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2008年12月3日

  
 新しい国際社会の創造に向けて  日本の針路




 2008年が間もなく終ろうとしています。本年はアメリカを頂点とする金融市場万能の新自由主義が崩壊し、米欧の名だたる保険、証券、銀行などが次々に経営破綻をきたし、実質的な国有化策を採るなど国際社会が第二次大戦後最大且つ、未曾有の大混乱情況をきたしています。

 一方で国連を無視した米英の一方的武力行使による力の支配もドロ沼が深まり混乱がますばかりです。イラク、アフガン、パキスタン、インド等々中東から南アジアへと武力紛争が拡大し、世の中が騒然として世界平和が遠のく一方です。

 内外の識者が言っています。 “明らかに何かの終わりであり、一つの時代の終わりだ”と。 アメリカの圧倒的な武力と経済力で一国世界制覇を夢見た野望が瓦解したのです。

 いま、国際社会が克服しなければならない課題は、いかにして新しい世界秩序と経済の仕組みを創造するかということです。


 
無策の麻生、自公政権------完全に行き詰まった政治、経済 !

 日本はどうでしょう。 安倍、福田と前代未聞の政権放り投げの後、誕生した麻生内閣、その経緯からして誰もが思った選挙管理内閣。 ところが内外情勢にはおかまいなく “政権を失いたくない”自民、公明の党利党略で政治の空白状態が続くなか、世界の金融不安による不況の波が日本にも一気に押し寄せ、そのため企業倒産や労働者の一方的解雇が急増しています。

 こうした中、 政治情勢は極度に混沌としてきています。 自民党も “立ち枯れ” が聞こえる中、政策集団 ? の動きが目立ちます。 政界再編なども現実味を帯びてきました。

 新しい国際社会の創造を世界中が模索しているいま、 日本だけが相変わらずアメリカに追随する 「世界の中の日米同盟」 という武力を背景にする大国政治は断じて避けなければなりません !


 近づく解散、総選挙 !

 いつ行われてもおかしくない解散、総選挙。 今度の選挙は私たちのくらしとこれからの日本の進路の選択です。

 いま、今日的内情勢を前に総選挙で政党や政治に関わる(関心のある)者が客観的に問われることは何か! を、真剣にかんがえなければなりません。

 つまり、@に、私たちがめざす社会像(人間社会と日本の政治の在り方)を明確にすること。Aにそのための基本的な政治理念や哲学(人民が主権者=民主主義)を旗幟鮮明にし、政策の柱と象徴的な具体策を提示する。Bにそれを実現させる政治プロセスを明確に示す。Cに、現状での必要かつ不可欠な選択は、政策の合意に基づき共同候補の擁立や選挙協力を実現する。

 このことは、これまで政党との関わりを躊躇?してきた市民団体や労働組合も避けて通ってはいけない、ということをお互いが確認しなければなりません。

 自民でもない、民主でもない(21世紀の人間社会の在りようを追求する日本政治)第三の政治勢力を創造したいと努力するものにとっては、この選挙の @位置づけと A政治変革の展望、そのためのB基本政策を旗幟鮮明にしなければならない。

 そのためには、私たちの側からの正確な情勢分析が不可欠である。そうした意味で私の私見を以下のように提起します。


 
T、 いま、我々が直面する2つの危機

 アメリカがオバマに代わっても日本に求めるもの、また日本の支配層がめざす21世紀の進路はいまなお、新自由主義に基づく日米一体の軍事力を背景とした大国路線と認識せざるを得ない。そのため、いま私たちに突きつけられている選択は大別して二つである。

◆ 第一は、テロとの戦いを大義に掲げ、自衛隊をアフガンなど、いつでも、どこへでも派兵可能な「派兵恒久法」を制定し、米軍と共に戦う「集団的自衛権」の行使、そしてその延長で憲法9条を放棄(改悪)して戦争をする国をめざすのか、否か。

◆ 第二は、日本経済再構築の名の下に日本社会の隅々に、より一層の弱肉強食の自由競争を強いることを許すのか、否か、である。


 
U、 もう一つの危機、悪夢の保守大連合・武装大国日本

 1、第一段階:民主党中心の政権樹立(民主、社民、国民新党・他、―――共産は閣外協力?)
 2、第二段階:改憲派主力の保守合同政権の樹立(社民の一部や国民新などは民主へ―――社民や民主の数人、無所属、共産などが野党に)へと向かうか?

 ◆ この政権では、自衛隊の派兵恒久法や集団的自衛権の行使を可能とし、前文を含め憲法を改悪し武力を背景とした大国路線に向かうであろう。
 ◆ このようなことが危惧される背景。
 @、田母神論文が論議の対象になり、国会で開き直って「私は全く間違っていない」と公然と改憲を主張している。田母神は  空幕長であり彼の言動は明らかに憲法違反です。にもかかわらず、国会がそれを撤回させ懲罰を与えることさえ論じられない。何故か! 朝日が報じているように「政界に共感が見え隠れ」しているのだ。現在は表面化していないが改憲派議員が多数を 占めているのが現実であろう。それに輪をかけて、自衛隊幹部の多くは田母神論文の肯定派とも言われている。

 日本の社会構造の深層部分に改憲をめざすがん細胞が広がっている。2010年には改憲提案も可能となります。

 A、改憲を赦さない政治勢力の行動がバラバラで田母神などの暴論を阻止できない。共産党も社民党も市民グル−プも労働 組合も共同闘争を追求しない。 何故、国政選挙だけでも共同候補擁立や選挙協力を追求しないのか!


 
V、第三の政治勢力を創造しよう !
  
  21世紀に入って8年、アメリカやドルの一極支配は終わった。世界の国々が21世紀の自国の在りようを模索している。日本  も平和な地球社会(人間のくらしと戦争のない世界)の創造目指して新たな政治の“しくみ”を造らなければならない。

そのために、私は訴える! このアピ−ルをできるだけ多くの皆さんに広めてください。

  賛同者を募ります。 集まりましょう。会議しましょう。行動しましょう。連絡下さい。



2008年9月27日

  
さあ〜総選挙だ。麻生、自公政権を打ち倒そう!

     ◆大企業や金持ちに増税、貧困と格差をなくし、 誰もが人間らしく。
     ◆アメリカ追随を止め、独自外交で飢餓と戦争の ない世界に!
     ◆そのために 自民でも民主でもない対抗軸としての第三政治勢力の創造を。



 
総選挙等でめざす我々の選択(日本の進路)

 きょう、麻生内閣がスタ−トした。 今月中にも国会解散総選挙の情勢である。 今度の選挙は私たちのくらしとこれからの日本の進路の選択である。いま、政党や政治に関わる(関心のある)者が客観的に問われることは何か!

 つまり、@に、私たちがめざす社会像(人間社会と日本の政治の在り方)を明確にすること。Aにそのための基本的な政治理念や哲学(人民が主権者=民主主義)を旗幟鮮明にし、政策の柱と象徴的な具体策を提示する。Bにそれを実現させる政治プロセスを明確に示す。Cに、現状での必要かつ不可欠な選択は、政策の合意に基づき共同候補の擁立や選挙協力を実現する。

 このことは、これまで政党との関わりを躊躇? してきた市民団体や労働組合も避けては通れない、ということをお互いが確認しなければならない。

 自民でもない、民主でもない(21世紀の人間社会の在りようを追求する日本政治)第三の政治勢力を創造したいと努力するものにとっては、この選挙の @位置づけと A政治変革の展望、そのためのB基本政策を旗幟鮮明にしなければならない。

 そのためには、私たちの側からの正確な情勢分析が不可欠である。そうした意味で私の私見を以下のように提起します。


 T、いま、我々が直面する2つの危機

 日本の支配層がめざす21世紀の進路は明らかに新自由主義に基づく日米一体の軍事力を背景とした大国路線である。そのため、いま私たちに突きつけられている選択は大別して二つである。

 ◆第一は、テロとの戦いを大義に掲げ、自衛隊をアフガンなど、いつでも、どこへでも派兵可能な「派兵恒久法」を制定し、米軍と共に戦う「集団的自衛権」の行使、そしてその延長で憲法9条を放棄(改悪)して戦争をする国をめざすのか、否か。

 ◆第二は、構造改革の名の下に日本社会の隅々に、より一層の弱肉強食の自由競争を強いることを許すのか、否か、である。


 
U、今日的情勢をどうとらえるか

 1)アメリカ一極支配の終焉と進む多極化。
 2)新自由主義下での噴出する矛盾。
 3)アメリカの世界戦略とアジア・中東戦略に共同する米日軍事同盟の強化  

 ◆米軍の世界的再編にともない米軍の基地と化す日本列島と沖縄。
 ◆変質した安保。 ――「日米安保条約」→「日米同盟」→「世界の中の日米同盟」――

 4)日本の国内情勢
   この1年間に安倍に続いて福田までが 「政権」 を投げ出し自民党だけで“たらい回し”しているが、私た ちの日々のくらしは、小泉、安倍、福田と続く構造破壊政策のもとで年々悪化している。以下、現状を三つに整理 する。

(1)、国民生活が急速に崩壊!(大企業優遇――弱肉強食社会)
(2)、荒廃する日本社会!
(3)、監視社会、強権国家へ突き進む!


 
V 選挙闘争方針 

1、選挙情勢
  福田首相の政権放棄によって国会解散総選挙の情勢となった。11月2日投票? が有力視されている。
  
 情勢は、“年金、後期高齢者医療制度、道路特定財源、社会的格差の是正、インド洋での再給油、” アフガン 派兵などの攻防で与野党の対決状況は厳しさを増している。
   
 国会の現状は衆参がいわゆる“ねじれ現象”となっており、この状況は次の総選挙の結果によって 政治の在り 方が変わる。

 マスコミからは自民・民主の二大政党の戦いの帰趨だけが報道されているが、将来の日本の政治を考えるとき共産、社民などの護憲政党の闘い方とその結果は重大な意味を持つ。

 現状では共産党が独自の戦い。社民党は基本的に民主党との共闘を選択している。新社会党などが訴えている護憲勢力の共同選挙が取り組めていない。

 その結果として、 @は、民主党が弟一党になり、野党が絶対過半数を制した場合は衆参のねじれが解消し、民主党を 中心とした政権が誕生する。Aは、自公の議席が激減しても過半数を制した場合.ねじれ現象は変わらないので不安定な政治が 続く。

 Bは、社共が独自に戦い、議席を減らす。(社民が崩壊の危機に直面、やがて共産も国政から消える?)

 私的には、前述のような情勢認識に立つ者として、野党は不退転の決意で総力を結集し、一気に麻生、自公政権を打倒すべきだ。しかし、その場合にあっても社、共などは護憲勢力の総結集を呼びかけ共同選挙を行うことが極めて大事である。
 
 将来の日本の政治にとって自&民いずれか中心の政治は本質的に大きな差異はないからだ。


2、我々はどう闘うべきか(総選挙など国政選挙の位置づけ)
 @、戦略目標は、自・民と質的な基本政策の違いを鮮明に掲げ、野党共同候補や野党共闘を追求し、いわゆる  憲法を生かす“第三の政治勢力”を創ることを旗幟鮮明にし、10年目標で戦い続ける。

  ※、選挙の主体は「9条ネット」等の形態(最大限の共同闘争)とし、基本政策の合意を追求する。(共産、社民などと共同を求めるが、場合によってはその限りではない)

 A、掲げる基本政策は、21世紀の日本像を鮮明に、「外交政策の転換」と「構造改革政策の転換」とする。  
 アメリカと一線を画し、アジア重視に。(安保、基地、自衛隊等の解消、縮小、撤去など)。 同時に、大企  業優先政治を転換し、人間復権、暮らし優先の政治に大転換する。

 ◆政策の柱と具体策、
 1,平和外交の推進(イ、自衛隊の派兵恒久法反対。ロ、イラクからの即時撤退。ハ、アフガ ンへの派兵反対、  米 軍基地の縮小、撤去。ニ、日朝国交正常化の促進)
 2、規制緩和と構造改革路線の転換、格差是正と人権尊重(イ、後期高齢者医療制度の廃止。ロ、消費税率引き   上げ 反対。 ハ、派遣、パ−ト労働者等の正規化、)。
 3、環境改善に努める(イ、自然エネルギ−を活用し原発の削減、廃止をめざす。ロ、都市部 のみどりを拡充   し排 気ガス規制を強化する。)
 4、地方分権を推進し大都市集中を転換する(イ、地方の権限を強化し、自治体の併合や道州 制の導入に反対、  ロ、農・山・漁村の活性化に務め食糧の自給率を大幅にアップする)。  
 5、中選挙区制を復活させ、民意の反映と政治の変革を図る。

 B、当面の目標は、自公政権の打倒におき、そのためには(自・民の一騎打ちなどの場合)個々の判断での民   主支援も考慮する。

 C、今後の国政選挙は 「我々はどう闘うか」 の戦略、戦術に基づき共同の戦いを追求し続ける。


 
W、第三の政治勢力を創造しよう! ――5年−10年先を展望!。
  21世紀に入って8年、アメリカやドルの一極支配は終わった。世界の国々が21世紀の自国の在りようを模索  している。日本も平和な地球社会(人間としてのくらしと戦争のない世界)の創造を目指して新たな政治の“し  くみ”を造らなければならない。

 そのために、私は訴える! このアピ−ルをできるだけ多くの皆さんに広めてください。

 賛同者を募ります。 集まりましょう。会議しましょう。行動しましょう。連絡下さい。



2008年9月4日

  
自公は政権を返上せよ




 福田首相が突然辞意を表明した。9月1日、防災の日に政界に大地震が発生し、日本中が大きく揺れた。

 深夜のニュ−スや2日の新聞は各社ともに多くの紙面を割いて報道している。

 私も驚きだ! 1年間で最高権力者の首相が続けて二人も国会開会を前にして政権を投げ出してしまった。安倍や福田も勝手な言い訳をしているが、70歳を超えた福田のじい様に至っては“私はギブアップだから麻生さん、あんたがやってくれ”と言うのだから“おふざけが過ぎるというもの”「国政の私物化だ!」。自分の無能さを反省しないで、国民をバカにするのもいい加減にしろ! 

 安倍、福田、麻生?と次々に“たらい回し”していいなどと国民は了承していない! 福田や自民党の勝手は許さない! 自民党がいま、国民のためになすべきことは、政権を返上し選挙管理内閣によって、衆院の解散・総選挙で民意を問うことだ。


 
民主党への非難は問題外 !――見識が問われる。 認知症 ?

 「私は一生懸命やったが民主党が協力しなかった」だって! 政権を放り投げた記者会見で子どもみたいな泣き言を言っている。見識が問われる。認知症? 一国の首相がいう言葉ではない! 日本の政治の在りようを問われる。本気で言ったのなら、元々政治家や、まして首相になる資質がないのだ。

 野党が反対するのは当たり前、民主など野党の攻勢に耐えられないのは福田も自民党も政治の難局を切り開く自力を失ったことの証ではないか。


 
福田首相と自民党の罪   
  
 21世紀の日本の政治は小泉、安倍、福田と続けられてきた。その結果、日本社会はあらゆる面で構造的に崩壊し、回復不可能なほど格差が拡大した。大都市と地方、大企業と中小商工業、正規と非正規労働者、大金持ちと貧乏人などなど・・・

 こうしたなかで10年連続して3万人を越える自殺者が出る。一方では親殺し、子殺し、友人殺し、あるいは誰でもいい無差別殺人など、信じがたい凶悪犯罪が後を絶たない。

 若者も高齢者や障害者も生活を脅かされ明日に希望が持てないのが現状だ!
 外交もインド洋での給油継続問題、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議や拉致問題、あるいはグルジアがらみでロシアと西欧の新冷戦? などなど難問が山積している。

 このような状況を踏まえ、福田首相は内閣改造を行い国民の目線で政治を進めるとして「安心実現内閣」? をスタ−トさせたばかりではないか。そして、難問解決めざして9月12日から臨時国会を予定したはずだ。

 それなのに、国会開会直前になってまたしても政権を放り投げてしまった。これは内閣総理大臣と与党、自民党、公明党の犯罪だ! 


 
自民党、公明党に政権担当能力なし ! ―たらい回しは許さない !

 自民党よ!公明党よ!国民を愚弄するのもいいかげんにしろよ! 一度ならず二度までも大事なところで日本の政権を放り投げたのは誰だ! 安倍も福田も自民党だぞ! 政権与党は自民、公明だ! 安倍も福田もあなたたちが日本の首相にしたのだ! 

 今回の政権放棄は福田自・公政権が政権運営に行き詰まりギブアップしたのだ! もうこれ以上政治を進められません!と言いながら、“投手を代えます”なんて“ずうずうしいのにも程がある” 政権を二度にわたって投げ出した自公にはその資格はもはや無い! いま、なすべきは“国民に権力を大政奉還し選挙内閣の下で衆院解散総選挙を行うこと”だ!  “これが圧倒的な世論だ!” 



2008年7月7日

  
朝米合意を歓迎し、6カ国協議の進展に期待する




 
◆ 6/26朝米合意を歓迎する

 6月26日、北朝鮮が6カ国協議の合意に基づく「核計画の申告書を提出」し、米政府が北朝鮮に対する「テロ支援国家の指定解除を議会に通告するとともに、対敵国通商法の適用除外を布告」した。

 北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議は2007年10月3日に合意され文書を採択している。合意は三つの段階を想定している。第1段階は核関連施設を凍結・封印すること。第2段階でそうした施設が使えないよう「無能力化」し、各計画の全容を申告する。第3段階で核の放棄を完成させる。というものだ。

 今回の朝米合意でほぼ第2段階まで進展したことになるが、当初昨年末の予定ガ半年も遅れた。交渉は北朝鮮対5カ国だが、特に米日の国内事情(イラク問題等中東情勢)が大きく作用したと言えよう。6カ国協議での採択文書では重油95万トン相当のエネルギ−支援が約束されている。(日本は拉致問題を理由に不履行)。

 このようにさまざまな事情から協議が想定どおり進まないこともある。しかし、東北アジアの非核化を創設する上で今回の合意は大きな前進と見なければならない。


 
◆ 6カ国協議の進展に期待する

 6カ国協議の主席代表会議が開かれる。ここでは北朝鮮の「核計画申告」の“検証体制”の確立に向けた議論が想定されるが、既に協議参加国の間で原則合意したとも言われている。@は各施設への立ち入り、Aに質問に対する文書での回答、Bに核開発に携わった人物にたいする聴取、である。

 こうしたことを経て6カ国協議の開催になろうが北朝鮮には「核兵器を含む核の完全な放棄」が迫られる。5カ国側には「軽水炉の提供を含む新たな支援」の実行である。

 どちらにしても簡単には進められない。とりわけ、北朝鮮にとって核兵器の廃棄は国の存亡がかかった重大事だ。難航が予想されるが、時間はかかっても粘り強い協議を重ね、東北アジアの非核化の実現に期待したい。


 
◆ 北朝鮮、対米平和協定を視野に!

しかし、北朝鮮にとっては第3段階に入ったといわれる中で5カ国側が軽水炉の提供など約束を履行するなら核放棄から引き返すことは不可能に近い。だとすれば、今後の対米交渉では、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換させ平和共存の環境を整備することにっ全力をあげるだろう、と予測されている。


 
◆ 日本の選択---国交正常化交渉を!

 基本的状況認識として「朝鮮半島を巡る情勢が歴史的転換をしつつある」と理解し、その上で、「国交正常化なくして真の拉致問題解決なし」の考えの下、日朝国交正常化に向けて実務者協議を重ねるべきである。その場合、基本は‘05年9月の共同声明(平壌宣言)に基づき“過去の清算と関係正常化”に誠実に取り組むことだ。

 6月の日朝実務者協議で“拉致被害者の再調査”が約束されたが、“進展あればエネルギ-支援”ではなく話し合いの中で同時に進めるという発想の転換がされなければならない。



2008年4月17日

  
空自イラク派兵は憲法違反

    
画期的な4.17名古屋高裁・自衛隊イラク派兵 違憲判決
    自衛隊海外恒久派兵法を阻止し、イラク・アフガニスタンからの自衛隊撤退を求めよう



 4月17日、名古屋高裁において“イラクに派兵されている航空自衛隊は憲法9条違反である”との判決が出されましたが、このことについて新社会党は 「声明」 を出しました。全文を掲載します。



 1422名が提訴した「自衛隊イラク派兵差止訴訟」の控訴審判決が名古屋高裁で出された。判決は歴史的なものである。

1、本判決は「自衛隊派兵の撤退」という控訴人の主張を直接に認めたものではない。しかし 画期的な意義を有する内容である。
 第1に、自衛隊機が発着するバグダッドを「戦闘地域」、自衛隊が行う米兵の輸送を「武力行使」とそれぞれ認定し、政府の憲法解釈を前提としても、自衛隊のイラク派兵は「特措法」と憲法9条に違反するとした。

 判決は「現代戦において輸送等の補給活動もまた戦闘行為」と断じ、「非戦闘地域」規定のあいまいさを突くもので、今後の自衛隊派兵反対運動に強力な根拠を与えるものである。

 第2に、控訴人の主張する憲法前文の「平和的生存権」を「憲法の基本的精神や理念を表明したに留まるものではない」とし、9条とあわせ「裁判所に対してその保護・救済を求め法的強制措置の発動を請求しうる」具体的な権利としたことである。昨今、「前文」や9条、さらには25条「生存権」も、たんなる理念にすぎないという論調がはびこるなかで画期的である。改憲阻止運動にとっても重要な光明といってよい。

 第3に、自衛隊とその活動の違憲性を問う裁判では、長沼ナイキ訴訟札幌地裁の自衛隊違憲判決をのぞいて、司法は全て判断を逃げてきた。それが「平和的生存権」に立脚し高裁レベルで真正面から自衛隊の具体的な活動とイラクの状況を精査し、違憲との判断をくだしたのも画期的である。

 高裁判決は勝訴した被告たる国が控訴できないため確定し、運動に大いに寄与するものとして生きてゆく。

2、名古屋高裁違憲判決は、3.13鉄道運輸機構東京地裁判決、4.11立川ビラ配布事件 最高裁判決と、司法の義務を放棄した反動判決が続く中で、限りない勇気を与えるものである。それは全国各地で幾度負けてもくりかえされてきた違憲訴訟の成果である。

 私たちは判決を武器に憲法闘争をさらに前進させよう。当面、自衛隊海外恒久派兵法制定の動きを止めさせよう。あきらかな武力行使と司法が判断した「後方支援」も「戦闘地域」のあいまいさも、すべて「恒久派兵法」の根幹をなしている。自民党・公明党に、「恒久派兵法」与党案策定のプロジェクトを始動させてはならない。民主党は継続審議となっている同党の「テロ根絶措置法案」をとりさげるべきである。
                                                  以 上



2008年2月1日号

  
 政治の劣化を憂う
       
これでいいのか知事選挙
       橋下がなぜ大勝?



 28日の11時から6チャンの 「ピンポン」 という番組を初めて見た。橋下が勝ったわけが解ったような気がする。

 芸能プロダクションがメディア戦略を駆使して大衆を操ったのだ! 乗せられたのが女性59%、無党派50%だ!
 
 芸能プロの演出で大阪府知事が造られる! 芸人、橋下が演じる。テレビが彼の街宣を映し出す! まるで小泉劇場の再現だ!‘08年も「偽装」がまかり通るのか! また、歯車が逆転するのか! 日本社会の退廃だ! 憂鬱になる。

 マスコミも問題視したか!  29日の朝刊で 「東京の“こちら特報部”」が「橋下府知事誕生の何でやねん」 として特集を組んだ。 全体を読むと、やはりテレビの影響だったということがわかる。テレビ画面に映るイメ−ジで決めている。記者たちはさすがに、言おうとしていることを、見出しにうまく表現している。こうだ!“タレントブ−ムそのまんま”、“低迷ナニワのセ−ルスマンに” と書き表した。実に的を射ている。

 しかし、“これでいいのか”という視点からか、「政党政治機能不全“政治劣化に警鐘も”」として、千葉大教授の新藤宗幸(政治学)の苦言を載せている。

 新藤氏はこう言っている。「そもそも民主主義では政党政治が機能するのが健全な姿。政党が市民に信頼されていないし、自信もないから、知名度だけの人が出てくる。政治家は理念を持ち、その一方で利害関係を整理していく能力が必要」、と。さらに記者は“中央と地方でともに進む政治の劣化に警鐘を鳴らした!”と紹介している。

 私が危機的に思うのは、「府や県のトップ」が「芸能プロの演出」で“選挙というお芝居”をうまく演じることによって決まる。この流れは簡単には変わりそうもない! 識者たちも、“政党が強い意思をもって現状を変えていかなければまだまだ政治風土は悪くなる”とみている。

  “政党の強い意思”とは何だ! 私は、人間社会の在りように対する政党としての揺るぎない理念と基本政策を明確にすると同時に、“有権者に対し本気で有権者の選ぶ責任を問うことだ”と思う。

 今、政治の現状から大阪や宮崎県の知事に求められるものはセ−ルスマンになることではないだろう。自治体のトップが国の進路や国民生活(生き方)の在りようを軽視するならそれは地方自治の自殺行為だ! 知事や市長は県民や市民のくらし(命)と財産を守るために“団体自治の長”として“国と対等である”との自覚を持たなければならない。

 しかし、現状は地方自治とは何ぞや? など考えたこともない?ようなタレント首長が続出するだろう。ますますの政治の劣化が進む! 悔しい!


 
地方自治の再生を!

 地方の首長や県会議員などが道路だ!道路だ!ガソリン税を上乗せしろと陳情合戦を繰り広げている。地方の時代などと踊らされ、三位一体とか税源移譲に惑わされて何兆円もの税収減になっている現状に気づかない?

 首長も地方議員もそして何よりも住民が自らの地方自治を見直そう! 地方自治を再生し、地方から国の政治を変えよう!



2008年1月1日

  
 謹賀新年
       
「真」を求めて日本の大転換を!



 政財官の強者による「偽」の一文字で象徴された昨年の日本でした。今年は「真」の日本にしたい! との決意を胸に新年をお迎えのことと思います。

 私も今年は日本の進路を変えるために一層の努力をしたいと想いを新たにしています。昨年夏の参議院選挙で自民党が大敗をして以来、政治の流れが変わりつつあるように思えます。地方が語られ、格差の拡大や人々のくらし・人権などが見直されつつあるように思います。外交面でもアジアに目が向き始めています。

 今年は衆議院選挙が必至の情勢です。自公政権を打倒し、人間が“人”として生きられる日本を創造するため共に闘おうではありませんか!

                                              2008年 元旦


 
日本を壊した小泉・安倍、そして福田が。

 戦争・大虐殺、狂気の20世紀から、人間の英知による「平和の21世紀の創造」が求められたとき、ブッシュが、ブレアが、小泉が出現し、歴史の歯車を逆転させ人間社会を殺し合いの世界にしてしまいました。

私は昨年の元日、「闘争宣言」を発信しました。衆議院選挙に小選挙区制を導入して以来、日本の政治が狂い始め、人間社会としての日本のあらゆる構造が崩壊し人間の肉体と心までが破壊されてしまったからです。
 
破壊したのは小泉首相に始まって安倍、福田と続く自公政権です。特に規制緩和と構造改革を掲げ、弱肉強食の強い者勝ちの政治を強行した小泉政治が日本の社会構造を破壊したと言わざるを得ません。

 私はここ数年、“日本の針路が2つの危機に直面している”と言い続けてきました。
 
 その1つは外交です。日米軍事一体化が急速に強化推進され、強力な軍事力増強と日本列島の米軍基地化が強行されるとともに憲法に違反してまで自衛隊が戦場に派兵されてきたことです。

 2つ目は国内政治において金融資本を頂点とする大企業本位の弱肉強食政策の推進で前述の如く日本社会の営みを崩壊させたことです。犠牲は地方、中小商工業者、労働者、高齢者、障害者、青年等々です。人間の尊厳が否定され、社会は荒廃しモラルが著しく低下、凶悪犯罪は激増の一途です。


 
戦前回帰「神道帝国日本」を夢想した安倍前首相!

 私は06年9月に首相目前の安倍氏を「彼がめざす“美しい国”は 神道帝国日本だ!」 許すな! と言いました。“教育基本法を変え、憲法を変える”と言ったからです。その後の安倍首相はご承知のとおり、数にものをいわせて強行採決の連続でした。

 そして、現在の福田首相です。一見、もの優しさを装いながら政治の基本は小泉、安倍の延長上でことを進めようとしています。日米一体化、構造改革、大資本本位です。


 
衆院選で「憲法を生かす共同候補」を!

 今年は総選挙必至の情勢です。最近の自民党の劣化(人材や組織力)は覆うべくもないので、選挙では民主党が大幅に議席を伸ばすであろう。問題は日本の針路を考えたときに自民、民主の本質的な差違が見えないことです。

 現憲法を“武器”にして日本、アジア、世界の平和を創造しようとする人たちにとっては自民や民主でない“第三のかたまり”がどうしても必要です。

 私も新社会党も一貫して主張してきましたが、今度の総選挙でも従来に増してその重大さは共通の認識になっています。いまこそ、小異は残しても大同につこうではありませんか!次期衆院選は「憲法を生かす共同候補」の擁立を!