2章 MOREソフトをインストール・管理する
Zaurusには,工場出荷状態で便利なアプリケーションがたくさんインストールされています.
これらのソフトの中には,ユーザが自由にデータを保存したりできるメモリではなく,
ザウルスのシステム専用のメモリに用意されたアプリケーションがあります.
これらは,俗に「標準アプリ」と呼ばれます.標準アプリはザウルスのメモリに固定的におかれているので,ユーザが追加したり削除したりすることはできません.
これとは別に,ユーザ用のメモリにインストールされ,ユーザの任意で追加,削除できるアプリケーションも存在します.
これを「MOREソフト(もあそふと)」と呼びます.
ちょうど,パソコンがいろいろなアプリケーションをインストールして機能を拡張していくように,ZaurusはMOREソフトをインストールして機能拡張するのです.
スケジューラ,アプリケーションランチャ,テキストエディタなどなど,様々なMOREソフトが,企業や一般ザウルスユーザの皆様によって開発・提供されています.
Webページ上で,多くのユーザ製,メーカー製のMOREソフトが公開され,ダウンロードできるようになっています.
フリーソフトからダウンロード販売されているものまでさまざまですが,多くの開発者のみなさん,メーカーの皆さんの努力によって,全体的に非常に安価な価格設定に押さえられています.
ザウルス宝箱(http://more.zaurusworld.ne.jp/)の「MOREソフトライブラリ」のコーナーから,様々なMOREソフトのダウンロードページにリンクが張られています.
自分の要望にあったMOREソフトを探して,ザウルスをパワーアップしてみてください
ユーザ製のMOREソフトをダウンロードしたら,ぜひ開発者の方に感想のメールを送ってあげてください.
[2章 目次]
●MOREソフトのインストールファイルをダウンロードする
まず,パソコンや,Zaurusを用いてザウルスに導入したいMOREソフトをダウンロードする必要があります.
Zaurusの MOREソフトは,ザウルス宝箱(http://more.zaurusworld.ne.jp/)の「MOREソフトライブラリ」のコーナーなどから入手することができます.
なお,MOREソフトは「ZACファイル」という形式で保存されており,「********.ZAC」のように,拡張子「ZAC」を持つファイル名が付けられています.
ZaurusにMOREソフトをダウンロードするには,次のような方法があります.
- パソコンでダウンロードし,パソコンからZaurusにMOREソフトを転送する
- Zaurusで直接MOREソフトをダウンロードする
−パソコンでダウンロードしてZaurusに転送する方法
この方法でZaurusにZACファイルをダウンロードするには,以下のものが必要になります.
- パソコン(Windows 又は Machintosh),
- Zaurus連携ケーブル
ノートPCの場合はケーブルが無くてもIrDA赤外線接続で可能
- Zaurus連携ソフト
Windows用 「ザウルスパワーコネクション」「ClipLink」等
Machintosh用 「クロストーク」等
まず,パソコンで InternetExplolerや Netscape Navigator等のブラウザソフトを利用して,MOREソフトのダウンロードページを閲覧し,ZACファイルをダウンロードします.
(配布されているMOREソフトによっては,ZIP形式やLHa形式で圧縮された状態で配布されているものもあります.
これらはダウンロードした後に圧縮ファイルを展開して,ZACファイルを取り出す必要があります.)
続いて,ダウンロードした ZACファイルを連携ソフトを用いてザウルスに転送します.
ザウルスパワーコネクションや ClipLinkの使い方の詳細については,それぞれのアプリケーションの説明書を参照してください.
ザウルスパワーコネクションでパソコンからZACファイルをザウルス転送したとき,転送したZACファイルはZaurusの本体メモリ内に保存されます.
ClipLinkで ZACファイルをZaurusに転送したとき,転送先のZaurusのメモリは本体メモリ,カードメモリから任意に選択できます.
パソコン用の CFカードリーダを所有しているなど,パソコンで CFカードを直接読み書きできる環境があるのならば,ZACファイルを直接 Zaurusで使用している CFカードに書き込んでも構いません.
このとき,ZACファイルは "__ZAURUS"フォルダの中にコピーしてください.
−Zaurusで直接ダウンロードする方法
インターネットに接続する前に,ZACファイルを本体メモリにダウンロードするか,カードメモリにダウンロードするかを指定しておく必要があります.
まず,インターネットのトップ画面(つなぐ,ページを開く,録画するなどのメニューが表示される画面)を開きます.
ザウルスの本体メモリーにダウンロードする場合は、そのまま[つなぐ]を選択してインターネットに接続します。
ザウルスに挿入したCFメモリカードまたはSDメモリなどにダウンロードする場合は,まず[機能(カード)]キーをしばらく押し,画面左上にカードアイコンが表示されてから[つなぐ]を選択します.
コンパクトフラッシュメモリーカード,SDメモリーカードなどの選択は,本体のユーザー設定の中のカード設定であらかじめ指定しておきます.
詳しくはZaurusの取扱説明書を参照してください.
ダウンロード先のメモリの設定が完了したら,インターネットに接続して,ZaurusのWWWブラウザでMOREソフトのダウンロードページを閲覧します.
ページ中からZACファイルにリンクが張られている部分をタップすると,ダウンロードが開始されます.
Zaurusで直接ダウンロードしてインストールするときは,ZACファイルのMOREソフトしかインストールすることができません.
Lha形式(********.LZH)や Zip形式(********.ZIP)で圧縮されたMOREソフトをZaurusでインストールするには,ユーザ製のMOREソフト「LHa for Zaurs」「ZGZ」を利用する必要があります.
ザウルスでダウンロードした ZACファイルは,例えば 111811AA.ZACのような,適当なの数字や英語でファイル名を付けられて保存されます.
●インストール作業
Zaurusのメモリにダウンロードした ZACファイルを展開して,MOREソフトをZaurusにインストールします.
MOREソフトをインストールするときには,同じMOREソフトを,本体メモリとカードメモリの両方にインストールすることは避けてください.
Zaurusが不具合を起こす可能性があります.
ZACファイルの展開・インストールを行うためのソフトには様々なものがありますが,以下のソフトが有名です.
- 本体標準アプリ「MOREソフト管理」
- かずわいさん作「じょぶこん」
- L.Forceさん作「LfMoreUtil」
−本体標準アプリ「MOREソフト管理」
MI-E1にプリインストールされたMOREソフトのインストーラです.
リスト画面から展開したいZACファイルを選択して展開ボタンを押すことで,MOREソフトをインストールすることができます.
本体メモリに保存したZACファイルを展開すると,MOREソフトは本体メモリに展開されます.
カードメモリに保存したZACファイルを展開すると,MOREソフトはカードメモリに展開されます.
−L.Forceさん作「LfMoreUtil」
LfMoreUtilは,高機能なMOREソフト管理アプリケーションです.
ユーザ任意のメモリにMOREソフトをインストールすることができ,通常インストール時に削除されるZACファイルを削除せずに残しておくことも可能です.
以上の操作で,ZaurusにMOREソフトをインストールすることができました.
インストールしたMOREソフトについて,使用しての感想や,バグ報告などのメールを作者さんに送りましょう.
[2章 目次]
Zaurus標準の「MOREソフト管理」では,常にZACファイルが保存されているメモリにMOREソフトが展開されます.
つまり,本体メモリ上にあるZACファイルを展開すると,MOREソフトは本体メモリにインストールされます.
カードメモリ上にあるZACファイルを展開すると,MOREソフトはカードメモリにインストールされます.
ところが,Zaurusのメモリは無限ではなく,特に本体メモリはカードメモリと比較して,小さな容量しか用意されていません.(MI-E1の場合 7MB程度, MI-E21の場合 15MB程度).
本体メモリを有効に利用するためにも,MOREソフトは利用形態に合わせて本体メモリとカードメモリにバランスよく配置したいものです.
しかし,インストール先が制限されているというMOREソフト管理の前述の仕様が,インストール作業上,不便に感じられます.
そこで,MOREソフト管理の強化版といった趣のユーザ製MOREソフトが登場しています.
これらを利用することで,MOREソフトのインストールをより簡単に行うことができます.
ここでは,代表的なMOREソフトインストールツール,LfMoreUtilを紹介します.
L.Forceさん作 「LfMoreUtil」
L.Forceさん作の「LfMoreUtil」は,標準の「MOREソフト管理」の拡張版とでも言うべきMOREソフトです.
MOREソフト管理とは異なり,インストール先を本体メモリ/カードメモリから適宜選択してMOREソフトをインストールすることができます.
また,MOREソフト管理ですとインストール時に該当 ZACファイルを削除しますが,LfMoreUtilではZACファイルを削除するか,そのままメモリに残すかを選択できます.
LfMoreUtilを起動すると,現在インストールされているMOREソフトの一覧と,メモリに存在するZACファイルの一覧が表示されます.
カードメモリ上にインストールされているMOREソフトは,頭にアイコンがつけられた状態で表示されます.
ZACファイルは,デフォルトではリストの先頭に表示されます.
既にそのMOREソフトの古いバージョンがインストールされている場合などは,そのMOREソフトのタイトルが注釈として表示されます.
MOREソフトインストールツールとして非常に良く出来ており,環境構築時に大活躍するでしょう.
新しいZaurusを買ったとき,まず最初にインストールするべきMOREソフトです.
LfMoreUtilに関する詳しい情報は,L.ForceさんのMOREソフト情報ページ(http://www.mikeneko.com/LeF/zaurus/mi50x/more/index.html)を参照してください.
[2章 目次]
MOREソフトをたくさんインストールしていると,メモリが足りなくなってしまうことがあります.
このようなとき,MOREソフトのインストール先を変更したいと思うことでしょう.
しかし,いったんMOREソフトを削除して,新たに別の場所にインストールしなおすというのは非常に面倒です.
このような要望に応えるために,MOREソフトのインストール先を移動するMOREソフトが提供されています.
ここではインストール先移動 MOREソフトの例として,以下の3つを紹介します.
- シャープ(株)様作 「MOREソフト移動ツール」
- シャープ(株)様作 「乗換え案内移動ツール」
- ボビーソフトハウスさん作 「拡張メモリ操作」
シャープ(株)様作 「MOREソフト移動ツール」
このMOREソフトは,本体メモリからカードメモリ,またはカードメモリから本体メモリにMOREソフト移動させるためのソフトです.「乗換え案内」は,このMOREソフトで移動することはできません.下に紹介している「乗換え案内移動ツール」を利用してください.
MOREソフト移動ツールに関する詳しい情報は,シャープスペースタウン Zaurus Support Stationの説明ページ(http://zaurus.spacetown.ne.jp/kyotsu/update/midou/midou.asp)を参照してください.
シャープ(株)様作 「乗換え案内移動ツール」
MI-C1にプリインストールされている乗換え案内は,本体メモリ容量をおよそ2.6MBも占めています.これにより,MI-C1は向上出荷状態の残り本体メモリが非常に少なくなっています.このMOREソフトを利用することで,乗換え案内をカードメモリに移し,本体メモリ空き容量を増やすことができます.
乗換え案内移動ツールに関する詳しい情報は,シャープスペースタウン Zaurus Support Stationの説明ページ(http://zaurus.spacetown.ne.jp/mi-c1/update/jridou/jridou.asp)を参照してください.
ボビーソフトハウスさん作 「拡張メモリ操作」
「拡張メモリ操作」は,本体メモリ/CFカード/SDカードに格納されたファイルを一括して操作できる,高機能ファイル操作ユーティリティMOREソフトです.
このソフトの機能の一つとして,MOREソフト移動機能が実装されています.
SDカード/CFカードスロットを備える縦型ザウルス版の拡張メモリ操作では,本体メモリ/CFカード/SDカード間でMOREソフトの移動を行うことが可能です.但し,「乗換え案内」は,このMOREソフトで移動することはできません.
拡張メモリ操作に関する詳しい情報は,ボビーソフトハウスのホームページ(http://www.interq.or.jp/dog/bobby/zaurus/more.html)を参照してください.
[2章 目次]
Zaurusは,MOREソフトのインストール先を本体メモリ/カードメモリのどちらにしても,ユーザが利用する時はなにも影響を受けません.
まったく同じように操作することが出来ます.
では,MOREソフトはどこにインストールしても別にかまわないのでしょうか?
いえ,そんなことはありません.
操作上は同じように利用できますが,本体メモリとカードメモリの性能の違いから,微妙に差が生じます.
すなわち,Zaurusを最大限に使いこなそうと思うならば,そのMOREソフトの利用シチュエーションを検討してインストール先を選んだ方がベターです!!
Zaurusの本体メモリと,カードメモリは,以下のような違いがあります.
- 動作スピードはカードメモリより本体メモリの方が高速である
- 本体メモリよりカードメモリのほうが記憶容量が大きい
- e-concept Zaurus以外の機種は,CFスロットを使用する周辺機器とカードメモリを併用できない
つまり,次のようなことが言えます.
- 処理負荷が重いMOREソフト(MP3プレイヤ,表計算など)は,本体メモリにインストールした方が良い
- 容量の大きなMOREソフト(乗換え案内など)は,カードメモリにインストールしたほうが良い
- カードメモリに置いているデータを利用する為のMOREソフト(Catch The Train,LfPhotoManagerなど)はカードメモリにインストールしたほうが良い
- CFスロットを使用する周辺機器と併用するMOREソフト,使用頻度の高いMOREソフトは,本体メモリにインストールした方が良い
あくまでも上記の指針は,運用上のノウハウの一例でしかありません.
ユーザによって,この指針は変化すると思います.
また,e-concept Zaurusは SDカードメモリを利用することで周辺機器とカードメモリを同時に使用することができますから,容量や動作スピードだけを評価基準にインストール先を決めてしまってよいでしょう.
(補足)
2001年前半までの出荷の 古いソフトウェアを使用している MI-E1の場合(ソフトウェア管理番号が 11,12,13の MI-E1),SDカードに保存しているのファイルの数が多くなると,急激に動作速度が低下する場合があります.
このような場合,MI-E1アップデートサービスを適用してソフトウェアバージョンアップを施すことで,SDカードの動作速度を劇的に改善することができます.
シャープ(株)のWebサイト(http://zaurus.spacetown.ne.jp/mi-e1/update/e1update/e1update.asp)から MI-E1アップデータをダウンロードしてください.
なお,MI-E1のソフトウェア管理番号は,MI-E1の[ホームインデックス]キーを何度か押しシステム設定画面に切り替え,[メモリー管理]のアイコンをタッチすると画面右下隅に表示されます.
また,ダウンロードの際は,Webページにかかれている注意書きをよく読んでください.
[2章 目次]
Zaurusでは,標準アプリやMOREソフトを管理するために,「アプリケーション識別子」というものをそれぞれのアプリケーションに一つずつ割り振っています.
アルファベット4文字で,シャープ株式会社様から他のMOREソフトの識別子と重複しないように,各MOREソフトに対して発行されています.
アプリケーション識別子は,通常使用においてはユーザは全く意識する必要はありません.
しかし,ユーザ製のMOREソフトのカスタマイズや,SYSTPREF.TXTを利用したザウルスのカスタマイズなど,シャープのマニュアル想定外のカスタマイズを行う時に必要になることがあります.
アプリケーション識別子を調べることのできるMOREソフトは,以下のようなものがあります.
- L.Forceさん作「LfMoreUtil」
- 小笠原さん作「AppChecker」
- ボビーさん作「拡張メモリ操作」
LfMoreUtilについての詳細情報は,L.ForceさんのページのMOREソフトコーナー(http://www.mikeneko.com/LeF/zaurus/mi50x/more/wlf7.html)を参照してください.
AppCheckerについての詳細情報は,小笠原さんのページのMOREソフトコーナー(http://hp.vector.co.jp/authors/VA004474/zaurus/more2.html)を参照してください.
拡張メモリ操作についての詳細情報は,ボビーさんのMOREソフトコーナー(http://www.interq.or.jp/dog/bobby/zaurus/wdaa.html)を参照してください.
[2章 目次]
How Toや FAQへのリクエスト・ご意見は TOKまで.
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