テーマとは少々異なるが・・・
このところ、世を賑わせている民主党のN衆院議員は、本日国会内で、謝罪の記者会見を行った。
いかにも神妙に発言をし何度も頭を下げている姿を見るに付け、なんとまあ無責任な発言をしたのかと、
素直に受け入れられず、憤りを覚えるばかりだった。

ガセネタをつかまされたでは済まされないのではないか。
最初の質疑を聞いた時、コレほどまでに強く迫るということは、かなりの信憑性があるからこそだと、
思っていたが、なんと元記者から入手したという、そのメールは最初から部分的に黒塗りされていたという。
では、なぜN議員はそれほどまでに信用したのか。
その提供者というのは、Lドア事情に精通していた人だからというただそれだけで、確証も得ず、勇み足での
発言であった。

しかし、それらの全てが真実ではなく見えない悪者に国民が踊らされているのだとしたら・・・
真実は一つである。

信じるということに関しては、共通した話ではある。

三人の人が、町に虎がいると言ったら信じるか?
あなたはどうだろう?

町の中に虎がいるはずもないが、もし三人の人が虎がいると言うと、ついには本当に虎がいる
というようなことになる。
事実無根のことでも、大勢の人が騒ぎ立てると、事実のように思われる。
龐葱(ほうそう)が趙(ちょう)の国の都邯鄲(かんたん)に、人質として捕らわれていた時
のこと。
国王の魏王(ぎおう)に、もし誰か一人の人が町に虎がいると言ったら、それを信じるかと問うと、
王は、信じないと答えた。
そこで、では、二人の人が、町に虎がいると言ったら、それを信じるかと問うと、王は、疑うだろうと
答えた。
では、三人の人が、町に虎がいると言ったら信じるかと問うと、王は、信じると答えた。

「三人市虎を成す」

根も葉もないことでも、大勢の口から繰り返し言われれば、人は信用してしまう。

冤罪という言葉がある。
どうしても、今読んでいる本の話になってしまうが・・・
眠い目をこすりこすり読んでいるのは高杉 良著作の「不撓不屈」。
節税か脱税か?
脱税の指導をしたと疑われた計理士の冤罪を晴らすまでの物語である。
国税当局と最後まで戦う権力に屈しない男の、後に税理士・公認会計士界の第一人者となった人物の
熱き物語である。

事件は国会にまで、持ち込まれ激しい論争が繰り広げられる。
最後の勝利まであとどの位?
まだ、下巻に入ったばかりなのだが、先を急いで読みたくなるほどの力強い筆致に、心は動く。

平成18年02月28日

三人市虎を成す

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