旅の記憶 その16 前編

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桜を見に行くぞ!!
 前編

後編はこちら

旅行中の写真の一部をこちらでも公開しています。
よろしければどうぞ。

0,出発前夜  


 それは,山陰旅行を共にした中・高の同窓生Y氏からのメール(3/29)が始まりだった。

  「東北桜づくしの旅 次回はこれだな」

 この時,彼は酒を飲んでいてテキトーに打ったメールらしかったが,私はこれを真に受けてしまった。ちょうど連休中にやることも考えていなかったため,「角館」「弘前」が頭に浮かび,早速時刻表をめくってみる。

 およそ10日後,山形市内のびっくりド○キーでオレンジジュースを飲みながら,Y氏に脳内プランを説明する。2泊3日で角館・弘前・盛岡を巡る。ふとしたことから,青森に行くのなら函館まで足を延ばさないか,松前城なんかも良いらしいぞ,などと盛り上がり,とりあえず盛岡をはずして函館を取ることにした(さすがに,松前城に行く時間はないようだ)。
 列車・ホテルの空き状況などから,「山形→角館→弘前→函館→山形」で決定。 むろん,桜だけではなく,秋田内陸縦貫鉄道・JR直通列車「弘前お城とさくら号」や「吉岡海底駅・ドラえもん海底ワールド」などを視野に入れているのは,言うまでもない(?)。
  そんなこんなで, 4/29〜5/1の2泊3日の旅のスタート。

 前回の山陰旅行は雨にたたられたが,今度は晴れるようだ。しかし,桜の開花が微妙。函館はともかく,角館・弘前には何とか咲いていて欲しいものだ。

※旅行の写真は,Y氏にも提供して頂きました。ありがとさんです。



1,雨の赤湯を出発〜角館までの「長い」道のり 赤湯駅→(普通列車)→山形駅→(つばさ181)→新庄駅→(普通列車)→大曲駅→(こまち12)→角館駅


 4/29の早朝5:15,実家(長井市)にて雨音と共に目を覚ます。前回の山陰旅行を思い出す,というよりも,前回を上回る強い雨が降っている。天気予報は比較的良いはずだったのではないか?とはいえ,目の前の現実を受け入れなければならない。支度をして,5:40ごろ赤湯駅に向けて出発。さすがに道は空いていて,6:00には赤湯駅西口駐車場に到着。程なくY氏も到着。

 赤湯6:26発の普通列車に乗り,北上を開始する。この列車は新庄まで行くのだが,そのまま乗り続けた場合,新庄から乗車予定の列車に10分先発されてしまうのだ。しかたなく,山形(7:04)→新庄(7:47)はつばさ181号のお世話になる。この列車は割引特急券(つばさ181号きっぷ:500円)が利用できるため,追加投資にも目をつむることにする。しかしながら,この切符は乗車当日に,かみのやま温泉駅と山形〜大石田の「つばさ」停車駅でしか発売されない。従って,山形駅での8分の乗換時間の間に購入しなければならないのだ。と,若干不安がってみたものの,自動券売機でも発売されており,あっさりと入手する。車内はガラガラで,足を伸ばしてのんびり。やはり新幹線(特急)の効果は大きく,楽々新庄に到着。

 新庄ではおよそ40分の待ち合わせ。ここからは再び普通列車に乗り,大曲に向かう。一部ボックスシート付きの改造車だった。先客がいたため湯沢まではロングシートに座っていたが,湯沢→大曲でボックスシートに腰掛けてみる。おそらく既存のロングシートのピッチとの兼ね合いと思われるが,非常に席間が広く快適。しかもテーブル付きであった。グループ旅行には重宝しそうな設備と思われた(まあ,需要はあまりないのかもしれないが)。そんなこんなで大曲到着(10:19)。
 大曲から先は普通列車が少なく(とはいえ,田沢湖〜赤渕よりはなんぼかマシなのだが・・・。),バスか「こまち」の2択になったが,せっかくだからと730円の特定特急券を購入し,「こまち」を選択する。結局,この選択が後の悪夢を呼んだ・・・。それはそれとして,20分の乗換時間があるため,大曲の駅前に出てみる。花火の時しか訪れたことがないため,のんびりと駅前を眺めるのは初めて。ここが人でいっぱいになるのだな〜,と妙に感心する。

 さて,こまち12号が秋田側から入線。方向転換の儀式を終え,大曲を発車(10:39)。予定では10:49にあっさりと角館に到着するはず。が・・・,羽後長野駅手前で急停車してしまう。どうやら,停止信号のため,駅に進入できないようだ。信号機の故障のようで,どうやらすぐには動き出しそうにない。
 そこで暇をもてあまして座席前のポケットに入っている通販カタログ(TRAIN SHOP)をめくっていたところ・・・,
  ★ペン型コンパクト釣り竿ポケットロッド → ペンだと思ったら実は釣り竿。出来るビジネスマンは切り替えも早い。
  ★ひざまくら → 太ももはもちろん,ヒップや足までリアルに再現。スカートは選択可能な本物。実はお好みで着せ替えも可能。
  ★タクティカルベスト → FBIの特殊任務チームが採用。専用機能が満載のタフな男のためのベスト。
などなど,極めて個性的な商品の数々。恐れ入りました。(一応写真に撮ったのだが,著作権などがありそうなので泣く泣く割愛。)
  そのほか,「焼き肉センター ド○パン」という地域密着型のお店(?)が。あちこちにツッコミを入れながら,時間をつぶす。

 そんなこんなでおよそ30分後,運転再開。羽後長野駅では先行列車(こまちの回送列車かな?)を追い抜き,長い長い角館の道のりが終わる。





2,フライングだった角館の桜  

 第1の目的地,角館。駅前で腹ごしらえをし,武家屋敷&桧木内川堤に向けて歩く。武家屋敷のしだれ桜,う〜〜む残念,まだつぼみだ(ソメイヨシノは咲いていたけど)。品種が違うからかな?桧木内川堤の桜,う〜〜〜〜〜〜む残念残念,まだつぼみだ。風が直接吹いてくるからかな?少しだけ時期が早かった。
 とまあそんな感じで,写真だけバシバシ撮ってみたので,どうぞご覧下さい。今度は満開の時期を狙って訪れてみよう。(再び訪れる課題ができたのは収穫であった←無理矢理前向き思考。)



角館
武家屋敷でないところも,よい雰囲気。
偶然人通りが無くなったところで1枚。

早咲きの桜に人が集まる。

桧木内川沿いの桜ももう少し。
ご乱心。
(もちろんフィクションです。)

それにしても,すごい人出だった。

 
「止まれ」の標識が目立たなければ・・・。
角館駅にやってきた下りの「こまち」。
遅れは1日続いた模様。

 





3,秋田内陸線「さくら」号の旅 角館駅→(秋田内陸循環鉄道・弘前お城とさくら号)→鷹巣



 角館から秋田内陸縦貫鉄道・秋田内陸線(鷹巣〜角館)を経由して弘前へと向かう。
 利用した列車は臨時快速列車「さくら」号。(時刻表では,角館→弘前は「弘前お城とさくら」,弘前→角館は「角館武家屋敷とさくら」と表記されていたが,車内アナウンスでは「さくら」と言っていたような。)
 角館と弘前を結ぶ直通快速で,我々の行程にまさしくぴったりの素晴らしい列車ではないか!!(むろん,実際はこの列車に合わせて旅行日程を組んでいるのです・・・。)
 車両は8900型というもので,良好な前面展望,転換式クロスシート・サロンコーナー・自動販売機などを備える快適仕様。2両編成であり座席の確保が心配されたが,ちょうど良い混み具合になり,角館駅を発車(14:16)。
 列車は快調に走る,のだが,それにしてもかなり揺れる。運転席を覗くと,速度計は85km/hを指していた。比立内までの間は比較的新しい路線だが,心持ち地元のフラワー長井線よりも揺れるような気がした。
 が,松葉駅を過ぎるとだいぶ揺れはおとなしくなった。松葉〜比立内は1989年の開通区間で,どうやら線路がガッチリしているらしい。
 途中,車内販売のおじさんがやってくる。ビール・ジュース・お菓子はもちろん,オリジナルの「こまちプリン」なるものも売っていた。早速購入。それにしても,いろいろと収入を上げる努力をしているのだなあ・・・,と思う。

 全長5kmを越える長い十二段トンネルを過ぎ,しばらく走ると秋田内陸線の拠点駅,阿仁合に到着。ここで,しばらくの停車。車内販売のおじさんも降りていった。
 弘前行きの「さくら」号は,角館→阿仁合・鷹ノ巣→弘前を快速運転するが,途中の阿仁合→鷹巣は普通列車のスジを使うため,しばらくのんびりと歩みを進める。最高速度は65km/hらしいが,実際には50km/hになることも珍しいぐらい。阿仁合から50分程度走って鷹巣に到着(16:28)。

 ここで,小生にはひとつ気になることがあった。JR線への乗り入れは,どんな段取りで行われるのだろう?

 実際には,こんな感じであった。
  @内陸線の鷹巣駅ホームに入線,鷹巣までの乗客を降ろす。程なく両社の係員と運転士が乗り込む。
  A列車は一度後退し,内陸線側ポイントの先まで進む。
  Bポイント転換係員が線路に降りる。誘導係員の指示により,2箇所のポイントを手動で切り替える。
  C再び方向転換し,連絡線のほぼ中央部,両社の境界点まで進む。
  DJRの運転士に交代し,そのままJR鷹ノ巣駅3番ホームへと進む。
 こうして,無事秋田内陸線初乗り&完乗を果たしたのであった。

かなり怪しい鷹巣(鷹ノ巣)駅構内図
※「たかのす」駅は, JRが「鷹ノ巣」,
秋田内陸縦貫鉄道が「鷹巣」である。


快速「さくら」号。
秋田内陸線の拠点・阿仁合駅にて。
角館で発車を待つ「さくら」号。
我々は前から2列目に陣取る。
最前列にはDVカメラを据えたお兄さんも。

サロンコーナーを備えた車内。
天井にも花を飾り,気分を盛り上げる(?)。

車内で購入した「こまちプリン」。
うっすらと米の香りがして,おいしかった。
秋田内陸線からJR奥羽本線への乗り入れ。
ポイントを動かす係員の姿が。
無事?JR鷹ノ巣駅に到着。



4,弘前までの道のり,そして弘前公園での夜桜見物 鷹ノ巣駅→(弘前お城とさくら号)→大鰐温泉/大鰐駅→(弘南鉄道・大鰐線)→中央弘前駅→(徒歩)→弘前公園→(タクシー)→弘前駅→(普通列車)→青森駅


 鷹ノ巣駅を出て(16:48),JR奥羽本線を走行,再び快速運転に戻る。速度は85km/hであるが,さすがは本線,全く揺れない。車両としては「本当はこれぐらいは楽勝」ってな感じだろうか。列車は大館を過ぎ,矢立峠を越えて青森県に入る。JR大鰐温泉駅(17:40)で「さくら」号とお別れ。ここからは,弘南鉄道・大鰐線で中央弘前駅を目指すことにする。乗換時間は10分。良い感じだ。

 JR大鰐温泉駅と弘南鉄道大鰐駅は跨線橋でつながっており,「さくら」号を降りた我々は弘南鉄道線ホームへと向かう。そこでびっくり,なんと弘南鉄道への通路が狭いことよ(左下の写真)。大柄の人なら,天井に頭をぶつけてしまうんじゃないかという感じ。ホームに降りる階段も,同様にギリギリのサイズであった。ん〜,格が違うんだなぁと,またまた感心する。
 電車は東急7000系のお下がり。つり革には「東急百貨店」の文字がそのまま残っていた。ゆらり揺られて,中央弘前駅へ到着(といっても,秋田内陸線よりは揺れなかった。スピードが遅いせい?)。予想していた以上に「中央」な感じがして,なかなか良いものですな。
 そんなこんなで,中央弘前駅から歩くこと約15分。夕暮れの弘前公園に到着。

 弘前公園の桜は,まあまあの咲きっぷりであった。早速,カメラと携帯三脚を取り出し,夜桜撮影を試みる。はじめはなかなかうまくいかなかったが,ぼちぼち「それっぽい」写真も撮ることができた。どうぞご覧アレ。

 明日も弘前公園で桜を見物する予定。しかし,弘前市内のホテルは予約が取れず,いったん青森まで移動することにする。夜桜見物で意外と時間を消費したため,タクシーで弘前駅まで,そこから普通列車で青森へ。このころになると,さすがに足がボー。青森駅前のビジネスホテルにて一泊。



JR大鰐温泉駅から,弘南鉄道大鰐駅へと通じる跨線橋。
両社の格の違いが歴然(狭い!!)。
大鰐駅で発車を待つ7000系。
(元東急の車両,つり革に名残が・・・)

「中央」弘前駅に到着。
ここから公園まで15分ぐらい?

 
お堀と夜の桜。
夜の弘前城。
 



後編に続く



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