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軽井沢の豊かな自然の中で 古き良きフランス料理の美味しさを 良質なワインと共に
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シェフからのメッセージ@
もう少し言わせて
しっかりと素材の味を引き出し、感じて頂くこと。
その為の美味しいソース、そして、重いという事ではなく、満足を感じて頂けるだけのボリューム。
日頃、私はこんな事を念頭に置き、フランス料理の伝統を強く意識しながら現代に合った料理を作っております。ですから見た目はとてもクラシックです。
しかし、都会の料理事情が余りに変わったせいでしょうか、お客様、特にやや若い方が「ここの料理は新しいスタイルですね」とおっしゃる事が多くなりました。
また、ご年配の方々からは「久しぶり」とか「安心できる料理だ」などとお褒め頂く事もございます。
勿論、時代と共に料理に求められるものは変わって行くのが当たり前ですし、私も常に必要な変化を心がけてもいます。
でもそれは、ソースの濃度をつける為のバターや生クリームを多く使う代わりに、大量の野菜を駆使して効果を出すことで、体に優しい仕上がりを目指したり、美味しく召し上がって頂く為に、当たり前ですが、的確な火通しを心がけるなどなど、決して基本線から外れる事はありません。
ところが、今の多くの料理の変わりようには、驚かされていまいます。
皿の中の味作りを表現するよりも、その方がわかりやすいのかもしれませんが、グラムいくらの超高級銘柄と言われるような素材や、手に入りにくい事が価値の基準となる素材、有名デザイナーによる斬新な内装、また、流行の器、画一的とも思える華やかな盛り付け、そして、仕掛け人によるスター作りの為のメディア戦略等々、いき着くところまでいってしまった市場原理や商業主義によって、料理や料理店の価値基準までもが無理矢理変化させられた結果なのかもしれません。
なるほど、次々と人為的に作られる都会の中の新しい都会、そこでは、何か途方もない付加価値を生み出さなければ、ビジネスにならないのでしょう。
けれどもそれは、料理人本来の存在理由や、幸福感とは大きくかけ離れているような気がしてなりません。
高いレベルの料理とは本来、人の手仕事によるもので、いわば、能率の悪い省略できない作業が一番大事な要素になっているはず、つまり大量生産とは対極にあるもので、利潤獲得優先の極端な合理化や効率化、料理の味とはほとんど関係のない要素や、話題性からなる評価のなされ方とは相容れないはずだと思うのですが、今時、こんな風に感じている私のような料理人は時代遅れに違いない、それならそれで、そうあり続けたいと思い、東京での活動にピリオドを打ち、軽井沢の奥まった場所に造ってあった家に落ち着く事にしました。
ここでは、時代がどう変わろうと、料理の流行がどうであろうと、自分自身が納得のいく事を追いかけてゆけると思ったからです。
普通の家がレストランになっていますので、特に豪華な造りではないけれど、ダイニングはゆったりと我が家のように落ち着ける感じで、料理を楽しむ事をなによりも大切に考えてしつらえてあります。
器だって最近流行のデザインなんて取り入れたりしません。
実際食べやすいとは思えないし、長年続いてきた食器の形は、それが使い易いというのが根拠なのではないかと思います。
ですから、オーソドックスなものを使っています。
また、望まれない限り、お客様のテーブルに顔を出すことをしません。
無愛想なのではなく、呼ばれれば手が空いている限り、喜んで出ますし、また、逆に、出来上がった料理を自分でお出ししたりもします。
もちろん、お客様と料理やワイン談義に花が咲く事もしばしばです。
ただ、料理人は芸術家や芸能人のようなものではなく、どちらかと言えば裏方的な存在ではないかと思ったりしますから、人前に出るよりも、まずは味で、お客様に喜んで頂きたいと思っております。
それから、デザートを除き、料理は一人で作っています。
理由は、良くも悪くも、全て納得づくでいたいからです。
営業スタイルや立地のせいか、趣味や道楽にように言われる事もありますし、なるほどスケール的にもビジネスレベルではないのかもしれませんが、何より「一番好きな事=料理」をする事だけで暮らしていける毎日を本当に幸せなんだなと実感しております。
それぞれの季節、山に入り、天然自然の恵みもできる限り料理に使わせてもらっています。
そして、年々、この環境にいる事が当たり前に馴染んでいく自分を感じます。
きっと、もう都会暮らしはできそうにありません。
有機素材が何も特別じゃなく、季節のうつろいや自然の収穫が実感できて、時間がゆっくり流れ、いつも無理せず自然体でいられる自分の場所。
これから先、生きている間ずーっと料理し続けるぐらいのつもりで、今ここにいます。
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「はじめにワインありき」
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