「ハッピー、お空を見上げてご覧?」
うん?どこかで聞いたような文句!
ままは、いきなり僕を抱っこして、ままの頭より上の方まで
手を伸ばして、お空を見せようとした。
「雲が夏の雲と違うでしょう。秋の雲になっているでしょう。」
うーん、そういえば、大きなあの入道雲がなくなっている!

僕は3歳になり、成犬になって、昨年とはちょっと違う秋を
感じていた。
ままがコスモスを好きなのは変わらない。
まだ夏なのに、早咲きのコスモスを買ってしまうくらいだもの。
今年もコスモス展に行くのだろうか。

お散歩コースにいっぱいコスモスが咲いてる場所があるんだけど、
残念ながら、今見たところでは、つぼみばかりで、
1本も咲いていなかった。
でも、後幾日もしない内に、きっとあの可憐な可愛いコスモスに
お目にかかれることだろう。

平成16年9月11日の土曜日。
今日はやしのみままと1週間ぶりのお散歩だ。
いつものようにままはお歌を唄いながら、そして、僕はイッチニイッチニ
とままの側をなるべく離れないように、リズムに合わせてお散歩だ。
でも、どうしてもお歌の途中だけど、僕は草むらを見つけると、
もう我慢できずに、たまらず鼻をくんくんと地面にくっつけながら
クンクンしてしまう。
だから、ままはあわててストップ。
仕方ないわねえーという顔で、僕を見つめている。
僕の名前はその内、マーキング王なんて不名誉な名前に
変えられるかもしれない。

小さい夏と小さい秋を見つけたよ
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今日は夏の終わりを惜しんで「さようなら」を言ってくれた「夏」と、
涼しいそよ風が「こんにちは」と声をかけてくれた「秋」に
会って、僕はちょっとばかしセンチメンタルな気分になった。
やしのみままの今日のお花に対する執着心は相当なものだった。
きっと、ままも暑いのによく頑張ったお花にお別れを言ってたんだと
思うよ。

9月に入ってからは、8月の真夏日のようにお日さまは
照っていても、涼しい風が吹いてきて、お散歩に出たのは
9時半頃だったけど、路面もそんなに熱くなくい。
心地よい風は、もう秋の風だった。
でも、お散歩道には相変わらずひまわりや朝顔がいつものように
咲いていた。
でも、よーく見ると、なんとなく元気が無い。
枯れている部分が多くてなってきているせいか、
なんとなくしょんぼりしている感じだ。
でも、もっとよく見てみると、咲いている花はまるで、夏を惜しむかのように
頑張っていた。
鮮やかなくっきりした衣装を着て自分を主張している。

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ままは、その内僕よりもそんな一生懸命に咲いているお花を
バチバチ撮り始めた。
僕はままが写真を撮っている間は、大好きなクンクンを止めて、
ガチャガチャ言わせてカメラをいじっているままをじーっと
見つめた。

「まま、今日は僕を撮ってくれないの?
お花ばかり撮ってるね。どうしてなの?」
首を傾げて僕はさらに見続けた。

「ハッピー、お待たせ!さあっ、行こう!」
最初の方は僕がマーキングで待たせていたけど、いつの間にか
反対になっていた。