パパやままを心配させちゃったなあ・・・
でも、まだ僕眠いよ〜・・・・・・
眼が覚めた。
もう6時半だ。なのにまだ僕は病院にいる。
どうして?
パパやままはどこ?どこなの?
分かった!今日は患者さんが多いんだね。
だから、僕はもうちょっと待ってねってことかなあ?
7時半頃にようやくパパやままが呼ばれた。
「光を感じるかどうかはまだなんとも言えません。
なかなか分からないんですよね。」
先生がそこまでお話になった時、ままはすかさず写真を
撮ったときにストロボがたかれ、右目は赤く光り」反応したが、
左目は暗いままで光っていなかった事を話した。
それでも、まだ分からないとの返答。
僕、自分でも分からないんだ。
でもね、ちょっと眩しいなあと思うことがあるよ。
でも、それは瞳孔が開きっぱなしで、収縮がうまくいかないと
そうなるらしいんだ。
「先生にお任せしょうね、ハッピー。」
「そうだね、パパ、まま。あせるとろくなことがないんだよね。」
先生に「どうも、ありがとうございました。」と深々と頭を下げ
帰路についた。
10時半に僕は先生のお話を聞いた。
パパは麻酔の承諾書にサインをしている。
大丈夫さ!男だもの、もうジタバタなんてしないよ。
麻酔から醒めるのが順調にいけば5時位だから、その頃電話を
してから、おいでください」
そうかあ、5時迄僕は眠る訳だ。
「パパ、まま、僕頑張るからね!約束するよ。」
ちょつと震えてはいたけれど、頑張って僕は口にした。
5時頃、目が覚めた。
あれっ、ヒサがないぞ!
もしかして、取れた?でも、まだ分からないぞ、油断大敵って
言葉があることだし・・・そんなことをチラと考え、又、僕はすぐに
眠りに落ちた。
しかしすぐに「先生、やしのみ家からお電話です」と言う言葉が僕を
覚醒へと導いた。
「あっ、パパ、ままだっ♪」
「まだ朦朧としていますので、6時半まで面倒見させてください」
看護婦さんの声がかすかに聞こえた。
そうかあ、後1時間半待つのかー
平成16年5月8日の土曜日。
今日はいよいよ抜糸の日。
朝からやしのみ家は落ち着かない。
昨日僕は寝る前に呪文を唱えたから、きっと大丈夫!
そして、お友達もいっぱい応援エールを送ってくれてるから、
だから大丈夫!
僕は大きく息を吸って深呼吸をした。
いざ、出発だ。
でも、だんだん病院に近付くにつれて、僕はやっぱり、
不安になってきた。
麻酔がちょっと怖いなあ・・・ちゃんと眼が覚めてくれるかなあ?
抜糸した後、眼がどんな風になってるんだろう?
ヒサは取れるのかなあ?
考えてはいけないことなのに、黙ってても僕の頭の中は
同じ文句の繰り返し。
僕はやはりいくじなしなのか・・・
うう〜ん、違う!
僕はいくじなしなんかじゃないよ。
ねえ、まま?
ままの顔を見つめると、ままは又いつかのような遠い眼をしていた。
そうだよねえ、まま、僕はいくじなしなんかじゃないよね!
ねえ、まま?
ままは突然弾かれたように、僕の顔を見つめ、
「ハッピー、頑張るのよ!大丈夫よ。
ハッピーは強くて、お利口さんだものね。きっと、きっと大丈夫だから!」
出た〜、また、お利口さんって言葉が。。。
弱いなあこれには、内緒の歌だけにして欲しいよなあ。。。
でも、不思議にファイトが沸いてきた。
「お友達もたくさん、ハッピーのこと、応援してくれてるでしょう」
出た〜、分かってるよ、僕、昨日呪文を唱えたもの。
だんだん、勇気が湧いてきた。
よしっ、いざ出陣!
覚悟を決めて僕は病院のドアーをくぐった。