夕食を終えてそれでツアーはもう終わりかというと、そうではない。
お腹いっぱいになった後は、今度は士林夜市
へ繰り出した。
ここも前回も行った場所だったので、ああーそうだったわ、ちぢみ風のあの
オムレツがおいしかったんだわ!と思い出した。
勿論、今はお腹いっぱい!食べれらなかったけれどね。

そして、前回は廻れなかった夜店を徘徊?
母は曾孫のお土産に自由自在に組み立て次第でどのようにでも楽しめる、
電車セットを買い求め、妹はあらーっ、可愛いーこんなに安くてーと、バレッタを
買い求め、そして、やしのみは今流行のワカメスタイルのスカートを2着、
買い求めた。
勿論、2枚いくらの品だ。
日本で買うと倍はする。
いわゆるお買い得っていうシロモノだった。

母の思い出の地・・・台湾

part5

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日程表

7/8(金)
台北
1日ガイドさんと廻る食べ歩き
<8:30〜21:00)
午前:中正紀念堂・龍山寺
南門市場観光・迪化街
昼食は鼎泰豊にて小籠包などの
上海点心

午後:デパート、ブティックが
立ち並ぶ忠考東路〜忠考復興駅を散策

観光後、許留山のフルーツ
デザートをいただく。
夕食は台湾料理。
夕食後、士林夜市へ

NO.2

「ええーっ!いいんですか!」
母は胸に手を合わせて喜んだ。

「今日の案内は全て僕に任せていただいてよろしいですか?」
「ええ、勿論です。どうぞ、よろしくお願い致します。」

では、いざ出発!

「じゃあ、まず最初に三越デパートに行きましょう。」
「えっ、何故、三越なの?」
心の中でそう思った。
「実は、屋上に植民地時代の古い資料の展示をやってまして、
そこのパネルに勝山商会が載っているのを見つけたんです。」
「ええ〜〜〜っ!」
ちょっといい気分のやしのみ
見晴らしがいい眺めだった

もう、開いた口がふさがらなかった。

全てタクシーで移動である。
タクシーの中でも、移り変わる景色に、徳○さんは、事細かな
ガイド振りを発揮してくださったが、もう心は三越だ。

いよいよ三越だ。
立派な建物である。
エレベーターは屋上ラウンジへとスイスイ上がっていった
屋上階は全面ガラス張りで、東西南北の街全体を見渡すことが出来る、
絶好の場所だった。

「あの辺りが、お母さんが住んでいらした場所ですよ。
商売をしていた日本人は総督府の近くに皆さん住んで
いらっしゃいましたからねえ。

平成17年7月9日(土)
今日は台湾3日目。フリーの日だ。
昨日は朝が早かったし、母が疲れるといけないからと、先に話した取引先であり、
また社長の従兄弟にあたる、徳○さんとの待ち合わせ時間は玄関ロビーで、
ちょっと遅めの10時にお願いしておいた。
我々の出発前から、徳○さんには、今日の目的を話し、どこに住んでいたのか、
またその近所にはどんな施設があったのか等々予め、詳しくお知らせしていた。
徳○さんは、普段から温厚でとても優しい方なのであるが、今回は実にその意を
強くした。
前もって、インターネットで調べたり、図書館で昔の古い資料を引っ張り出して、
詳細を実に丹念に調べてくださったのだった。
「お母さんが住んでいらした場所は分りましたよ♪」と、お聞きした時には、
やったあー!と小躍り状態だった。
ついに実現するのだ!
母の喜ぶ顔を早く見たい!
時間前に、玄関へ出て待っていた。

待っている間、ちらちらとこちらを何度も見るボーイさんがいた。
なんだろう?やしのみのことを見ているのだろうか?
周りには誰もいないわねえー
なんだろう?
そうすると、つかつかとそのボーイさんは寄って来て、何日泊まるのかとか
家族で来たのか等々聞かれた。
別に独身じゃああるまいし、いいかあーと気軽に話したが・・・
その内、あなたの写真を撮ってあげます、と答える暇もなく、ササーッと前に出て
シャッターを切った。
そして、今度はあなたと一緒に僕を撮ってもらってもいいですか?と言う。

同僚に頼んで、こちらもパチリ!
あなたのカメラに残るわけでもないのに・・・
そのボーイさんにシャッターを押されたカメラはやしのみ自身の
カメラなのにねえー
更にどんどん聞いてくる。
「あなたは子供がいるのですか?」
ええ、33歳の子供がいますよと臆面もなく答えると、えーっ!と
目を丸くされた。
よーく見ると分るのに、お帽子を目深に被っている為、一番皺がある
おでこが見えず、その分若く見えたのだろう。
しかし、そんなに驚かれると悪い気はしない。
単純なのね、きっと。

しかし、そのボーイさんと色々話しながらも、やしのみは徳○さんの姿を
追い求めていた。

丁度写真を撮り終えた時、なんとひょこっと徳○さんは現れた。

「あれーっ!徳○さん、どこからいらっしゃったの?」
どうやら、正面玄関から入ったのではなさそうだった。
「おはようございまーす♪今日は本当にありがとうございます♪」
息を弾ませて、ご挨拶。
徳○さんは、くるくる巻いた筒のようなものを持っている。
ちょっとあちらへ座りましょう。
ソファーへ座ると、さっとその丸めた筒状のものを広げた。
おおーっ!地図だ!
「これが現在の地図、そして、これが昔の地図、そしてお母さんが
住んでた場所は大体この辺りだと思います。」
「うわあーっ、すごい!徳○さん地図まで買ってくださったんですか?
しかも、昔の地図まで・・・よく売ってましたねえ。ありがとうございます♪」
「いいんですよ、この地図は後でお母さんに差し上げますよ。」

さて、いよいよそのパネルを見ることになった。
おおーっ!!!素晴らしい!!!
なんとくっきりとその文字は見えた。勝山商会の文字がっ!
母を見ると、もう感激のあまり、声が出ていない。
そして、本当なの?これ、本当?という具合に、その四文字を
食い入るように見つめていた。
やしのみはそりゃあもう慌てましたよ。
「お母さん、大丈夫?」と声をかけると、ハッと目が覚めたかの如く、
「う・うん、だいじょうぶよ」と答えたが、その後も「か・つ・や・ま・・・・」と何度も念押しする
かのように、つぶやいていた。
尚も食い入るようにパネルを見つめる母の肩を「良かったわねえー、お母さん」
と妹とやしのみは交互に抱きしめた。
夜遅くまで賑わいを見せる夜市

ガイドさんは、出迎えの空港での一件があったせいか、一生懸命だ。
その後、予定外のフットマッサージへも案内してくださった。
よく歩いたわねえ。
これで、足の疲れも取れるかしら?
母は期待していた。
でもね、あれって痛いのよねえー等とはおくびにも出さずに・・・
前回のあの痛さを思い出したが、同時に後の快適さも覚えていたし・・・
しかし、なんと母はそれこそ一言もいたーい!なんて発せず、思わず
お母さん、全然痛くないの?って聞いたのだが、「あらーっ!痛くなんて
ないわよー、気持ちいいわあー♪」との返事に、やしのみは唖然とした。
やしのみなぞ、痛いの連続だったんですもの。
指圧されて痛いところがその人の悪い箇所らしいのに、母はそれでは
全然どこも悪い所はないってこと?
妹はやしのみほどではないが、やはり痛がってると言うのに・・・
なんで、加減してないの?とマッサージ師に聞くと、ううんと首を振られた。

何と素晴らしいことなのだ!
しかし、本当に加減してなかったのかしらねえ。
信じられない我ら娘はその館を出てからも、いつまでもぶつぶつ
言っていた。
しかし、母が健康だということは、十分承知だ。
やはり、お母さんって元気なのよねと最後には認めざるを得なかった。
それはとても素晴らしい証なのだから。
見てください。このしっかりした足を!
でもね、母のプライドを保つ為に、全部は見せられないわよ。
少しだけねえ。
ちょっとだけよー

7/9(土)

1日自由行動

かねてより頼んでおいた徳○さんの
案内で、母の嫁ぎ先の住居跡に
訪れる。
そして、よく遊びに行ったという
植物園にも行くことが出来た。

NO.3

日程表

感動はまだまだ続く。
今度は、その跡地へと向かう。

病院がここにあって、そうそう角から三軒目だから、ここだわっ!
小さな病院は今や立派な大病院になっていた。
その当時の先生の子孫かどうかは分らないが、確かに昔、そこには
病院があったそうだ。
母はしっかりその病院名も覚えていた。
ひよっとして、残っているかも?とはかない期待を裏切り、レンガ造りの
あの建物は今はなく、なんとエスプリのお店に変っていた。
それはそうでしょうねえ。
残っているなんて思う方が間違っている。
でも、母も妹も、やしのみも皆、そんなことは少しも思いたくなく、どうぞ、
少しだけでもいいレンガのいくつかでもいい、残っていればいいなと・・・
しかし、母はそれでも、勿論とても嬉しそうで、もう少し間口が広かったわねえー等々、
話しているうちに感無量・・・ついに涙ぐんでしまった。
ああー、だめだわー・・・とハンカチで目をぬぐいながら・・・
余りある懐かしさ・・・そして、大きな喜びとが同時に押し寄せ、感涙に
咽た母はしばらくすると、笑い泣きになった。

そして、「お母さん、さあー、ここで記念写真を撮りましょう!と
声をかけた時には、いつものあっけらかんの笑顔に変っていた。

その辺り一帯を歩いてみることになった。
それにしても、なんと暑いことか。
しかし、暑さもなんのその。
母は一番元気であった。
キョロキョロ周りを見回しながら、もう一箇所の劇場も見つけ、
「あらっ、劇場は残っているのねえ。」と感心したり・・・
「レンガ造りのお家も残っている所があるわねえ。」と言った後に、・
「勝山商会は跡形もなく消えていたけれど、それでも、ここへ
来れただけでも、幸せだわ♪」とつぶやいていた。
そして、大きな声で今度は徳○さんに、「徳○さん、本当に本当に
ありがとうございました。」と心を込めて、何度もお辞儀をした。

母がよく遊びに行ったという、植物園も、そう遠くない。
「お母さん、植物園へは行かれますか?」との徳○さんの問いに、
即「ええ、行きたいワアー♪」と満面の笑顔で答えたのだった。
「そうかあー、じゃあ、その前に公会堂へも行って見ましょうか?」と
重ねて聞かれると、それに対しても、もう当然の答えが返ったのだった。
そう、イエスという言葉が・・・
Oh My God!
お母さん、だいじょうぶぅ?
三越百貨店の屋上階には・・・
側には川が流れていた
感動のパネル!
日本でいう六本木のような街に変身!
このお店が母が住んでいた場所だ。
KITTYちゃんを見つけました♪
古いレンガ造りの家もまだ残っている所が・・・

つづく

痛みを見せぬこのお足は一体?