この頃、僕はヒサが自分の身体の一部のような気がしてきた。
だから、暇を見ては口の真下の部分をぺろぺろして、きれいに
している。
よく手や足をペロペロするみたいにね。
だって、いつも僕のすぐそばにあるし、気になるんだ。
ままもお散歩の後に必ずお湯できれいにはしてくれるけど、
自分でもちゃんと管理しなきゃと思ってさ。
平成16年5月2日の日曜日。
5月5日は端午の節句だね。
僕は男の子だから強くたくましく育たなければならない。
それに、今は僕が早く元気になりますように。。。と
願いを込めて玄関にお飾りした。
今日は風が結構あって、鯉も気持ちよくたなびいていた。
僕がお散歩に出かける時に、鯉のぼり君と目が合ってしまった。
「ハッピー君、早く元気になってね。」
僕はパパに聞いた。
「ねえ、パパ、今何か言わなかった？」
「ハッピー、きっと鯉のぼり君が言ったと思うよ」
「ふ〜ん、そうかあ、やっぱりねえ。なんだかそんな気がしたんだ、僕。」
僕は心に誓った。もうすぐ、抜糸だけど、絶対泣かないって。
強くなるし、早く元気になるんだって。
まあいいさ。
我慢しようっと。
その内僕が元気になったら、ダマは美容師さんが
ちゃんと取ってくれるはずだからね。
でも、身体がここのところ臭いんだよね。
パパやままもそれは気にしていて、こないだ先生に
「お風呂には入れていいのでしょうか？」って聞いてた。
いつ、入れてくれるのかなあ？
早く入れて欲しいなあ。
でもね、はずせないから首の周りとか、耳の付け根の所とか
ダマダマが出来てるみたいで、ままはやきもき。
お耳なんて、もう一組お耳があるんじゃないのってな位に、
大きな玉が出来ちゃってるんだ。
痒くても掻けないし、ちょっといらつくこともあるけどね。
だから、せめてヒサをきれいにってわけさ。
そうすると、不思議と落ち着いてくるんだよね。
