Movie Review 1997
◇Movie Index

見憶えのある他人('96フランス)-Nov 18.1997
[STORY]
アントワーヌ(ダニエル・オートゥイユ)は高級住宅街に個人クリニックを構える精神分析医。そんな彼の元に通う美しく富裕なイザベル(アンヌ・パリロー)や、ベルグ(パトリック・ティムシット)という不気味な患者も通ってきていた。そのベルグはアントワーヌに「自分は妻を殺した」と告白する・・・。
監督フランシス・ジロー(『華麗なる女銀行家』)
−◇−◇−◇−
フレンチミステリは何となく先の読めない怖さがある。また独特の色がある。診察室の椅子や店や人々が着ている服装がお洒落なんだが不気味でもある。今回はその雰囲気を楽しんだ映画だった・・・つまり内容的にはそれほど面白いわけでもなかった、と(笑)緊張感が伝わってこないのと、展開に無理があるというかストーリー運びがあまり良くなかった。オートゥイユもちょっと手抜いてるように見えたかな。何より一番怖かったのはティムシットの顔です(笑)

*本作品はビデオ化された際に『悪魔の囁き』というタイトルになりました
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

コン・エアー('97アメリカ)-Nov 11.1997
[STORY]
身重の妻を守ろうとしたはずみで人を殺してしまったキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)は、服役中に生まれた娘に会いたい一心で獄中生活に耐える。8年後、仮釈放となったポーは囚人を輸送する飛行機《コン・エアー》に乗り込むが、そこには新設された超厳重警備施設に移送するため、全米刑罰史上もっとも凶悪な囚人達が乗せられていた・・・。
監督サイモン・ウエスト(初監督作)
−◇−◇−◇−
今度は勇敢な正義の味方を演じたケイジだが、私は『ザ・ロック』の時の実践経験のないちょっと後ろ向きなFBIのケイジのほうが好きだ。今回の彼は出来すぎ(笑)そのかわり大好きな俳優の1人スティーブ・ブシェミがいい!飛行機が落ちそうになり皆がパニックになっている時、1人冷静にシートベルトを「カチャッ」と閉めて歌まで歌い出す。彼はやっぱりこういう役を楽しげに演じてるほうが似合っている。

しかし、最近のアクションのラストは人口密度の高いところで迎えるのが多いが流行か?『ロストワールド』『スピード2』とか。この映画もラストはラスベガスである。ハードロックの看板は壊すわ(本当に壊したらしい)フリモントストリートをバイクで激走するわ、ラスベガスに行ったことがある私にとっては出てくるだけで嬉しかったけど。ケイジは『リービング・ラスベガス』で酔ってカジノから追い出されたのを怨んでいたので、腹いせに大暴れした、なんて考えると面白いかも。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ロミーとミッシェルの場合('97アメリカ)-Nov 9.1997オススメ★
[STORY]
高校時代から親友で現在はルームメイトのロミー(ミラ・ソルビーノ)とミッシェル(リサ・クードロー)卒業して10年経ち、同窓会の通知がやってくる。昔いじめたクラスメイトらの鼻を明かせてやろうとキャリアファッションに身を包み乗り込むが・・・。
監督デビッド・マ−キン(初監督作)
−◇−◇−◇−
ロミーとミッシェルの変なダンスがとにかく見物!!腹抱えて笑わせてもらった。どうすればそんな風に踊れるんだ?!(しかも、めちゃくちゃ自然だ)またファッションがすごい。とても28歳の女性が着るような服じゃないんだが、彼女たちのキャラクターに似合っていて見ているだけ楽しい。服に合った小物も要チェック。

いろんな悩みを抱えてるハズなのに実は何も考えてなくて深刻さがまるでないのがいいところ。ラストもスカッ!とさせられて、女の子が見たら元気になる映画だ。エンドクレジットで“PostIt(C)3M”ってちゃんと出してたところがいいね。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

出現!東京龍('97日本)-Nov 6.1997
[STORY]
2週間以上も雨が降り続き、首都東京の機能は麻痺しようとしていた。黒田龍人(椎名桔平)は経営コンサルタントをするかたわらコンピュータを使った風水師。その彼の元に沖縄からミヅチ(中山エミリ)という少女が助けを求めにやってきた。最初は断る龍人だったが、東京に降る雨とどうやら関係があるようだった・・・。
監督・片岡敬司(NHKドラマを多数演出)
−◇−◇−◇−
東京ファンタスティック映画祭でこの作品を見た。上映前には原作者の荒俣宏氏から監督、出演者の舞台挨拶があったのだが、桔平ちゃんは本物のほうが断然カッコイイ。ちょっと驚き。荒俣先生はやっぱり・・・(以下自粛)

NHKのハイビジョンで何回かに分けて放映された作品を劇場用にカットはしたのだろうが、ドラマ的なしつこさを拭い去ることはできなかったようだ(ドラマは週1回だから、前回のおさらいを少しやらないといけないからねぇ)龍人は優秀な風水師だった祖父にコンプレックスを抱いており、回想シーンでそれが出てくるのだがそんなのは1回でいいし、龍を鎮めるシーンも長くて疲れた。そこに時間を取りすぎたから沖縄シーンが尻つぼみになってしまったのだろう。ただよく雨は降らせたと思う。スタッフ頑張ったんだろうな。ラスト近くまで雨が降り続くっていうのは『セブン』もそうだったけど、ものすごい水の量が必要なんだってね。
home

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

カーテンコール('96イギリス)-Nov 6.1997
[STORY]
ダンサーでゲイのトニオ(ジェイソン・フレミング)は、恋人と親友をHIVで亡くし、自らもHIVウィルスと戦っていた。そんな時、アル中気味なセラピストのジャックと出会い愛し合うようになる。また、ダンスの主役にも選ばれたトニオだったが、公演前に倒れてしまう・・・。
監督ナンシー・メックラー(舞台演出家)
−◇−◇−◇−
先日見た『ベント』と同じ脚本家マーティン・シャーマンの作品で、感動する!という謳い文句に惹かれて見たのだが、正直言って感動もしないし泣くこともなかった。また、J・フレミングのダンスシーンはスタンド・インなしで、本人が演じているというからどれほどすごいのかと思っていたら、思わず「あれ?」と肩透かしを食らった。ダンスシーンはあまり多くないし上半身の動きばかりなのである。もっとこう、全身の動きが見たいのに誤魔化されているような気がしてならなかった。ただ、無理に泣かせようとしないところがいいのかもしれない。後味もいいし、テーマ曲がすごく気に入った。内容と同じように爽やかで前向きな気持ちにさせられる。
home