時間をコントロールする       トップページへ     ヒント集見出しへ


考え方

 基本的に、時間は誰にでも平等で、他人の1秒は、自分にとっても1秒です。しかし、同じ1秒でも、早く感じたり、遅く感じたりする事が有ります。例えば、命を落としかねない事故に遭遇した時、一瞬の出来事なのに、時間が、とても、ゆっくりに感じられる事があります。その一瞬の間に、膨大な記憶がよみがえり、沢山の事を考えます。

 この、通常では考えられない能力は、特殊なものではなく、本来、誰にでも備わっているものなのですが、死を覚悟する程の危険な経験をするのは、まれですので、通常の生活では、中々体験する事はありません。

 平常時に出来ない理由は、エネルギー消費が激しく、通常の生活をする上では必要ないためですが、訓練をす事によって、ある程度、自分の意思で出来るようになります。凡才先生の場合は、通常の練習や練習試合では、体重に殆ど変化はありませんでしたが、公式戦では、毎回、1試合2Kg程度落ちました。運動量は通常よりも少ないはずですが、公式戦は、とても疲れる印象が有ります。

 優秀な結果を出すスポーツ選手の多くは、この能力を身に付けているものですが、意識している選手は少ないかも知れません。意識して訓練する代表的なスポーツは、ボクシングです。上級者になると、高速で通り過ぎる電車を見て、人の顔が認識できるようですが、訓練しても、ここまで出来るようになる選手は、少ないと思います。

 しかし、少しでも、今より時間が遅く感じる事が出来るようになれば、その分、楽に結果を出す事が出来ます。想像してみて下さい。もし、自分以外の全てがスローモーションになったら・・・、良いプレイが出来て当然ですね。

 この感覚は、バッティングのミートの瞬間や、守備の捕球の瞬間に確認する事が出来ます。イメージ的な表現ですが、それぞれの瞬間に、早い動きをしようとすれば、ボールも早く感じ、遅い動きを意識すると遅く感じますので、ミートの瞬間や、捕球の瞬間を遅くする事が出来るかどうかをチェックして下さい。

 理論的には、真逆の発想ですが、ミートの瞬間や、捕球の瞬間を遅くするためには、そこまでの動作を、これまでの感覚よりも、早く始めなければなりません。






バッティングでの訓練の仕方

1)難易度を上げる(特に珍しい方法では有りませんが、大変効果的な方法です。)

 例)130qの速球を打ちたい。⇒140qでタイミングが取れるようになるまで練習してから、130qの練習をする。打撃前の動作が自然に速くなり、130qを早く感じなくなります。(時々やっておかないと、元に戻ります)

 120qで投げる投手なら、およそ、2.6m前から投げてもらえば、体感速度は140qになります。

 およその体感速度一覧

2)ばらばらなタイミングのティーバッティング

 この練習は、通常のティーとは違い、危険ですので、スポンジ等の柔らかいボールを使いましょう。

 フォームを崩す事があるので、最初はコースを明確にしましょう。大体でよいので、外なら外、内なら内を繰り返します。ポイントは、投げる方が意図的にタイミングをバラバラにする事です。バラバラでも、無意識にパターンが出来てしまいますので、最初は「早い2:遅い1」や「遅い2:早い1」のような、2:1で練習します。慣れてきたら、3:1に変えます。これも、すぐに慣れますので、2:1と3:1をランダムにミックスします。この段階では、投げる間隔を小さくして、テンポよく練習しましょう。

 次は、実際の試合と同様に、1球ごとに間隔を空け、1球ごとに球速を変えて練習します。投げる方も、実際の打席のように、コースを変えながら、ストライクだけでなく、ボールも投げましょう。1球ごとに間隔を空けるのは、「自分が何を投げるのか考える」と言うよりは、「打者に考えさせる意識」を持ちましょう。ポイントは、早いか遅いかを考えるのではなく、感じる事です。上記の練習で上手く打てるのであれば、技術に問題はありませんから、後は、心の準備が上手になるような練習をしましょう。ノーアウト3塁や、1点リードされて、最終回2アウト満塁など、いろんな場面を想定しながら緊張感を高め、集中する練習を同時にやると、実践的です。

守備は、01206減速捕球を参考にして下さい。

 これが上手く出来るようになると、バッティングでは、ボールの方からバットに当たってくる感覚で打つ事が出来るようになりますし、守備では、ボールの方からグラブに入ってくるような感覚で捕球する事が出来るようになります。結果として、あまり難しく感じられないよになります。

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