バットの芯を外せ   トップページへ  ヒント集見出しへ


 とても、非常識なタイトルですね! もちろん、この「バットの芯を外せ」と言うタイトルは、最終的にそうしろ!と言う意味ではありません。格好良い言いになりますが、いわゆる「逆転の発想」の分野です。これは、凡才先生の経験や指導でも、非常に効果的な方法なので、ご紹介しておきます。
(高校入学当時、凡才先生には、先輩や他の選手が天才に見えていたので、このページでは、他の選手の事を「天才」と表現しています。)

 凡才先生は、中学の時は真ん中しか打てませんでしたので、高校入学当時の課題は、まず、「外角を打てるようになる事」でした。もちろん、練習も沢山しました。毎日、外角打ちの素振りをし、ティーも外角中心に練習しました。 しかし・・・、これらの練習では結構いい感じに打てるのに、フリーバッティングではまったく打てません。しばらくは、試行錯誤を繰り返しましたが、やはりだめでした。

 入学当時の凡才先生は、期待されてもいないし、期待されるような成果も有りませんでした。天才と同じ練習をしても、その成果には大きな違いが出てしまいます。100の練習をして、天才が60~80の成果だとすれば、凡才先生は、ほぼ0です。更に、これだけ練習しても上手にならないのですから、いかに才能が無いかを痛感しました。

 一生懸命練習しても成果無しと言うのは、とても虚しいものです。好調な選手を見ながら、思い悩む日々が続きました。天才の60~80には及ばなくても、せめて30くらいの成果は出したいと切実に思いました。そんなある日 「ん!・・・、ちょっとまてよ・・・。 30でいいなら天才と同じ考え方じゃなくても良いんじゃないか~?」 ちょうど、これからフリーバッティングのタイミングでしたので、思い切って、ある事を試してみる事にしました。そして、その結果は意外なものでした。30で良いと考えた方法なのに、90以上の結果が出てしまったのです。


 具体的に

外角
 当時の不調は、バットの芯に当てられない事でした。外角は、力が伝わりにくいので、正確に芯に当てようと思い、練習していました。素振りのイメージや、ティーでは問題ないのに、フリーバッティングでの結果は、全て先っぽでした。打点が少し遠いのは分かっていましたが、頭の中のイメージでは「ドンピシャ」でしたから、どうしても調整できなかったのです。

 何度も失敗していましたので、自分が当てたい場所と実際に当たっている場所の違いも分かっていました。だいたい、ボール1個半~2個くらいでしたので、逆に、芯からボール1個半~2個くらい近い場所(詰まるよう)に当てようとしたらどうなるのか?上記の場面で実際に試したのはこの方法です。結果は、外角の全てをライナーで打ち返す事ができました。

 その後の試行錯誤で分かったのですが、スイング自体は、特に問題はありませんでした。問題が有ったのはスイング前の予備動作です。スイングする前の微妙な違いが、ボール1個半~2個分もの違いになっていたのです。

 この考え方は、その後の成績にも大きな影響がありました。外角は、一旦打てるようになると、特に意識しなくても打てるようになりますが、調子を崩すと前述のような症状が出てきます。その時は、また、これをやれば良いのです。この方法は、試合中でも急遽実行する事ができます。例えば、ドンピシャのイメージで打ちに行ったのに、先っぽに当たってファールになった場合。そのままなら、不安が有るまま次の球を待つ事になりますが、当てる場所をずらす考え方があれば、積極的に次の球を待つ事が出来ます。

低め
 低めにも、外角と同じような傾向がありますが、外角よりも、ずらす範囲が若干少なくて済むようです。凡才先生の感覚では、ボール1個分くらいでした。感覚には個人差もありますので、色々工夫してみると良いでしょう。

内角
 内角は外角の逆なのかと思いきや、そうでもありません。先っぽに当てようとすれば、本当に先っぽに当たってしまいますし、窮屈なので、芯に当てるのも難しいものです。凡才先生の考え方としては、外角と違って、芯付近ならば結構飛びますので、芯にこだわらず、芯付近ならOKです。芯とその内側のボール1個半くらいまでを、当てて良い範囲と考えました。

 その結果、打撃姿勢や、当たる瞬間の角度が安定し、非常に大きな効果が出ました。詳しくは、内角打ちのコツを参考にして下さい。

高め
 練習試合の対戦相手は強豪校が多かった為、高めのストライクは殆ど投げられる事はありませんでした。そのため、練習も後回しで、実際に取り組んだのは先輩が引退した後でした。「エンドランの時に、外されたボールをどう打つか」をきっかけに、高めに対処する事も考え始めたのです。

 高めの注意点はフライになりやすい事です。ちゃんと打ってるつもりでも、その多くは、ボールの中心よりも下に当たってしまいます。それを防ぐ方法は大きく分けて2つ。ボールの中心よりもやや上を打つ事と、上から下にスイング(ダウンスイング)する事です。これは、どちらかを選ぶのではなく、両方出来るようになって初めて大きな効果を生みます。

 ポイントは、難しく考えない事です。単純に、構えた位置の芯を真っ直ぐミートポイントに持っていけば良いのです。そして、ボールの中心よりも、ほんの少し上に当てれば成功です。詳しくは、高め打ちのコツも参考にして下さい。



 このように、ぴったりにならない時は、その分を調整してみたり、当たり前だと思っていた事を変えてみたりする事で成果が得られる事があります。上手く行っているものはともかく、何回やっても上手く行かないものは、色んな挑戦をしてみたると良いでしょう。そのままにしていても、どうせ上手く行かないのですから・・・。


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