Movie Review 1998
◇Movie Index

ラブゴーゴー('98台湾)-Dec 23.1998オススメ★
[STORY]
パン職人のアシェン(チェン・ジンシン)は、毎日レモンパイを買いに来る初恋の相手リーファ(タン・ナ)に再び恋をした。彼女への想いを歌番組に出ることで伝えようとする。
ちょっと太めのリリー(リャオ・ホェイチェン)は町で拾ったポケベルの番号に電話をした。相手の声に恋をしたリリーは彼に会うためにダイエットをする。
セールスマンのアスン(シー・イーナン)は立ち寄った美容院のオーナー・リーファに恋をしたが彼女の恋人の妻が乗り込んできて・・・。
監督チェン・ユーシュン(『熱帯魚』)
−◇−◇−◇−
3つのストーリーからなる映画だけど全然関係ない人々の話ではない。1つめの話に出てきたアシェンの下宿先にリリーも住んでいるし、アシェンの恋の相手リーファは3つ目の話の美容師だ。ほかにもあっちこっちでいろんな人達が行き交っていて面白い。登場人物もそれほど多くないし、多分製作費もそれほど掛かってないように思うけど、じゅうぶん映画として成り立っている。

何といっても1つめと2つめの話のそれぞれの主人公がスゴイ(笑)アシェン役ジンシンもリリー役のホェイチェンも2人とも役者じゃなくてスタッフやマネージャーだったのを抜擢したらしい。だから役者らしくないルックスでリアルだ。特にアシェン役の人は言うことなし。いいキャラクターだ。リリーの子は演技けっこううまいと思ったけどね。だからそんな彼らを見てるとそれだけ恋が遠いような、もどかしいような切ない気持ちになるのだ。

だから3つめの話がちょっと綺麗すぎちゃったような気がする。リーファは美人だし(ちょっと大塚寧々似)セールスマンのアスンもいかにも台湾のアイドルっぽい感じ(つーかホントにアイドルらしいんだが)でもそれを補うくらいにアシェンが最後にやってくれるのでよし!あれじゃあどんなに悲しくったって笑っちゃうって。

ラストの纏めもうまいし、コミカルなところやノスタルジックなところもありで期待以上だった。何しろタイトルがいい。言うのがちょっと気恥ずかしいような今時使わないような。何たってラブゴーゴーだもんね(これは邦訳じゃない)
監督の第1作『熱帯魚』もあのあと見たけど、悪くはなかったがそれほど面白いとは思わなかった。笑いドコロもなかったし。やっぱりこの作品のほうがイイ。
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アルマゲドン('98アメリカ)-Dec 21.1998
[STORY]
隕石がNYに落下し街は壊滅状態に。しかし今度はテキサス州程の大きさの小惑星が地球に迫ってきていた。NASAのトルーマン総指揮官(ビリー・ボブ・ソーントン)らは小惑星を爆破するため、掘削のプロ、ハリー(ブルース・ウィリス)を召還する。宇宙に旅立つことになった彼らだったが、ハリーの娘グレース(リブ・タイラー)は父と恋人A.J(ベン・アフレック)の2人と別れなければならなかった。
監督マイケル・ベイ(『ザ・ロック』)
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また多分『ID4』みたいな映画なんだろなぁと思ったらやっぱりそうだった(笑)最初と最後なんか特にね。街が破壊されるシーンはやっぱり大迫力でうまいと思うけど、世界のリーダーシップは俺達が取るぜ!ってなもんで毛唐アメリカ人が好き勝手するし怪しい理論や根拠を展開するし核は使うし人は死んでも犬は死なないし松田聖子だし(笑)ホントにNASAが協力したんですか?つーか訓練中にピアスは外しなさいよ、とか宇宙から帰還してそんなに急にカッコ良く歩けるのかよ〜(向井サンたちは1日4時間以上運動してたらしい。彼らも掘削で働いてただろうけど怪しいもんだ)とかそういうところまでが気になった。あとフザケ過ぎ!(笑)訓練中もだけど宇宙に行ってからもアホみたいなミスしたり、NASA内で妨害が入ったり、もっと真剣にやってくれたらこっちも真剣に見るけど、下手なウケを狙い過ぎたり、わざわざトラブル作ってハラハラさせることないのに。思わず「アホかお前らっ!」と怒鳴りつけたくなった。だったら2時間半をもっとタイトにするべき。あとね、イヤな見方しちゃうけどロシアの宇宙ステーション・ミールを壊しちゃうなんて、ちょっとアメリカさんたちやり過ぎじゃない?まぁ先に宇宙に行ったのも旧ソ連さんたちだし、宇宙ステーションも旧ソが先。アメリカにとっちゃ気に食わないだろうけど、ちょっと悪意を感じてしまった。

登場人物はブルリーとアフレックは可もなく不可もなくいつも通り。リブはすっごい可愛いのでそれだけでよし!実パパの歌もいいから尚OK!脇は豪華でS・ブシェミやP・ストーメア、W・フィックナー、ウィル・パットンとかウド・キアまで出てるけど、今回の私の1番はソーントンでした。フザケ過ぎてた中で1人真面目にソツなくやってて好感が持てた。この人ホントはこんな声してたのね。
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ベルベット・ゴールドマイン('98イギリス)-Dec 19.1998
[STORY]
1984年NY。新聞記者のアーサー(クリスチャン・ベール)は70年代のロンドンで大人気だったミュージシャン、ブライアン・スレイド(ジョナサン・リース・マイヤーズ)の追跡調査をしていた。彼の元妻のマンディ(トニ・コレット)や同じくミュージシャンで恋人でもあったカート(ユアン・マクレガー)らに会って話を聞くうちにあることに気付くが・・・。
監督&脚本トッド・ヘインズ(『SAFE』
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すんごい混雑しててエライ人気がある映画なんだ!こりゃあ期待できるかも!と思ってたんだけど、いざ蓋を開けてみると・・・何だかよく分かりませんでした(苦笑)

グラムロックを描いた映画だから、もっとハードな映像を想像してたんだけど、いきなりファンタジックなオープニングでびっくりした。でもこれはなかなか新鮮でいいかもしれない。途中でもブライアンの目にハートマークが出たり、人形が出たりして面白い。J・R・マイヤーズのメイクやファッションも楽しませてくれるし、歌がいいのでサントラも買っちゃった。

でも、どうにも全体を通してミュージックビデオを見せられているような感じ。歌のシーン以外でもビジュアルにこだわり過ぎてストーリー展開が悪く疲れる(バックに流れる歌の音が大きすぎて気持ち悪くなったのもあるけど)『ドーベルマン』を見た時と同じような気持ちになった。あれもビジュアルにこだわり過ぎててストーリーが追いつかなかった感じがあったから。

また、過去(60〜70年代)と現在(84年)現実と妄想とがごちゃごちゃと入り交じって、どのエピソードがどの時代だか分からなくなった。また、肝心のスレイド追跡調査の結果がどうにも中途半端で納得いかない。まぁ記者アーサーが夢見ていたグラムロック世界の現実をこれ以上見たくない、夢のままでいいじゃないか、という気持ちを表現したのかもしれないけど、それにしては説得力がなくて甘い気がした。
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ナイトウォッチ('98アメリカ)-Dec 13.1998
[STORY]
ロサンゼルス。世間では娼婦を狙った連続殺人事件が起きていたが、大学院生のマーティン(ユアン・マクレガー)は恋人キャサリン(パトリシア・アークエッド)の反対を押し切って屍体安置所〜モルグ〜の警備員となった。そのモルグに娼婦の屍体が運び込まれ、マーティンは事件に巻き込まれていく・・・。
監督&脚本オーレ・ボールネダル(『モルグ』)
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日曜の朝1回目(10:30)だからだったからなのかな、映画館内ほとんどお客さんが入ってなくて「これだけ空いてるとちょっと恐い」って思ったけど、映画自体恐くなかったから良かった(笑)

そう、恐くないのだ。真夜中のモルグといったら何か絶対出そうなのに、病院自体がわりと小奇麗だし、どの部屋も電気がちゃんと付くので一先ず安心する。警備員になったマーティンもだんだん慣れてきてたし同じ気持ちで見られたかな。登場人物たちもそれなりに怪しいけど、なんかこう思わせぶりな視線を投げて寄越すので「ヤダなぁもう〜こういうの〜」と思ったりして(笑)普通はそんな疑われるようなことを言ったりしたりしないでしょうに。個人的には当直の先生のちょっとイビツな顔が恐くてイイとか、P・アークエットは目と目の間が詰まってるとか、N・ノルティ田中邦衛化が進んでるとか・・・どうでもいいことですね、はい。つまり、どうでもいいことを途中で考えちゃうような、そういう緊迫感の欠ける部分があった、と言いたかったんですよ(ちょっと言い訳)

怖いというよりもラストは、こりゃ痛いだろうに!という思いのほうが強くなる。そこまでしなくてももっとどうにかならんのかなぁ!と声を荒げたくなった。ここだけでもうダメ。貧血。だから映画が終わってからどうにも嫌な気分をズルズル引きずった。ま、でもこれは悪くないな。

タイトルバックはカイル・クーパーだったけど、文字の出し方が『悪魔を憐れむ歌』っぽくて目新しさはなかった。
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ビッグ・リボウスキ('98アメリカ)-Dec 12.1998
[STORY]
失業して唯一の楽しみはボウリングというジェフ・リボウスキ(ジェフ・ブリッジズ)ある時、彼は同姓同名の大金持ちに間違えらえて大変な目に遭った。頭に来た彼は金持ちの家に乗り込むが、ある誘拐事件と関わることになってしまった・・・。
監督&脚本ジョエル・コーエン(『ファーゴ』)
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映像的には今回もやってくれました。ボウリングシーンとか、彼の見ている夢のシーンとか、ボウリング場のネオンを巧みに使ったり斬新で面白い。でもストーリーはちょっとゴチャゴチャし過ぎてたかな。実はもっとボウリングがメインの映画だと思ってたんだけど、よく分からない誘拐事件がメインで、しかもそれに絡んでくる人物たちの係わり方が分かり難い。正直言ってちょっと退屈してしまった。

それにJ・ブリッジズはあんまりいいと思わなかった。あのラクそうなパンツ姿は好きだけど、何となく。彼の仲間役のジョン・グッドマンもうるさいだけだし。今回大好きなブシェーミは最初から最後まで可哀相な役回りでちょっと残念だったけど(彼とコンビだったストーメアもね)その分ジョン・タトゥーロがやってくれました!!全身紫のボウリングファッションに、ボールを舌でレロレロ舐めて投げるその変態ぶりには大笑いした。あとボールを磨くところもすっごいイイぞ!ほんの何シーンしか出てこないのにあのインパクトはどうだろう!全部ヤツに食われちゃったって感じ。出る作品出る作品みんな別人のように違うんで、私は密かにデニーロ以上だと思ってるです、はい。

それともう1人、私の大好きなデヴィット・シューリスがちょこっとだけ出ててニヤリ。スキンヘッドにジョン・ウォーターズちっくな髭面で、これまた変態っぽくてイイっす。どうでもいいけど彼ってホントに指や首筋がキレイだわ(もわ〜)
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