でも、今日は何故か、ままは何度もペロペロしたのに、
眼は固くつぶったまま。一体どうしたんだろう?
疲れてるのかなあ?
まあ、いいや、それこそそーっとしていよう。
15分くらい経った。まだグースカ寝てる。
パパがついに痺れを切らしたのか、階段を上ってくる音がした。
僕はベッドから降りて、伏せをし、手や足を舐めたりしていたけど、
「すはっ!大変!」と慌てた。
「まま、起きなきゃだめだよ!」
でも、ベッドから自分で降りることは出来ても、上ることは出来ないし、
様子を見守るしかなかった。
パパは「○○ちゃん、お昼だよー!」といきなり大声で叫んだ。
そうするとままはすくっと跳ね起きた。
そうかあ、そういう手があったのかあ。
平成16年8月7日の土曜日。
今日はままがお休みだから、起きるのが遅いのは分るけれど
「まま!もう8時半だよ!」
僕はままのベッドに忍び寄り、お顔をペロペロした。
階段は自分で上ってはいけないと思ってるし、多分上れないから、
パパに2階の寝室まで連れて行ってもらった。
ベッドの高さだったら、普通は1人で飛び乗れるんだけれど、
テーブルの椅子で失敗してからというもの、ちょっと臆病になってしまった。
パパもそれが分っているから、そっとベッドに乗せてくれた。
なんで、忍び寄ったり、そっとかって?
それはね、ままが驚く顔を見たいからさ。
だって、舐められると驚いて目を見張って眼が覚めるんだモノ。
それが僕は面白いから、わざと忍び寄るんだよ。
「ごめんなさい!寝坊しちゃった!」って言いながら、ままは起きた。
けれど、眼は半分しか開いていない。
洗面台の鏡の前に立ったままは情けない声で「あーあ、ひどい顔」
なんて嘆いている。「寝起きの顔ってどうしてこんなにひどいんだろう」
ってひとりごちている。
最近、ままは独り言が多くなってきている。
まま曰く、独り言を度々言うようになったら危ないんだって。
何が危ないって、ぼける前にそんな症状が出るそうだ。
まま大丈夫?
だって、ままって「あら、又ボケやっちゃったわ」っていつもいつも
言ってるんだモノ。
本当にぼけた時に、これじゃあ分らないよ。
もおーっ、心配だなあ。