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燗問言(かんとうげん)

馬場酒店の表紙を飾ったコラム「燗問言(かんとうげん)」。このコーナーでは、バックナンバーがご覧いただけます。
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No.26,「秋彼岸・海」

 秋彼岸に先祖の墓参を兼ね垂水フェリーで錦江湾を渡りました。35分間の船旅。見慣れた桜島の形は刻々と変化しながら大隈半島に繋がります。念願の船内そばを朝餉に済ませ陸の見える入り海をたっぷり眺めます。海豚の群れを期待しつつ我を忘れて眺めます。高隈山が近くに見えると垂水港に到着です。フェリーを経て小漁港沿いにドライブします。酒屋の性分と申しましょうか地元酒屋の焼酎看板が目に付きます。「地元の焼酎」への思いを深めてしまいます。醸造場は生産地の恵みを詰めた焼酎を区別しながら造っています。割り水にこだわるのも一興です。帰りは桜島フェリーで15分の船旅。「海」を身近に感じた一日に乾杯!(2003/9/25)

No.27,「竜舌蘭」

 アポロンヘ竜舌蘭の花の燭〜南国歳時記〜「竜舌蘭」は夏の季語ですが鹿児島市内をパノラマに眺めることの出来る長島美術館の庭にその花が咲きました。100年に一度咲くと言われる竜舌蘭の花は盛りを過ぎていましたが確かに咲きました。メキシコ原産の竜舌蘭はアガペと呼ばれ8〜10年かけて育てた株の樹液を蒸留します。樽詰めして熟成したテキーラはカクテルベースに飲まれます。勿論岩塩を舐めながらストレートも一興です。観賞用の竜舌蘭を眺めながら「マルガリータ」「テキーラ・サンライズ」を連想するのはごくまれな人でしょう… えっあなたも!!!(2003/10/2)

No.28,「味噌作り」

 今日のBGMは大西順子さんのピアノジャズ。原大力さんのドラムを生で聴いて以来このクインテットに惹かれます。力強いジャズをBGMに昨日の味噌つくりを思い出しながら朝の掃除に力を込めます。鹿児島のどこかで味噌つくりの集いが今や盛んです。地方色豊かな味噌作りですが.手間と労働がかけがえのないご馳走になります。60kgを4家族で分けます。今年は殊の外 麹がきれいに咲いてよい感じです。麹菌の力に驚きながらオデコに汗して醸します。隼人町 松永共同利用施設の上園けいこさんの指導のもと空気を抜いて甕におさめます。2ヶ月甕熟成させると「我が家のお味噌」の出来あがりです。三日味噌麹の匂いがたまらなく好きな人はもう食べてしまうとか。副産物の蒸大豆は「昆布大豆煮」蒸麦は「しょんしょんの実」に姿を変えておかずにします。麹の力もさることながら「甕」の力も見逃せません。甕に味噌を詰めながら温め酒にするあの酒器の形を思い出すのは私だけでしょうか?・・(2003/10/9)

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No.29,「伊佐焼酎」

 鹿児島県大口市は北薩摩エリアの最北にあたる盆地です。かつては鉄道も走っていたというそこは、鹿児島市内から車で1時間30分ほどの距離。この土地を近しく思えるのは意気盛んな30年ほど前の父親の記憶に拠るものです。いや最近は、伊佐焼酎のなせる技なのかもしれません。焼酎好きには堪らなく魅力的な土地柄です。醸造場の当主に個性的な一徹さを感じます。挨拶回りを自らコツコツと欠かさず、すでに熟練の杜氏として安泰していいはずなのですが、必ず「もう少し味を・・・」と向上に余念がありません。今流に味を慣らさず「手づくり」を求めるのです。お話をず〜っと伺っていたいほど素敵な手造り焼酎の職人です。モノ作る人との出会いこそ美味しいモノを有難くいただけるのではないか と天を仰ぎつつひそやかに乾杯・・(2003/10/16)

No.30,「ワインの季節」

 今朝の秋、温かいお味噌汁から始まります。湯気に顔を寄せて麹の香りをきくと確かに季節は動いています。一日の計画を繰り返しながら店を開けます。ワイン棚の入れ替えをして夏場よりワインが多くなりました。セラーの外に置いていいほどの気温がワインにとっても心地よいのです。南フランスを旅した人の多くが肩肘張らないとてもリラックスしたバカンス気分になると土産話をします。これまたかの地に魅せられた人こそ巡り会うものがあります。蓮見ご夫妻とDo.AlinParetアラン・パレ(写真 孝子氏と)の造るワインもそのひとつ。私共が楽しみにしている「サンジョセフ420ニュイ」の入荷を迎えます。南仏といえばヴァン・ド・ペイ(地ワイン)が一般的になってきましたが AOCも勿論見逃せません。現地3ツ星レストラン「アラン・デュカス」の定番ワインになるほどの実は切れ者です。ワインの季節が嬉しい・・(2003/10/23)

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