梶 就高のページ

歴史小説/歴史ドキュメント



西行日記 改訂版 (税抜き420円)

 和歌で名高い西行法師は、平家が滅びた後、平泉に向かう途中、鎌倉で頼朝に会見することにしていた。大切な約束を頼朝から取りつけるためである。その役目を終えて、平泉に着いた西行は秀衡と会い、奥州藤原氏による義経保護の承諾を取る。奥州軍を強化し、鎌倉に対抗するためである。
 それから、義経主従の平泉への脱出劇がはじまる。義経は、話がうまく進むことに、疑いを持っていた。その疑いを晴らすため、都方も鎌倉方も、義経をうまくだます方法を用意していた。その方法とは、・・・


マツと治兵衛 (税抜き420円)

 長州藩の藩士である治兵衛は、なぜ、外国との戦にかり出されるのか、疑問に思っていた。江戸時代、大半の藩士は、非武術系の侍として働いていたからである。治兵衛は、黒船来航を機に相模湾の防護にあたった後、学問好きのマツと結婚する。マツは、治兵衛やマツの先祖の歴史を調べ、治兵衛に説明する。治兵衛は、自分の立場を十分に理解し、幕府と長州の戦いに出て行く。戦いに敗れた幕府は崩壊し、大政奉還後、社会は、目まぐるしく変わり、「男の暴走」がはじまる。そう感じたマツは、治兵衛の協力を得て、母親の教育を通して国民に健全な精神を与えようと、明治の初めに女学校を創設する。35年間運営するが、日本社会は、どんどん軍国主義化していった。その女学校は、現在、中高一貫教育の共学の学園として発展している。


幻の満州大油田 (税抜き420円)

 日本は、日露戦争後、満州で油田探査を行うが、大正時代に日銀が本命としたところを避けるように探査を行う。そして、油田を発見できないまま、米国による石油禁輸の制裁を受ける。その後、日本は、南方の石油資源を略奪する戦略に方向転換し、太平洋戦争に突入する。せっかく、南方油田を手に入れたが、日本への輸送に失敗し、終戦を迎える。その後、十年ほどして、日銀が目をつけた所に、中国が大慶油田を発見し、中国最大の産出量を誇るようになる。この間のいきさつを、ある地質技術者の目を通して、小説にまとめた。


夢見る獏 (税抜き420円)

 著者の半自伝的小説である。第一章は、幼児、小学、中学生の思い出、音楽を聴きながら、そのイメージを想像したこと、おもちゃを分解して、なぜかを感じはじめたこと、工作のおもしろさを知ったことを述べた。第二章は、高校時代の思い出。勉強との格闘、国語の授業で脚本を書くおもしろさを知ったこと。映画への興味、友達になぜかと考えないことも受験勉強に必要であると忠告されたこと、浪人したときに歴史、政治、経済、文化に興味を持ったこと、大学時代の思い出を描いた。第三章では、社会人になってからの原子力技術開発、原子力安全技術の研究、安全管理の技術的、法律的な側面を経験し、その中にある「人間」の問題に興味を持ったことを述べた。第四章では、原子力から離れて、それまでの経験を活かして小説家修業をはじめたこと、今までに書いた九作の小説の執筆動機、制作意図などを述べた。