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普段なら「そう、もう遊びたくないのね」と諦めるままも、
今日はお休みのせいかかなりしつこく「ちょうだい!」を
繰り返す。
どうも、これは特訓のようだ。
ままは、パパよりも特訓が好きなようだ。
「おちっこ」のしつけでしょう。
「待て!」のしつけでしょう。
それにお散歩の時に人の左側を歩くというあのしつけ、
なんて言うんだっけね、その事、とにかくそういうのとか、たくさん
ままに厳しく教えられた。

今日はボール遊びの特訓というわけかあー。
僕はボールを口にくわえながら、そんなことを思い、
立ち止まった。
そうしたら、ままはようやく「ハッピー、疲れたの?ボール遊びは
やっぱりあまり好きじゃないみたいね。
じゃ、終わりにしようねえ。」と諦めた。

まま、僕だっていくら遊びでもどんな遊びでも好きって
いうわけじゃわけじゃないんだから・・・
僕はかなりうらめしそうにままの顔を見た。
ままは僕の気持を分ってくれるのかなあ?
でもね、まま、ひょっとして、僕もお友達のワンコに
教えてもらって、ボール遊びの楽しさが分るようになるかも
しれないから、だから、待っててね。
僕はそんなことも思った。
だって、ドッグランへ行っても、お友達はみんな楽しそうに
ボールを追っているんだもの。
僕も本当は好きになりたい!って心の底では思っているのかも
しれない。
ただ、うまくできなから、それで嫌いになったのかもしれない。
原因は分らない。
でも、その内きっとモノにするゾ!
僕は心に誓った。

この作業が曲者だ。
そうなのだ。
ポーンと投げた時に、すばやくキャッチしてままの所に戻す。
これが出来ると最高なんだけど、それがなかなか
うまくできない。
要するに取りにはゆくけど、ままにボールを渡したくないんだ。
僕は「うぅー!」なんて、あまり唸る方じゃないのに、
この時ばかりは唸ってしまう。
でも、「ちょうだい、ハッピーちょうだい!」って
何度も言われると、仕方がない、口を緩めて、その場に落とす。
渡したくないから、渡そうとはしない。
遠くに落としたりする。

ちょっと気になるクールボード
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平成16年8月13日の金曜日。
ままは昨日12日から来週の17日までお休みなんだって。
土日ははさむけど、計6日間の夏休みらしい。
ままはいつもお仕事に出かけてしまってつまらないけど、
こんなに長くお休みできるなんて、僕はとっても嬉しいよ、まま。

僕は前にも話したと思うけど、どういうワケだか、
みんなが大好きだというボール遊びが苦手だ。
パパがいつもはボール遊びの相手をしてくれるんだけど、
今日はままがたくさん遊んでくれた。

「さあー、ハッピー、ボール遊びしようねえー」っていやに気合が
入っている。
僕はあまりその気にならなかったけど、ままがあまりに
嬉しそうに言うものだから、ついついつられて何度も
ポーンと投げては取りに行く作業を繰り返した。

4時半頃になって、ままが雨戸やカーテンを閉め始めた。
アレッ!いつもの時間よりも閉めるのが早いなあー。
僕はすっかり寝ていて、寝ぼけ眼でままの様子を伺った。

「遅くなるかもしれないから、ハッピーにごはんをあげた方が
いいかしらね」って、ままがパパに聞いている。
「うん、その方がいいんじゃない」ってパパは即座に答えた。

「○○達に会うのは久し振りだしね、きっと盛り上がると
思うよ。」パパは続けて言った。
えっ、○○達って、パパの弟夫婦のことだ。
そうかあ、今日もきっと長いお留守番になりそうだ・・・

駅前の居酒屋で暑気払いをして来たまま達が帰ってきたのは
夜中の12時頃だった。
5時に待ち合わせをしたのだからかれこれ7時間もの間
会ってたんだなあ。
パパもやしのみままもお姉ちゃんも、皆とてもハイに
なっている。寝ていた僕は途端に眼が覚め、一緒になって
ハイになった。

ご機嫌なやしのみ家はしばらくハイ気分を楽しみ、
やっと寝るのを惜しむかのように、リビングの灯りを消した。