち取るという流れが実に爽快なのです。 そしてそれを支えるのは躍動するようなBGMです。これがまた実に素晴らしい。 これらキャラ・台詞・テンポ・リアクション・盛り上がるBGM・逆転する喜びという相乗効果が、このゲーム自体の面白さを見事に 昇華させています。


少ないながらも不満点

 このゲームは基本的に不満と感じる部分は非常に少ないです。自分にはほぼないのですが、考えられる不満点を挙げておきます。

1.プレイ時間の短さ
 ゆっくりやって全4話10時間ほどを短いとみるかどうかですが、不満に思う人は多いようです。ニンテンドーDSに移植された「逆転裁判 蘇る逆転」で は、もう1話増えてボリュームアップしています。また続編は4話以上のボリュームを確保しています。 個人的には勢いで進めるタイプなので、これくらいがちょうど良かったようで、続編を望む気持ちが当時高まりました。

2.テキストの早送りができない
 これは何度か同じ場面で長めのテキストが出ている時に気になりました。これも続編以降では解消されています。 続編をプレイした後だと、テキスト表示の遅さがさらに気になるかもしれません。

3.台詞にほとんど音声がない
 これは自分は長所と思っていますが、このゲームでは「異議あり!」「待った!」「くらえっ!」などの掛け声とBGM・効果音以外には音声がありません。 音声データは非常に大きいゆえの容量オーバー、音声が流れることによるテンポの喪失、声とキャラが合わないという恐れがあることを考えると、必要ないと思いますが・・・望む方もいるようです。 自分は必要最低限でテンポを上げ、盛り上げた点を評価しています。

4.プレイヤーは基本的に犯人がわかってる
 基本的に犯人が被害者を殺害する場面からシナリオが開始するものがあります。 方法としてはTVドラマの「古畑任三郎」シリーズと同じですが、自分で犯人と謎を解きたいと考えるプレイヤーにはつまらないと感じるかもしれません。


総合的感想

 シリーズ最初の作品ですが、この時点で完成度が非常に高いゲームと言え、カプコンの巧舟(たくみしゅう)氏のセンスと力量が伺えます。 また諸事情の関係で実現できなかった部分も逆にいい方向に流れたように感じます。

後に続編の発売や携帯・PC版にも移植され、多くのファンがついたのも納得の出来。 値段も安いですし、未プレイの方にはぜひプレイしていただきたい良作です。 体験版が公式サイトにありますので、まずはそれをやってみては?

続編である2や3もプレイしていますが、そのレビューはまた次の機会に。

よろしければレビューを読んでのご感想をお聞かせください
(他に取り上げて欲しいものがあれば、そちらもお知らせください。)


逆転裁判
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逆転裁判2:このゲームの続編をレビュー!
逆転裁判3:なるほどシリーズ最終編をレビュー!
逆転裁判4:このゲームの続編をレビュー!

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逆転裁判公式サイト:体験版や製作者裏話が楽しい公式サイトです。
逆転裁判 蘇る逆転公式サイト:体験版や製作者裏話が楽しいDS版の公式サイトです。
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