Movie Review 1998
◇Movie Index

ゲーム('97アメリカ)-Mar 8.1998
[STORY]
富豪のニコラス(マイケル・ダグラス)は48歳の誕生日に弟のコニー(ショーン・ペン)から1枚のカードを貰う。カードにはCRS社と書かれ、その会社は「ゲーム」を提供する会社であった。ニコラスはさまざまなテストを受けさせられた。ある晩、彼が家に帰ると路上で倒れているピエロを発見する。
監督デビッド・フィンチャー(『セブン』)
−◇−◇−◇−
実は『セブン』は好きな映画ではない(好きだったのはクーパー担当部分&スペイシー)あれだけヒットしたのが信じられないくらいだ。ストーリーは面白いのに、どうしてああ辛気臭くしか撮れなかったんだろう?映像的に新鮮だったのは死体だけでしょ、と思っていた。

今回はクーパーが担当してないし、目新しい映像ははっきり言って、ない。唯一、ニコラスの少年時代の映像が、懐かしくも思い出したくないフィルムとして印象的だったくらい。ストーリーはフィンチャーが担当してたわけじゃないから彼ばっかりの所為にできないけれど、怖くもなければメリハリもない。映像を創るのは上手でも伝える力が足りないのかな。心理的なパニックを感じ取ることもなかった。だってダグラス自身ががパニックを起してないんだもの。彼の場合は「ゲーム」で手玉に取られるより、女に手玉に取られる方が似合ってるって(笑)見た人にしか分かんないけどラストは『スポーン』かと思ったぞ(爆笑)

だけど途中から「私もCRSで働きたい〜」と思いながら見たら面白くなってきた(無理矢理)それに(ここからネタバレ)よく考えれば最初に「これはゲームだ」と答えを言ってるんだよね(笑)また、ポスターに書かれていたり作品中に出てくる聖書の私は盲目であったが今は見える――これは「ゲーム」終了後にニコラスも私たち観客も感じることなのだろうか?と深読みして面白く思わざるを得ない。ふぅ(ここまで)
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クロノス('92メキシコ)-Mar 7.1998
[STORY]
骨董屋の主人(フェデリコ・ルッピ)と孫の少女が、天使像に隠された黄金の物体を発見する。それはクロノスといい、人間の生き血を吸うかわりに永遠の生命を与える伝説の生命装置だった。クロノスが欲しい金持ちは、甥(ロン・パールマン)を使って主人を襲うが・・・。
監督ギルシュモ・デル・トロ(『ミミック』
−◇−◇−◇−
知らなかったんだけど『クロノス』で絶賛されたデル・トロ監督が、ハリウッドに招かれて『ミミック』を作ったのか、なるほど・・・という予備知識を入れつつらぶりーまさゑちゃんと一緒に見た。

金色で丁寧な細工がされたクロノス――それが動き出す様子、そして生物と歯車が動くクロノスの内部がとても蠱惑的でいい。また偶然クロノスに血を吸われてしまった主人が、若さを取り戻しつつさらにクロノスに吸われることをやめられず、また人の血までも求めてしまうシーンは不気味さよりも悲しさを覚える。

『ミミック』でも靴磨きの男が、さらわれた孫(これでは男の子)を必死に捜そうとする姿は痛ましかったし「祖父と孫」という関係を描くのがとても上手いのだな、とこの映画を見てもそう思った。どちらの孫もほとんど喋らないけれど祖父がとても好きで、祖父も孫を愛している。特に『クロノス』ではその孫との関係が鍵なのだ。(ネタバレなので文字色と大きさ変えます)吸血鬼となった祖父が、思わず本能で孫の血までも欲してしまった瞬間の、祖父の驚愕の表情がとても印象的。このシーンは切なくて悲しくなった(ここまで)監督ってもしかしておじいちゃん子だったのかしら?と思った。
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アルビノ・アリゲーター('96アメリカ)-Mar 7.1998
[STORY]
3人の強盗(マット・ディロン、ウィリアム・フィッチナー、ゲイリー・シニーズ)が、あるバーに立てこもる。店には主人のほか店員の女(フェイ・ダナウェイ)、青年(スキート・ウーリッチ)、スーツの男(ヴィゴ・モーテンセン)らがいた。店はすぐに警察に包囲された。出口は1つしかない。果たして店から生きて出られるのか?!
監督ケビン・スペイシー(初監督作)
−◇−◇−◇−
お願い・初めてご覧になる方のために、結末は絶対に話さないで下さい。――ってチラシに書いてあったが別に話してもいいような結末だったけど?(苦笑)という映画でした。

一応事態は2転3転するけれど、それらにまったく衝撃はない。出口が1つしかないバーで強盗犯と人質たちの息詰まる密室劇。みんな演技達者な人ばかりだから何とか見れたけど、これ以上長かったら疲れただろう。だっていつまで経っても進展しないし、包囲している警官だって実にマヌケだ。役者の中で1番はダナウェイ。詳しく書けないけれど、彼女の演技で最後ちょっと泣けた。そしてイっちゃってる犯人のフィッチナー。人質を殺したくてウズウズしてる様は実に観客をハラハラさせる。銃を構えてるところなんて嬉しそうだもんなぁ。モミアゲもGoodです(笑)だけど肝心のディロンは騒いでいるだけだし、シニーズも何となく自分の役をこなしてない印象を受けた。そしてタイトルの「白いワニの話」は取ってつけたように脚本に盛り込まれている。
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フェイス/オフ('97アメリカ)-Mar 5.1998オススメ★
[STORY]
テロリストのトロイ(ニコラス・ケイジ)はFBI捜査官のアーチャー(ジョン・トラボルタ)を狙うが、彼の息子を撃ってしまう。6年後、ついにアーチャーはトロイを逮捕するが、トロイはロスを壊滅させる時限爆弾を仕掛けていた。仕掛けた場所を知るのはトロイの弟だけ。アーチャーはトロイの顔を付けて弟に接近する任務を行うことに。
監督ジョン・ウー(『男たちの挽歌』)
−◇−◇−◇−
ケイジとトラボルタの顔を剥がして取り替えるって、それははっきり言ってラクダカバの顔を取り替えるようなもんでしょ(笑)そんなムチャな話あるか!と普通なら思うけれど、これはSFじゃないし、2人の男が善だったり悪だったり狙い狙われ戦うのが見物なのだ。だからほかの映画なら途中でツッコミ入れてただろうけど、この映画ではそんなことどうでもいいって本当に思った!もう最初からスローモーションにやられっぱなし。ケイジが空港に来た時にジャケットの裾がなびく。腰の後ろには細工を施した2丁拳銃。銃を装填する時、2丁構えて撃つ時、これらをグッとスローで見せるのは実に効果的だ。

途中で顔が入れ替わるものだから、どっちが悪でどっちが善だか分からなくなる。とりあえずアーチャーの方に傾きながら見るんだけど、トロイが死んだらアーチャーの顔も戻らないし、と思うと両方がんばれ!なんて普段なら考えられないような気持ちにさせられる。「2大スター夢の共演」なんていう謳い文句の映画が多いが、活かされていない映画ばかりでうんざりしていた。しかしこれはまさに2大スターが1対1で戦う緊迫のドラマ。しかも最後に泣いちゃう。1つ難点があるとすれば、トラボルタの妻役ジョアン・アレンがトラボルタより老けてるってことかな(笑。
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マウス・ハント('97アメリカ)-Mar 4.1998
[STORY]
兄のアーニー(ネイサン・レイン)と弟のラーズ(リー・エバンス)が父親の遺産を相続した。それは製糸工場と1軒の古い家。その古い家が歴史的に由緒ある建物で高く売れることに気がつく。しかしその家には1匹のネズミが住み着いていた。
監督ゴア・ヴァービンスキー。ドリームワークス製作。
−◇−◇−◇−
私は『ホームアローン』も『101』も素直に笑えないクチだ。子供も犬も小憎らしくて、退治される泥棒が痛ましいし、彼らのバカぶりには苦笑するのみ。今回も1匹のネズミが2人の男をやっつける。会場からは笑い声とか歓声が上がっていたが、私はやっぱり溜息と苦笑しか出なかった(ひねくれているのだろうか)

けれどラストはいつもの『ホームアローン』シリーズとは違って、とてもかわいいハッピーエンドだった。シリーズでは単にやっつけられるだけの男2人がどういう人間なのかも描かれていたし。また、ネズミが本物なのかヌイグルミ系なのかCG系なのかほとんど分からないのだ。よく見ると違うんだけどあまり気にならない。さすがだ。思いきりCGだとどうしても実写部分とのギャップが出てしまうが、ほとんど差がないとは凄い。

そして1番はネズミ駆除作業員役(笑)のクリストファー・ウォーケン!あんなサイボーグみたいな無表情でネズミのフンを採取している姿に惚れた。もっと出番があれば良かったのに。
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