成田発 JL405便、パリ経由で一路イタリアピサへ。往復eチケットで予約していたけど、エコノミー席が満席でプレミアム.エコノミー席にアップグレード。昔はファースト、ビジネス、エコノミーしかなかったけど、その間のクラスで席も広いし、アルコールの種類が多い。たまにあるラッキーだった。
いい席に座ると、ほかにもいいことがあって、隣に座ったのが28歳の若きビジネスマン、パリ経由でモロッコ、シリアにタイヤの視察で行くそうな。 旅は道連れ、道中、ビジネス界の熱い話を聞けて、12時間退屈せず、あっという間にパリに到着した。
パリで4時間待ってピサへ。縦に左が1列、右が2列しかない小さなジェット機で、少し不安だったけど、余計な心配だった。実に安定感のあるフライトで、無事ピサ空港に到着。
これは、シャルルドゴール空港で、乗った飛行機の窓から撮ったものでこちらの飛行機は、これの半分。
深夜、去年も来たルッカ料理学院にたどりつく。ジャンルッカ先生、マリエラ先生が出迎えてくれて、再会を喜び合った。
今回滞在するのは、学院に近いホテルナポレオン。古いけど、小ぎれいで窓からの景色が美しく、心配してたインターネットもすぐ繋がり、満足満足。
ホテルの窓から朝の風景
朝食を済ませ、スーパーに買い出し。日曜日は、安息日なのでスーパーも午前中で閉まってしまう。徒歩5分のところに大きなスーパー、「ESSELUNGA」(エッセルンガ)があった。
手前は、スープなど煮込みに使う黒キャベツ
今月ウチの教室で使ったフェンネルがこんなに大きくたくさん!
Cima di rapa (カブの菜花) ウチの教室の名前の野菜があって感激、においを嗅いでみると辛みのあるとてもいいにおい。
リコッタチーズもマスカルポーネも安い。1.00ユーロ=138円です
ホウボウ(gallinella),イナダ(ricciola)が
焼き菓子売り場は、カラフルでおいしそう
料理研修はじまり
ジェノバから来たルーカ先生。今日のメニューは、
Antipasto : Cappon magro(カッポン マグロ)
Primo : Vermicelli di grano duro con polpa Bianca(ベルミッチェリ)
Secondo : Caramaro ripieno(詰め物をしたイカ)
Dolcde : Millefoglie allo zabaglione con croccante al sesame
どれもおいしかったけど、カッポン.マグロがおいしかった。
私は、若い研修生の4班に入り、セコンドの詰め物をしたイカを担当する。将来、シェフを目指す若者のきびきびとした働きが気持ちいい。昨日スーパーで見た、ホウボウとイナダが早速登場する。(アンティパスト、プリモのソース)
詰め物をしたイカは、私のレシピにもあるけど、今回は、ズッキーニ、玉ねぎ、イカげそ、ムール貝などが入り、とてもリッチな味。
夜は、このイカとドルチェと残り物で作ったサラダと、残った詰め物に更に卵と粉を加え丸めてパン粉をつけて揚げたお団子。それと、魚のあらで取っただしに白ワインとトマトを加えて煮込んだスープにフレーゴレを加えたもの、残った食材も無駄なくさらに手を加えて作る「賄い食」にも感心する。
今日のメニュー
A:Sardelle in saor(鰯のサオール)
Polipo tiepido condito
Cozze gratinate(ムール貝のオーブン焼き)
Polpettine di Baccala(干しだらの揚げ団子)
P:Lasagna al ragu di pesce dell’adriatico(シーフードのラザーニャ)
S:Seppie con nero e polentina Bianca Ottofile(イカの墨煮八列トウキビのポレンタ添え)
D:Tiramisu trevigiano(トレヴィーゾ風ティラミス)
今日の担当は、セコンドのラザーニャ、これは、以前日本でやったことがあるのでスムーズにできた。おいしかった。
今日のメニューで最もおいしかったのは、アンティパストの鰯のサオール。
味がしみて玉ねぎのうまみとレーズンの甘みがマッチして、酸味が食欲をそそり実においしかった。
午後は、イタリア語の先生、ルッカとアンナリーザと、チェントロの露天市見学に。雑然と人ごみだったけど、最後のアニマル市には、うさぎ、馬、鶏、うずらなど生きた動物を売っていて、おもしろかった。うさぎは可哀そうに思えたけど、牛も鶏も豚も命を頂戴しているのは同じだ。
パンダ模様のうさぎ(T_T)
今日は、去年もやった石釜ピザ。ナポリ出身のローザ先生。去年と全く同じだった。石釜を日本でも作れたらいいのに。
今日からルーカ先生のイタリア語に参加するが、早口で話題をふると20分くらい横道にそれるのがおもしろく、楽しかった。
今日のメニュー;
A: ジャガイモのコロッケ きのこソース
子羊のミートボール、ぶとうの葉包み
P:鉄の針で作るパスタ 子羊のラグーソース
カラバッチャ(イタリアの;オニオングラタン)
S:子羊アグレストソース
D:干しいちじくのシュトゥーデル
今日の担当は、ミートボールとドルチェ。6人が滞在許可証を取りに行ったため、フルに働く。
松井君が「羊祭り」と言っていたけれど、子羊は、とてもおいしかった。ブオノ!ブオノ!
アグレストソース(上)
朝晩冷えて秋らしくなってきました。
朝の霧
今日のメニュー:
A:秋の野菜と魚の組み合わせ
塩鱈の冷製 サルサ ピカンテ
P:スパゲッティ 魚介のソース
ストラッチェッティ シーフードソース
S:イカのグリル
D:ブドウのフォッカチャ
担当は、ひとつめの前菜
今日のメニューは、短時間で出来ておいしく秋を感じさせるメニューでした。感動したのは、アンティパストのソース、魚介のソース、フォッカチャもおいしかった。
トマトソースにホウボウを丸ごと入れて
夜のメニューでおいしかったのは、フライドポテト、油にセージ、バジリコ、ローズマリー、にんにくを入れてからポテトをじっくりきつね色になるまであげる。野菜のピクルスは、水:酢 1:1 + 塩たくさんに野菜を小さく切ったものを入れ、1時間ほどおき、よく洗いしぼって一日ひのあたる所に干して乾かす。サラダ油:オリーブ油 7:3とにんにくを混ぜそこに野菜をいれて冷暗所で2日以上寝かせる。(野菜のピクルス)
着いて一週間、今日は初めてのオフ
研修生のシエナ組に合流して、電車とバスでシエナの街に行ってきました。
ゴシック調で街が一つのアートで美しかった。感動!
三つの丘に立った坂道の街 研修生のひとみちゃんが研修に入るレストラン「ダ.ディーボ」でランチ
これは、パン
私の頼んだのは、ピッチョーネ(鳩のグリル)
おしゃれでとてもおいしかった。
ルッカ駅
今日は、電車でフィレンツエへ、去年も行った花の都へ。
メルカートで皮のジャケットとリナシェンテ(デパート)で娘にバッグを買う。どこに行っても観光客やらでいっぱいでちょっと辟易。
お昼は、みんなと合流してオープンテラスのレストランでランチ。
トリッパ、シーフードリゾットがおいしかった。
マニュアル車の運転もすっかり慣れ、坂道発進ももう問題なし。
行きの電車で切符に打刻をしなかったアメリカ人女性ふたりが罰金40ユーロを取られていてビックリ。昨日は、私も忘れみんなといたから免除され、ラッキーでした。
今日のメニュー
A: 詰め物をした野菜
P: ミートソースのトルテッリ
ひよこ豆のスープ
S: 豚肉のオーブン焼き
(付け合わせ) カリフラワーとフェンネルのスフォルマート
D: アマレッティーのタルト
ふだん草のタルト
先生は、マリエラさん、ふだん草のタルトは去年もやったがおいしかった。
レンタカー
スローフードという言葉がイタリアを代表するように、なんでもゆっくり、生活を楽しみ、古いものを大事にし、守り続けている国である。農業に誇りを持ち、伝統をとても大事にする。家も古く、日本のように何でもハイテクが進み、洗濯機でも炊飯器でも電化製品がボタン一つで操作でき、音も静か、省エネ古いものはすぐ買い換えることなど考えられない。昨日も近くのスーパーに水を買いにいったが、レジが遅い。日本のイトーヨーカ堂のレジに研修に行ってほしい。少しでも列が長くなると、助っ人の男性店員さんがワイシャツの腕まくりをしてヘルプにくるでしょう。あと3人目なのに、遅々として進まず、なぜか、椅子に腰かけたレジのおばちゃんも待っている。???1〜2分したら、順番の女性が量り売りのぶとうをかごに入れたではないか… 待ったり待たせたりすることは、ふつうのようである
今回、料理を習いにきたが、料理についても、スローである。いろいろな地方の伝統を守った料理が多く、昔ながらのやりかたで作るし、ほかの影響を受けない。それぞれ料理を習っていても、否定してはいけないことが二つあって、ひとつがマンマがやっていたから、もうひとつが伝統だからということだそうだ。便利だから、早くできるからといって、やりかたを変えたりしない。
今回は、学院に通うのにレンタカーをした。日本では当たり前のオートマ車はなく、マニュアル車である。30年前に運転免許を取ったときは確かにマニュアル車だったけど、もう何十年もしたことのないマニュアル車を借りて右側通行、一般道での速度制限が90キロのイタリアで運転した。低速で走る時のクラッチとアクセルの加減がなかなかうまくいかず、もちろん若葉マーク状態で走るわけだが、運転だけは、なぜかスローでは許されない。少しでも加速が遅いと容赦なく煽られ、道幅があればバンバン抜かしていく。クラクションは当たり前、慣れない外国人のスローな運転になぜやさしくないの?? 狭いイタリア、そんなに急いでどこに行く? である。
今日のメニュー
A: エルバッツオーネ
P: にんじんのクリームスープ
じゃがいものニョッキ パプリカのクリームソース
S: 子牛のシチュー ルッカ風
D: ブルーベリーマフィン アングレーズソース
今日は、ブラジル人の研修生、アレッシャンドレの27歳の誕生日だったのでマフィンでお祝いした。いつも皮肉っぽい彼が、だいぶうれしそうだった。
今日のメニュー:
A: 鱈とポレンタのミルフィユ仕立て
P: じゃがいものニョッキのラビオリ
S: 豚フィレ肉のソテー 黒キャベツ添え
D: 洋なしのコンポートパンナコッタ添え
明日からナポリに行くので、ルッカでは今日で最後の研修、短い間に仲良くなった若い仲間との別れがなごり惜しい。
みんな個性的ででも優しく情熱と体力に充ち溢れ、たくさん元気をいただきました。ありがとう
レンタカーを返し、ルッカ駅から一路ナポリへ、フィレンツエでイタリアの新幹線ユーロスターに乗り換えて約3時間半でナポリに到着。電車の中は、両側に4人掛けの席が向かい合って並んでいて、真ん中のテーブルには、パソコン用の電源がありびっくり。車内で大きな声でしゃべる、携帯電話はあちこちでなる通話はする。日本でいつもひっそりと生きていっているのですごく気になった。
駅に着いて、タクシーを拾いマリーザさんの家まで、メーターが最初から上がっていないか、数字を高く言わないか、運ちゃんにイタリア語を話しかけ旅行者とばれないように走った。町は、南米の街を思い出す、ゴミは落ちている、人が車の間をぬって渡る、車線は存在しない、10cmくらいに接近する、ここでは、いくら慣れても運転は絶対できないだろう。
マリーザは、暖かく迎えてくれた。典型的なナポレターナ、明るくしゃべるしゃべる。姪のサラと二女のルシアナが一緒に住んでいて、夕飯には、長女のアマーリアと夫のジャンフランコがやってきて、みんなでごはんを食べる。35歳で未亡人となり、ひとりで幼いふたりの娘を育て家のローンも払い続けた元気なマンマ。たくさんその話をしてくれて、自分がなんと恵まれているか、本当に身にしみた。
市場を見たいと言ったら、午前中ジャンフランコの車で露天市につれて行ってくれた。鮮度のよい野菜や果物が安い。買った野菜で、イカスミのスパゲッティ、いわしの前菜を作る。夜は、トルタカプレーゼを教えてもらう。作ったことあるけど、アーモンドのこなでとってもおいしくできた。翌日のほうがおいしいそうだ。
市場で
今日は一日観光の日として、カプリ島に行った。港まで歩いてそこから高速船に乗って40分、カプリに着いた。カプリの港からは、島一周と青の洞窟行きの二種類のツアーが出ていて島一周を選んでチケットを買う。写真を撮っていたら東洋系のエレガントで素敵な女性に声をかけられ、写真を撮ってもらう。名前はダーナと言いカザフスタン出身で、ご主人の仕事でミラノに住んでいて、子供を預けてバカンスに来ているとのこと。ツーショットが絵になる素敵なカップルも同じ船に。
これは、ダーナが撮ってくれた船での写真
いよいよ船が出ると、あちこちに洞窟があり、海の色もどこまでもコバルトブルーで吸い込まれるように美しい。島をほとんど一周したところのGrotta azzurraに着くと4人乗りの手漕ぎのボートに乗り換えチケット(10ユーロ50k1,400円くらい 結構高い)を買い直し、船頭さんが漕いで半径50cmくらいの穴から身をちじめて入る。 すると、目の前に海の色が穴から入る光に反射して写真でみた通りの紺青が広がる。ついにあこがれのイタリアの最南端のカプリ島蒼の洞窟まで来たんだなあと感動したけれど、下りてみると日本人の団体観光客が船を何隻も借り切るようにたくさんいて、ここまで来て、日本の経済力を思い知った。
蒼の洞窟
帰り道、ルシアナから教わったカフェでナポリ名物のババ(サバランをきのこのような形に焼いたお菓子)を食べ、おみやげにやはりここの名物のパスコア(復活祭)にたべるお菓子パスティエラを買って帰り、夜食後、マリーサのうちのみんなで食べた。卵、リコッタチーズ、レモンピールを詰めたトルタでオレンジフラワーの香がする。パスコアは、春だから、花の香だそうだ。
夕方帰ると早速、お料理レッスン、ミネストラ アラ マリタータ(クリスマスに食べる野菜たっぷりのスープ、詰め物をしたアーティーチョーク、ズッキーニのマリネ、レモンのグラニータを作る。スープは、野菜と骨付き肉、生ハムで丁寧にブロードをとり、3種類の青菜3kgを加えて作る滋養に富んだ、とてもおいしいスープだった。
ブロードを取っている鍋
マリーサは、魚料理が得意と聞いたので、今日はルシアナの運転で魚の露天市場に連れて行ってもらう。獲ったばかりの新鮮な魚やタコイカ、貝がたくさん並んでいて、黒鯛、ホウボウ、カンノリッキオ(マテガイ)ヒメジを買って帰る。
それらを使って今日は、魚のラビオリ、魚のオーブン焼きを習う。そのほかにジェノベーゼ(牛肉の煮込みソース)詰め物をしたパプリカを作る。
ラビオリの生地はもちろん生パスタで、他に、茄子やひき肉もあるけれど、カジキと海老の詰め物でとてもおいしかった。
アマーリアの誕生日
メニューは、
Fritto misto(野菜のフリット)
Arancino(アランチーノ)
Pasta di patate(じゃがいものパスタ)
Chiacchiere(キアッキエレ) カーニバルの揚げ菓子
Cannolicchi(マテガイのソテー)
日本のイタリアンレストランのチェーン「カプリチョーザ」のメニューにもあるライスコロッケ「アランチーノ」は、ナポリの料理と聞いてリクエストして教えていただいた。イタリア最後の夜とアマーリアの40歳の誕生日と重なり賑やかなチェーナ(夕食)となる。