このところ、残業続きで心身共にマイッテイル。
電車の中で書類を広げているいる人を見て、何もこんな場所でまで仕事をしなくともなんて、
ひとごとのように思っていたのに、まさか自分に降り懸かってこようとは・・・
この1週間は特に時間との戦いだった。
昼食を落ち着いて食べる暇もなく・・・
好きな本も読む暇もなく・・・
今日で、やっとなんとか落ち着いたものの、今度は子会社の方の決算ときている。
まあ、不平をだらだら言って見ても始まらないのだが・・・
少し風邪気味で体調も崩しつつあるから、こちらの方は大事を取らなければね。
と言いながらも、今こうして、mutterを書き綴っている。
月に一度はと決めた以上、やはり自分への宿題だ。
やっと帰りの電車の中で久し振りの本を読むことができた。
うとうとしながらではあるが・・・
なんだか・・・が多い文だこと。
モノ思う年頃でもあるまいしね。(笑)
曽野綾子の「中年以降」というタイトルだ。
笑っちゃうでしょう?
私が選んだ本ではなく、会社の方が「是非読んで見て」と渡された本だ。
まあ、年齢が同じ位なので、共通項があるのでは?とのお勧めであろう。
いわば、エッセイである。
エッセイを読むのは久し振りである。
当然ながら、ふむふむなるほど・・・と思うこともあれば、えーっ!そんなこと!と反感を覚える
意見もある。
しかし、最終章で氏は「中年以降に最も大切な要素」についてこうふれていた。
数ある中で一番大切なものは何かと言ったら、それは「徳のある人になる」ことだろうと。
氏はキリスト教信者であるから、文章の折々に宗教的且つ哲学的な内容が見られるのではあるが、
この最終章で述べられた文の中で、ひときわ心を揺さぶられたのが以下の詩である。
「人間を止めない人」
伸びたパーマの根っこから、
染め残した白髪が無残に伸びているから。
ああ、あの人は女を止めたのだな。
だから灰色の枯葉模様のぽりえすてるのちぢみのブラウスを着て、
だから丈の短いズボンをはいて、
だからくたびれた靴を内股にして、
座っているのだな。
ところが突然、赤子を胸におぶった若い女が
ちょっと離れたところに向こう向きに立ったのに、
無関係のはずの女を止めた人が、
つっと立って行って若い女に席を譲った。
女を止めても、人間を止めてはいない人。
ドキッ!ドキッ!
魂のお洒落をあなたはしているか!自分に問うてみた。
自信がないな。
中年以降、外見は衰えるばかりである。
急坂を下るかのごとく、放っておくと、太鼓腹、二重顎、皺、白髪、禿げ、身体各部のたるみ、
ぱっちりしていた眼も瞼が下がって小さくなる。
スルメのような人