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韓国の政治経済(#38以前、2005年12月以前)←クリック

韓国の政治経済(#39以降、2006年以降)

46-2.韓国の2010年1Qの実質成長率は7.8%(2010-4-27)

46-1.韓国の09/4の成長率は6.0%(2010-2-24)

45-11.クムホ・タイヤが給与遅配(09年12月30日)

45-10.韓国の09年3Qの成長率はプラス0.6%(09年10月27日)


45-9.韓国の09年2Qの成長率は-2.5%、輸出で改善(09年7月24日)


45-8.韓国の09年1Qは-4.3%成長、下げ止まり感あり?(09年4月24日)

45-7.韓国の08年4Qの成長率は-3.4%に落ち込む、通年では2.5%(09年1月25日)

45-6.韓国11兆ウォンの財政支出増などで09年は4%成長を目指す(08年11月3日)


45-5.韓国の08年3Qの成長率は3.9%に減速、株・通貨とも下落(08年10月26日)

45-4.韓国政府が銀行に資金投入、ウォン安、株安目立つ(08年10月3日)

45-3.韓国金利引き上げ5.0%⇒5.25%へ(08年8月7日)

45-2.韓国の08年2Qの成長率は4.8%に低下(08年7月25日)

45-1.韓国の08年1Qの成長率は5.7%と好調だが不況感強まる(08年4月25日)

44、日本.円の急騰のカゲで韓国ウォンは暴落(08年3月18日)

41-6.韓国の07/4QのGDPは5.5%の成長、通年で4.9%(08年1月26日)

41-5.韓国の07年3Qの成長率は5.2%とさらに改善(07年11月7日)

41-4.韓国、金利引き上げ5.0%に(07年8月9日)

41-3.韓国の07/2Qの成長率は4.9%に改善(07年7月26日)

41-2.韓国の07年1Qの経済成長率は4.0%(07年6月5日)

38-8.POSCOの社員インドで村民の反対運動に遭遇(07年5月14日)

43.韓国とEUのFTA交渉始まる(07年5月12日)

38-7. POSCO07年1Qは44%増益(07年4月13日)

42.韓ー米のFTAついにまとまらず?(07年3月15日)

 ⇒米国はコメをあきらめ牛肉の自由化でFTAをまとめる(07年4月2日)

40-11.韓国の06年4Q成長率は4.0%に、通年で5.0%(07年1月26日)

38-6. POSCOの06年の利益は前年比20%減る(07年1月11日)

41-1.韓国銀行07年の成長率は5.0⇒4.5%に減速予想(07年1月5日)

40-10. 韓国、ウォン高是正に外貨預金の準備率引き上げ(06年12月8日)

40-9. 韓国の06年11月の輸出は300億ドル突破の新記録(06年12月1日)

40-8 .韓国の上場企業の06年3Qの純益は前期比11.3%増(06年11月20日)

38-5. POSCO、11.3億ドル投じてベトナムに製鉄所建設(06年11月18日)

40-7 韓国の06年3Qの成長率は4.6%、輸出主導の成長(06年10月26日).

 ⇒06年3QのGDPは4.8%に上方修正(06年12月4日)

40-6. 韓国の06年上期の海外への直接投資は82%増加(06年8月1日)

40-5. 韓国の06年2Qの成長率は5.3%、輸出が支え(06年7月26日)

38-4.POSCOの06年2Qの純利益は7,100億ウォン、前年比-44%(06年7月17日)

34-2.LG Philips LDCは06年2Qは3,720億ウォンの営業赤字(06年7月17日)

40-4.06年4月の経常収支の赤字、通貨危機以来の水準(06年5月27日)

 ⇒ 06年5月の輸出は21%の伸び(06年6月3日)

38-3. POSCOの06年1Qの純利益は48%ダウン(06年4月13日)

35-3. 現代自動車に検察の手入れ(06年3月28日)

40-3.韓国、またも金利引き上げ4.0%に(06年2月9日)

40-2. 06年1月の韓国の輸出は4.3%と伸び率鈍化(06年2月3日)

35-2.現代自動車の2005年の純利益は2兆3,150億ウォンと32.7%増(06年1月26日)

40-1.韓国株暴落ー取引時間20分短縮、ライブドア・ショックが波及?(06年1月23日)

38-2.POSCOの05年4Qの純利益68%ダウン、通年では4.7%増(06年1月12日)

39.タイを除くASEAN9カ国とFTA締結、コメが障害に(05年12月9日)

36-6.⇒突如金利を0.25%上げ3.75%に(05年12月8日)

39.韓国議会、コメ自由化法案を可決(05年11月24日)


39.韓国議会、コメ自由化法案を可決(05年11月24日)

韓国議会は11月23日(水)に農民の強い反対を押し切り、コメの自由化法案を可決した。

現在韓国はコメの内需の4%を輸入枠とし、米国、中国、タイその他6カ国と輸入協定を結んでいるが、2014年までに輸入枠を倍増し、最終的には関税は残すもののコメの輸入自由化を事実上認める法案を可決した。賛成139票,反対61票、棄権23票であった。

コメの輸入自由化問題に抗議して最近、2名の農民が農薬を飲むなどして自殺している。

日本はコメ問題が障害になって、WTO交渉の場においても前向きの行動がまったくとれず、国際的に「日本は相手にならず」という評価が残念ながら出来上がってしまっている。

仕方がないので、FTAで活路を切り開こうとしているのであるが日本のコメ問題がここでもネックになってきわめて中途半端なFTA協定に終わっており、最後は「経済協力協定」であるなどといってお茶を濁している始末である。

日本はコメ問題の自由化にはっきりとたち向かうべきである。私は小泉政権の「構造改革」がニセモノではないかと思う根拠のひとつは、コメ問題について何の方向も出さないまま、国際的に孤立するという誤った選択をしているからである。

農業補助金の削減問題もどの程度本気で取り組んでいるのかがいまいちみえてこない。そのくせ都市の低所得層への課税負担増のアイデアだけは矢継ぎ早に出てくる。

都市住民にも問題があって、せめて「安くてうまいタイのジャスミン・ライスを食わせろ」などという要求も出さずに、郵政改革のかけ声にあっさりダマされてしまっている。

他の野党も立場は同じで、コメの自由化問題をはっきり議論している政党はないのでないだろうか?選挙で農民票がさほど獲得できるとも思えない社民党や共産党もコメ問題についてはきわめて態度があいまいである。

日本は本音かどうかは知る由もないが、先週、韓国の釜山で開かれたAPECの首脳会議でWTOを何とかまとめるという共同宣言を承認したばかりである。それには当然、農業問題について日本の大幅譲歩が期待されているはずである。

さあ、日本はどうするのかといわれたときにわが国政府はどういう答えを持っているのであろうか?韓国政府も同じような立場だが、盧武絃大統領は思い切って踏み切った。日本も自民党と民主党が共同歩調をとれば何でもやれるはずである。

コメや砂糖の問題についてハッキリした自由化方針を打ち出していかなければ、日本の国際社会における地位はきわめて危ういものになる。

そのために、農業の構造改革問題をこれから議論していくという空気すら感じられない。これが現代国家の政治であろうか?世界第2位の経済大国のとるべき政策であろうか?

コメ農業を残すというところは国民のコンセンサスは当然あるであろう。そこから先をどうするかは、韓国のように先に自由化方針を決めたほうが対策を考えやすいであろう。

 

39.タイを除くASEAN9カ国とFTA締結、コメ問題が障害に(05年12月9日)

韓国はASEAN10カ国との自由貿易(FTA)の枠組み協定をクアラルンプールで締結する予定であったが、代表が署名する当日(12月9日)になって、タイ1カ国のみが米の関税引き下げを拒否し続ける韓国との協定には調印できないとして、サインを拒否した。

やむなく韓国とタイを除くASEAN9カ国のみの協定締結となった。韓国とタイはさらに交渉を継続し数ヶ月後には協定を結び、ASEAN10カ国足並みをそろえたいとしている。

今回の協定のあらましは、①2009年1月1日までに、80%の貿易品目の関税を撤廃する。ただし、工業化の遅れているラオス、カンボジア、ベトナム、ビルマ(ミヤンマー)は2017年までに実行するとしている。2006年7月から順次実行していく。

②また、各国は40品目までは関税引き下げをおこなわなくて良い。ただし、この例外品目の合計が貿易全体の3%を超えてはならない。

韓国は、この例外品目に米を入れたいとしたが、タイは世界一の米輸出国の立場からこれに強く反発し、当日の協定には署名せず、交渉を2国間で継続することとした。

ベトナムも同じく米の輸出国(タイについで世界2位)であるが、韓国が工業製品の輸出で譲歩するという「取引が成立」して署名にこぎつけた。

日本とタイの2国間協定ではタイは日本への米輸出を原則的におこなわないことで譲歩したが、韓国とは「そうはいかない」という主張が貫き通せるのであろうか?

 

40. 2006年の韓国経済

40-1.韓国株暴落ー取引時間20分短縮、ライブドア・ショックが波及?(06年1月23日)

日本では週明けの1月23日に株式市場が大きく下げたが、韓国でも大幅安となり、新興企業株が多いコスダック(Kosdaq)市場では10%以上の下げとなり、自動的に取引が停止され、取引時間が20分中断・短縮されるという騒ぎとなった。

これはKosdaq市場が2001年10月に開設されて以来、初めての出来事である。朝方から、先週末のニューヨーク市場の下落と、原油価格の高騰で、IT関連株の売り注文が殺到したが、午後2時19分に先週末より10.18%安い597.6まで暴落し、自動的に取引停止となった。

20分後に取引が再開され、結局601.33で引けた。

一方、伝統的なKopsi市場では05年12月から、景気回復の期待感(輸出以外はさほどでもなかったが)から株価が急上昇していた。しかし、ここでも売り注文が殺到し、先週末より2%強安い1297.43まで下落した。

この数字は05年11月30日以来の安値である。特に、現代自動車は2.76%下落し、88,200ウォンにまで下がった。

心理的には原油の再高騰とニューヨークの最近の株安が影響しているが、東京市場のライブドア・ショックによる下落の影響も多少はあるかも知れない(そういうことを言っているのは今のところ筆者だけ!)。

しかし、よくよく観察して見ると、1月16日の週から株価全体が下げ基調になってきている。日本はそれにライブドア・ショックが加わったとみるべきであろう。韓国も1月17日には日本同様大きく下げている。

台湾が大きく下げたのは1日遅れて1月18日からである。1月23日の動きを見ると台湾も6381.93と先週末より-104.66の下げとなった。東南アジアは小動きである。中国もややプラスの1255.77(上海コンポジット、+0.45)であり、原油高という要因では説明できない。

今の段階であまり「悲観論」を述べるのは適当ではないかもしれないが、やはり、2006年の経済全体が「要注意」なのではなかろうか?米国経済、中国経済の動きに大きく左右されることは当然である。

 

表40-1、東アジア諸国の最近の株価指数の推移.

  日経   韓国Kopsi    台湾 上海コンポジット
05年11月30日  14872.15 1297.44    6203.47 1099.26
06年1月4日  16361.54 1402.11 6616.44 1180.96
   1月16日  16268.07 1421.79 6724.18 1202.87
   1月17日  15815.95 1389.58 6711.05 1208.44
   1月18日  15341.18 1352.91 6498.92 1233.35
   1月19日  15696.28 1360.64 6512.29 1251.58
   1月20日  15696.69 1324.78 6486.63 1255.31
   1月23日  15360.65 1297.43 6381.97 1255.77
   2月9日  16439.67 1321.66 6630.13 1269.45

 

40-2. 06年1月の韓国の輸出は4.3%と伸び率鈍化(06年2月3日)

韓国の06年1月の輸出は234.2億ドルにとどまり、前年同月比4.3%と2年半ぶりの低い水準にとどまった。その主な原因はこのところのウォン高にある。(2月2日現在、1ドル=972ウォン、1,000ウォン=122円の水準である。例えば05年10月3日では1ドル1047.7ウォン、1,000ウォン=109円であった)

一方、輸入は228.3億ドルと17.6%増加した。これは原油高騰の影響が大きい。貿易黒字は5.9億ドルにとどまった。05年1月は30.4億ドルの黒字であった。

先行き、中国と米国の景気動向が大きな問題である。これは韓国にとどまらず、アジア諸国全般の問題でもある。06年の経済は要注意であることは前にも述べたとおりである。

日本は、ゼロ金利により、異常な円安の「恩恵」を輸出産業は享受しているが、このこと自体異常なのである。これを「自律的回復」などと錯覚してはならない。いつまで続けられることではないであろう。

 

40-3.韓国、またも金利引き上げ4.0%に(06年2月9日)

韓国銀行は基準金利を0.25%引き上げ4.0%とした。05年10月と12月にも引き上げをおこなっており、この5ヶ月で3度目である。これは2003年5月以来の高い水準である。引き上げた理由は、インフレ対策だといっているが米国の金利引き上げに対応するものである。

これによって、韓国は特に日本円との格差がいっそう広がり、輸出に悪影響が出ることは間違いない。しかし、韓国銀行は06年の成長率は5%はいくであろうと強気の構えである。05年は4%程度の成長にとどまったものとい思われる。

上に見たように(#40-2)、今年に入って韓国の輸出はやや変調をきたしている。一方、輸入は原油高を別としても遠慮会釈なく増えている。鉄鋼も中国からの輸入が増え、POSCOもかなり手を焼いていると伝えられる。

このままで行けば、どこかで金利を含め為替相場対策も再検討を迫られることになりかねない。

 

最近の韓国の為替と株価の動き

  ウォン/米ドル 円/千ウォン 韓国株価指数
05年10月3日 1047.7 109 1221.0
   11月1日 1042.9 117 1189.0
   12月1日 1034.8 116 1309.6
06年1月3日 1003.9 117 1394.9
   1月31日 964.7 121 1399.8
   2月9日 972.7 122 1321.7
3月31日 971.7 121 1359.6
4月17日 955.6 124 1422.6
5月26日 945.3 118 1322.4

 

40-4.06年4月の経常収支の赤字、通貨危機以来の水準(06年5月27日)

韓国の06年4月の経常収支の赤字は15億ドルに達した。これは1997-8年の通貨・経済危機以来の最高の水準(1997年4月が16億ドルの赤字)である。

06年2月には4億2680万ドル、3月には7億8280万ドルの赤字であった。韓国銀行の担当官は外資に対する配当金の送金が大きかったための、一時的現象であり、5月以降は改善されるであろうとの見通しを述べている。

一方、06年4月の輸出は前年同月比12%増の256億ドル、輸入は13.7%増の242億ドルと輸入の増加が大きいものの貿易黒字を維持している。ただし、黒字幅は14億ドルと05年4月の23億ドルから大幅に縮小している。

輸入品の中で、最大の問題は原油で前年同月比38%増の42億ドルに達している。

韓国の輸出は上の表に見るようにウォン高の影響も大きい。特に日本円との差が大きいことに注目していただきたい。大体にいおいて最近は千ウォン=100円というのが長い間の「相場」と考えられてきた。

⇒ 06年5月の輸出は21%の伸び(06年6月3日)

韓国の06年5月の輸出はウォン高にもかかわらず、前年同月比21%増の280億ドルに達した。一方、輸入は23%増の261億ドルとなったが、貿易黒字は19.5億ドルと4月の14.6億ドルを上回った。経常収支の数字は発表されていないが赤字カラの脱却は容易でないとと思われる。

国民統計局によれば韓国のインフレ率は05月は石油価格の上昇にもかかわらず前年同月比2.4%にとどまっている。

 

40-5. 韓国の06年2Qの成長率は5.3%、輸出が支え(06年7月26日)

韓国の06年1Q(4-6月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で5.4%と、1Qの6.1%からみるとやや鈍化したとはいえ比較的好調をいじしているといえる。

これはウォン高にもかかわらず、輸出の好調(15.3%)に支えられ、それによって製造業が9.0%という高い伸びを示し、雇用も比較的安定していたことから個人消費も4.3%(1Q=4.8)と底堅い伸びを示したことによる。

ただし、固定資本形成は0.7%(1Q=3.9%)と伸びが鈍化している。その中でも建設投資は-4.0%(1Q=1.2%)と大きくマイナスになっている。機械設備投資は逆にプラス7.7%(1Q=6.9%)と高い伸びを示している。

国内投資は低調だが、海外への投資はきわめて活発で06年上期(1~6月)では前年同期比82%増となっている。

韓国全体の景況感はやや不況であると見てよい。ハイテク製品の輸出が経済を牽引しているが、06年2Qは三星やLGなどの業績がやや不振であり、特にLG電子は液晶パネルのマイナスに足をひっぱられ、赤字となっている。

携帯電話もノキアなどにおされ気味である。

輸出は自動車や電子機器類も下期にかけてやや厳しさが増すであろう。建設は国内は当分回復が見込めないが、海外の建設受注は好調である。

 

40-6. 韓国の06年上期の海外への直接投資は82%増加(06年8月1日)

韓国の海外への直接投資は71億ドルと前年同期の39億ドルに比べ82%の増加となった。投資の内容は製造業が最大の28.3億ドル(前年同期20.2億ドル)であるが、不動産投資も7.5億ドルと大きなウエイトを占めている。

建設業の海外での工事受注の増加を反映して、建設業の投資も6.7億ドルと前年同期比4.8倍と急増している。

また、最近の傾向として中小企業の海外投資が増えており、大企業の37.6億ドル(535)に対し、27.1億ドル(38.2%)とかなりのシェアを占めている。ひところは海外投資は大企業の独壇場であった。また個人の投資も6.2億ドルとかなりの金額を占めている。

地域別にみると、中国向け投資が20.1億ドルで前年比23%増で相変わらず最も多いが、シェアは42.3%から28.4%に減った。その分投資先が多様化してきている。

米国向け投資は11.3億ドルと前年の5.8億ドルに比べ倍増に近苦なっている。EU向けは5.94億ドルで前年同期の2.16億ドルの2.75倍と著増している。東南アジアではマレーシア向けが5.3億ドルと最も多い。前年のわずかに2千万ドルであった。

(http://www.koreaherald.co.kr/ 06年7月26日版参照)

 

40-7 韓国の06年3Qの成長率は4.8%、輸出主導の成長(06年10月26日).

⇒06年3QのGDPは4.8%に上方修正(06年12月4日)

韓国の06年3Q(7-9月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で4.8%と、1Qの6.1%、2Qの5.3%と少しずつ鈍化してきている。

これはウォン高にもかかわらず、輸出の好調(12.6%)に支えられ、それによって製造業が8.8%という高い伸びを示していることにより、景気の急速な悪化を食い止められているといえよう。

部門別には農業が台風などの影響で収穫減により-5.4%(2Q=-1.5%)と大きく落ち込んだ。

個人消費は4.0%(2Q=4.3)と底堅い伸びを示した。農業部門が落ち込まなければ、4%台の水準を維持できたであろう。

固定資本形成は3.8%(2Q=0.8%)とやや回復している。その中でも建設投資は-0.6%(2Q=-3.9%)と依然としてややマイナスであるが、機械設備はプラス9.9%(2Q=7.4%)と高い伸びを示した。

これは輸出向けのエレクトとニクス関連の投資が活発であることを意味している。三星は家電の投資にも再び意欲を示しているという。

2006年1~9月の成長率は5.4%であり、年間を通じて5%台の成長を達成するには4Qで4%の伸びが必要だが、昨今の北朝鮮の核実験騒動で消費者心理が急激に冷え込んできており、これから年末にかけて一段と景況は悪化すると見られている。

 

40-8 .韓国の上場企業の06年3Qの純益は前期比11.3%増(06年11月20日)

韓国証券取引所のまとめによると06年3Qの上場企業544社の純益の合計は11兆4600億ウォン(1兆4,440億円、1ウォン=0.126円))に達し、前期比(2Q)11.3%のプラスとなった。これは原油価格の値下がりと輸出市場の好調といった「外部要因」によるところが大きいと見られる。

また、06年1~9月の累計では33兆9900ウォンと前年同期比8.8%のプラスになった。

また、韓国の10大企業の61社の上場子会社の純利益は5兆2600億ウォンと前年同期比28.15%増となった。一方、非財閥系企業の純利益は6兆2500億ウォンと0.15%増にとどまった。

企業別に見ると明暗まちまちで、三星は半導体の好調で増益になったが、LGは液晶パネルなどの不振で赤字に転落した。現代自動車はストの影響で減益となった。

表40-8. 10大財閥グループの3Qの純益(単位1億ウォン、%)

  2005年3Q 2006年3Q 増減(%)
三星 21,327 24,990 17.17
現代自動車 8,977 4,805 -46.47
SK 11,205 10,102 -9.84
LG 5,907 -230  
ロッテ 3,201 3,934 22.92
GS 668 1,291 93.14
Hanjin 3,552 1,737 -51.09
現代重工 1,883 2,503 32.95
Hanhwa 1,560 2,162 38.60
Doosan 336 1,274 279.58
合計 58,616 52,569 -10.32

Korea Herald,06年11月19日、電子版より

 

40-9. 韓国の06年11月の輸出は300億ドル突破の新記録(06年12月1日)

韓国の通商・産業・エネルギー省のまとめによれば同国の06年11月の輸出は前年同月比19.8%増の309億ドルに達した。これは史上最高の数字である。10月は283億ドルであった。2006年通年の輸出は前年比14.8%増の3,260億ドルに達する見込みであるという。

11月に伸びの大きかった部門は前年同月比で造船が89.3%、チップが49.6%、液晶パネルが27.7%、鉄鋼が37.7%、自動車が17.4%増である。ただし、チップや液晶パネルなどは値下がりしていて輸出増が必ずしも個々の企業の業績向上にはつながっていないという。(上の40-8参照)

向け先別のシェアでは中国向けが19.9%、日本向けが14.5%、EU向けが15.1%である。

一方、11月の輸入は12.7%増加し、269億ドルに達し、40.7億ドルの貿易収支の黒字となった。

輸出の好調により韓国経済は成長を維持しており、2006年の成長率も5%達成の望みが出てきたという。

下の表で見るとおり、韓国通貨ウォンは年初から見ると対米ドルで8.1%、対日本円で6.8%も強くなっている。そのなかでの輸出増加はアッパレといってよい。ただし、今後の見通しについては必ずしも楽観は出来ないであろう。米国と中国の動向が鍵となろう。

輸出企業は確かに業績を伸ばしているが、国民の給与などの収入はいまいちパットせず、家計の苦しさは相変わらずだという。

韓国銀行がおこなった景気動向調査によれば06年12月の指数は88と11月の92に比べ大きく落ち込んでいるという。また、企業規模別の動向調査では大企業が11月の96から12月の88に、中小企業は90から84にそれぞれ下落している。

 

最近の韓国の為替と株価の動き

ウォン/米ドル 円/千ウォン 韓国株価指数
05年10月3日 1047.7 109 1221.0
   11月1日 1042.9 117 1189.0
   12月1日 1034.8 116 1309.6
06年1月3日 1003.9 117 1394.9
   1月31日 964.7 121 1399.8
   2月9日 972.7 122 1321.7
3月31日 971.7 121 1359.6
4月17日 955.6 124 1422.6
5月26日 945.3 118 1322.4
10月2日 947.9 125 1374.3
11月1日 939.4 125 1374.7
12月1日 928.6 125 1434.3
12月7日 913.95 126 1410.3
12月8日 920.20 126 1390.4

 

40-10. 韓国、ウォン高是正に外貨預金の準備率引き上げ(06年12月8日)

12月7日(木)に韓国銀行(中央銀行)は最近の急激なウォン高に対応するために各銀行に外貨預金にたいする準備率を積みますことを要求した。これは最近バブル気味に推移している住宅投資への貸し出し抑制効果を狙ったものだと見なされていいる。

これは現行の外貨預金に対する外貨準備率を5%としているが、06年12月23日以降7%にまで引き上げることを義務付けるものである。そのために各銀行は外貨を買い増す必要があるためである。

韓国銀行の理解では、韓国の民間銀行は今年の10ヶ月間に米ドルを中心に400億ドルの外貨を借り入れや社債の発行で集め、それを貸付に運用しているという。(1997年の通貨危機直前と類似の行動)

また、韓国の銀行は234億ドルの外貨預金を保有している。この2%すなわち4億6800万ドル相当のドルをこれから約2週間で買い戻して手元にリザーブしなければならないことになる。

上の表を見ていただくと分かるとおり、06年年初は1ドル=1003.9ウォンであったものが12月7日には913.95ウォンにまで9.8%もウォン高いなてしまった。韓国銀行の要請(指示)を受けて、12月8日から民間銀行はいっせいにドル買いに走ったものとみえ、ドルが急に上がった。

また、民間銀行はドル買いの資金を集めるために、融資を多少なりとも引き上げる必要も出てきた。これは引き締め効果があり、不動産バブル対策といても有効であるというのが韓国銀行の目論見であろう。

しかし、現在、韓国経済全体としては内需が下降気味であり、財務省としては景気対策としても金融緩和を期待しているフシがある。どちらを優先するかであるが韓国銀行はマイ・ペースを崩そうとはしていない。

たしかに、韓国の個別の事情とは別にドルが一方的にアジア通貨やユーロに対して軟化してきており、韓国銀行としても金利などはいじらずに、今回の措置で、しばらくは様子を見るほか仕方がない。

 

40-11.韓国の06年4Q成長率は4.0%に、通年で5.0%(07年1月26日)

韓国の06年4Q(10-12月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で4.0%と、1Qの6.1%、2Qの5.3%、3Qの4.8%と右下がりに鈍化してきている。

これはウォン高によって輸出がやや鈍化し(10.8%)、また民間消費も3.6と06年では最も低い伸びとなった。それに引きずられて製造業が8.8%(3Q)⇒5.7%と鈍化した。

部門別には農業が-1.8%と低調であり、電気・ガスの公益部門が0.5%と異常な低成長であった。

個人消費は3.6%(3Q=4.0)と徐々に鈍化してきている。

固定資本形成は4.5%(2Q=0.8%、3Q=3.8%)とやや回復している。その中でも建設投資は2.96%(2Q=-3.9%、3Q=-0.6%)と持ち直してきている。機械設備は5.8%(2Q=7.4%、3Q=9.9%)とまずまずの伸びを示した。

これは輸出向けのエレクトとニクス関連の投資が依然活発であることを意味している。

2006年の成長率は5.0%であり、05年の4%からみて回復したが、年後半から鈍化し始めた。その最大の要因はウォン高による輸出の鈍化傾向と、輸出企業の採算の悪化である。現代自動車はストによる減益もあった。

金利が5ヶ月連続で4.5%となっているが、ウォン高に歯止めをかけるには、金利を下げる必要があろう。すでに原油高は峠を越している。

2007年の成長率は4%前後に落ち込むことは避けられないという見方が一般的である。

 

表40-11 韓国の実質GDP((2000年価格)伸び率(前年同期比、%)

#41-2に移動

 

41.2007年の韓国経済

41-1.韓国銀行07年の成長率は5.0⇒4.5%に減速予想(07年1月5日)

韓国銀行(中央銀行)は2007年の経済史衛長見通しを4.5%(06年実績見込み5.0%)へと減速するであろうという厳しい見通しを発表した。

その理由として、原油価格が高止まりするであろうということと、通貨ウォンがドルや円に対してさらに強めに推移し、輸出が減速を余儀なくされる為と見ている。

個人消費の伸びは4.0%、設備投資の伸びは6.5%と見ている。

政府としては停滞している個人消費の伸びを増加させるような政策を採っていく方針であるという。

また、最近の傾向として日本円を借りて不動産投資をおこなう動きが出てきていることから、短期の外貨借り入れを規制する何らかの措置を検討したいとしている。

 

41-2.韓国の07年1Qの経済成長率は4.0%(07年6月5日)

韓国の07年1Q(1~3月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で4.0%と、06年4Qの4.0%と同じであった。

製造業が3.8%と06年4Qの5.7%に比べかなり鈍化している。輸出は11.0%とウォン高にもかかわらず大きく伸びているのに理由が良く分からない。

農業が4.0%と前Qの-2.0%に比べ大きく改善された。これは天候が比較的良かったためであろう。

サービス部門は4.1%と前Qと同じ伸び率であった。

民間消費は4.1%と064Qの3.7%に比べやや伸びが増加した。

固定資本形成は7.0%と前Qの4.5%よりもさらに回復している。その中でも建設投資は3.9%(前Q=3.2%)とやや持ち直してきている。一方、機械設備は10.8%(前Q=5.3%、06年平均7.6%)ときわめて好調である。

これは液晶パネル関係の大型投資などが寄与しているものと思われる。また、部品産業などの中小企業の投資意欲も強いことの表れである。

ウォン高にもかかわらず、輸出(含むサービス)が11.0%と比較的好調であった。輸出関連企業が実力をつけつつあることの表れであろう。韓国銀行は繊維や石油、化学製品の輸出が好調であるという説明をしている。

なお、株価は4月以降好調で最近は連日高値を更新している。景気回復の反映であろう。

 

41-3.韓国の07年2Qの成長率は4.9%に改善(07年7月26日)

韓国銀行は07年2Q(4~6月)の成長率(実質国内総生産)の速報値を発表した。それによると前年同期比で4.9%と、前Qの4.0%からやや改善された。

製造業が今Qの伸びの主役で5.9%と1Qの3.8%に比べかなり良くなっている。製造業の伸びを支えているのは輸出で10.7%とウォン高にもかかわらず大きく伸びている(前Qは11.0%)。石油化学製品、産業機械、船舶の輸出が好調であり、半導体関連は価格下落によりやや不振である。

農業が4.4%と前Qの4.00%をさらに上回る伸びを示した。

サービス部門は4.5%と前Qの4.1%Qをやや上回った。これは金融部門が好調でったためで、商業部門、ホテル・レストラン、通信部門はあまりパッとしないという。

民間消費は4.1%と前Qと同じ伸び率であり、底堅さを感じさせるが耐久消費財の伸びはやや鈍化している。

固定資本形成は6.8%と前Qの7.0%よりやや鈍化しているとはいえ好調を維持している。その中でも建設投資は3.2%(前Q=3.9%)とやや伸びが鈍っているが、機械設備は12.18%(前Q=10.8%、06年平均7.6%)ときわめて好調である。

なお、株価は4月以降好調で最近は連日高値を更新し、7月25日は2004.22と2000ポイントの大台を突破した

 

41-4.韓国、金利引き上げ5.0%に(07年8月9日)

韓国銀行は基準金利を0.25%引き上げ5.0%とすると発表した。これは韓国経済がやや過熱気味に推移しており、今後のインフレ傾向に歯止めをかける狙いがあるとされている。

韓国の輸出は07年7月は前年同月比約20%も上昇しており、住宅ローンも7月は6月比1兆7700億ウォン(≒2,280億円)も増加したという。また、7月の中小企業向け融資は3兆1000億ウォン増加した。

インフレ率は2.5%にとどまっているが、今後かなり高くなる可能性がある。それらの事情を斟酌すると今金利を引き上げておいて過熱に対する予防措置を講じておいて間違いないというのが中央銀行の判断であり、これは財務省も同じ意見だという。

何かにつけて韓国の反応は早く打つ手も的確なように思える。政策当局が経済の実態を良く把握しており、政治的決断が早い。

これは日本では全く出来ない。日銀や官庁のエコノミストの考え方が偏っており、硬直していることも影響している。ともかくネオ・リベラル一本槍などという国はいまや世界に例を見ない。

円安であれば輸出が好調に推移するからそれでいいのだということであれば、別に大学での役人を税金を使って飼っておく必要はない。

よその国は金利が高くてもやっているではないか?

円安による輸入物価の高止まりは消費を抑制しているし、預金金利で利息を得られないとなれば預金者は消費を抑制せざるを得ない。低金利=円安がベストの選択ではないのだ。内需を増やしていくという政策への舵取りが必要なことは言うまでもない。

消費が増えて初めて国内経済は活性化するし、地方経済も良くなる。高金利にすれば国債の金利負担が増えるなどというが、その分景気が良くなって税収がふえれば帳消しになる。いまのままではジリ貧である。

もちろん、気の利いた柔軟な政策選択などは安倍政権には期待すべくもないが。

 

41-5.韓国の07年3Qの成長率は5.2%とさらに改善(07年11月7日)

韓国銀行は07年3Q(7~9月)の成長率(実質国内総生産)の速報値を公表した。それによると前年同期比で5.2%と、前2Qの5.0%からやや改善された。

製造業が今Qの伸びの主役で6.5%と1Qの3.8%、2Qの5.9%に比べさらに改善され、経済を引っ張っている。

製造業の伸びを支えているのは輸出でウォン高にもかかわらずかなり数字を伸ばしている。3Qの輸出の伸びは前年9.2%で2Qの107%に比べやや鈍化したものの依然好調である。

鈍化したのは石油製品の輸出が落ちたためであり、エレクトロニクス関連は依然好調である。ただし、米国向けの輸出は減りつつあり、9月は若干のマイナスになったとみられる。サブプライム・ローンの影響で洗濯機の輸出など減っている。

建設部門が2Qの3.3%から3Qは0.8%にかなり鈍化している。これは民間の機械設備投資の伸びが2.0%と2Qの11.9%から急激に鈍化しているためである。設備投資の落ち込みは韓国経済の先行きに不安を投げかける。また、政府の建設バブル抑制策が効を奏しているためである。

サービス部門は5.5%と前Qの4.7%Qをやや上回った。金融や商業、交通、通信など満遍なく伸びている。デパートの売り上げも好調である。

民間消費は4.9%と前Qの4.2%を上回っている。これも従来控えめであった耐久消費財の消費も増えたためといわれている。

固定資本形成は1.8%と前Qの6.7%よりかなり鈍化した。その中でも機械設備は上述のように大幅に鈍化し、建設投資も前Qの3.2%から3Qは1.1%へとさらに鈍化している。

なお、株価は4月以降好調で最近は連日高値を更新し、7月25日は2004.22と2000ポイントの大台を突破した。その後8月21日には1736.2まで下げたが、徐々に盛り返し、11月6日は2054.2と高水準にある。

 

41-6.韓国の07/4QのGDPは5.5%の成長、通年で4.9%(08年1月26日)

韓国銀行は07年4Q(10~12月)の成長率(実質国内総生産)の速報値を公表した。それによると前年同期比で5.5%と、2Qの5.0%、3Qの5.2%と徐々に良くなってきている。盧武絃大統領が経済政策で批判を受けるいわれはなさそうである。2007年通年では4.9%とほぼ前年(5.0%)並みである。

日本でこんな数字がでたら「小泉改革は大成功。郵政民営化の効果を見たか。もう一度小泉ー竹中でやらせろ」などと大騒ぎになるところであった。

製造業が4Qの伸びの主役で9.3%であった。1Qの3.8%、2Qの5.9%、3Qの6.4%と改善され、経済を引っ張っている。

製造業の伸びを支えているのは輸出でウォン高にもかかわらずかなり数字を伸ばしている。4Qの輸出の伸びは前年比16.1%と3Qの9.2%から大きく改善された。実額ベースの輸出の伸びは7.3%で中国向けが好調であったという。

建設部門が4Qは0.3%と3Qの0.5%からさらに鈍化している。支出ベースで見ても(下表の下半分のところ)投資のうち建設が4Qは-0.5%となり、3Qの0.9%よりさらに悪化している。しかし、機械設備関係は4Qは5.7%と3Qの1.6%からみると良くなっている。

サービス部門は4.7%と前Qの5.6%Qをやや下回ったが悪い水準ではない。。

民間消費は4.9%と前Qの5.6%をやや下回ったがまずまずの水準である。

なお、株価は4月以降好調で7月25日は2004.22と2000ポイントの大台を突破した。その後8月21日には1736.2まで下げたが、徐々に盛り返し、11月6日は2054.2と最高水準に達した。しかし、その後下降に転じ、最近の世界的株価下落に伴い08年1月25日には1692.4となっている。

韓国の2007年の株価とウォン(右、対米ドル)推移

  1月2日   1435.3   926.15
  2月1日   1382.9 937.05
  3月1日   1417.3 941.75
  4月2日   1459.5 937.25
  5月2日   1553.3 930.00
  6月4日   1737.6 927.80
7月2日 1771.4 921.20
7月25日 2004.2 916.25
8月21日 1736.2 945.40
10月2日 2014.1 915.50
11月6日 2054.2 907.00
11月23日 1772.9 930.30
12月12日 1927.5 926.20
12月30日 1897.1 932.35
1月25日 1692.4 947.40

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表41-1 韓国の実質GDP((2000年価格)伸び率(前年同期比、%)

2005  2006 2007 06/3Q 06/4Q 07/1Q 07/2Q 07/3Q 07/4Q
国内総生産・実質 4.2 5.0 4.9 4.8 4.0 4.0 5.0 5.2 5.5
農林水産業 0.7 -2.6  0.6  -4.7 -2.0 4.0 4.3 2.0 -2.1
製造業 7.1 8.4 6.4 9.0 5.7 3.8 5.9 6.4 9.3
電気・ガス・水道 7.8 3.5 3.8 5.4 0.5 2.4 2.8 3.5 7.0
建設 -0.1 -0.1 1.8 1.4 2.6 4.1 3.3 0.5 0.3
サービス 3.4 4.1 4.8 3.9 4.1 4.1 4.7 5.6 4.9
民間消費 3.6 4.2 4.4 4.0 3.7 4.1 4.2 4.7 4.7
政府消費 6.0 5.8 5.1 5.8 6.8 5.6 5.9 3.9 5.2
総固定資本形成 2.4 3.2 4.1 4.6 4.5 7.0 6.7 1.4 2.0
 建設 -0.2 -0.4 1.6 -0.1 3.2 3.9 3.2 0.9 -0.5
 機械設備 5.7 7.6 7.5 11.1 5.3 10.8 11.9 1.6 5.7
輸出 8.5 12.4 11.8 12.4 10.5 11.0 10.7 9.2 16.1
輸入 7.3 11.3 11.8 11.3 10.1 11.7 12.3 6.5 16.4

Data; http://www.bok.or.kr/ 下欄は国内総支出伸び率

注;07年10月25日発表数値に置き換えました。

 

42.韓ー米のFTAついにまとまらず?(07年3月15日)

第8回の米国と韓国のFTA交渉がおこなわれていたが、3月12日(月)マレーシアでの交渉で双方のギャップが埋まらず、米国が定めていた3月末のデッド・エンドに間に合わないことが確実になった。

3月末にまとめないと、ブッシュ大統領が与えれれている貿易促進特権を行使する期限が6月末で切れてしまうため、議会への説明などの時間が足りなくなる。

米ー韓の交渉は17カテゴリーでおこなわれ、8項目ではほぼ合意を見たものの残りは「知的所有権」や「工業品目関税」を含め合意に至らなかった。

特に問題となったのは農産品と自動車で韓国は食品には平均で52%の関税をかけており、全体の平均関税率11.2%を大きく上回っている。米国は食品の関税の平均は12%で、全体の関税の平均は3.7%と韓国より大分低い。

米国の代表は食品についての交渉が妥協点に到達すれば、事態は大きく前進するとして今週一杯ソウルにとどまり、韓国側に譲歩を迫る考えであるという。

韓国の農民が強くこだわるのは日本と同様コメであり、コメを協定から外すよう農民から強い圧力がかかっている。しかし、これは米国は飲めない。

また、自動車についても韓国の圧倒的な輸出超過であり、韓国の対米輸出は部品も含めると108億ドルであるのに対し、米国からの輸入は7.5億ドルにとどまっている。

盧武絃大統領は米国とのFTAが締結できればサービス分野への経済構造を転換していくチャンスと見ている。また、次はカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、EUともやれるということで前向きであるが議会ではバラバラである。

最大野党のGNP(Grand NationalParty)はFTA推進派であるが与党のウリ党は米国が韓国に譲歩するなら賛成という立場をとっている。現在297議席中GNPが127議席、ウリ党が109議席をいじしており、両党がまとまれが議会の承認はえれれるが、そうはなりそうもない。

ウリ党の分派は23議席を持っているが彼等はFTAに反対の立場を鮮明にしている。そのほかの小政党もほぼ反対である。ウリ党もうっかり農産品問題で米国に譲歩するような姿勢をみせれば次の選挙で大敗北を喫する可能性をがある。

やはり、WTOの場でドーハ・ラウンドに現実的な修正を施してまとめるしかないであろう。2国間で際限もなく細かい議論をすること自体非生産的である。

⇒米国はコメをあきらめ牛肉の自由化でFTAをまとめる(07年4月2日)

07年3月31日の締め切り期限を過ぎて徹夜の交渉の結果、米国はコメは外す代わりに牛肉は自由化しろということで決着をつけたという。米韓両国と大統領が何とかまとめたいという強い意向があり、形を作ったということのようだ。

両国とも今後議会からもさまざまな議論が出てくると思う。

韓国の盧武絃大統領はこれでかなり人気を回復したという。米国がコメで譲歩したというのも驚きである。これによって韓国はオーストラリアなどとの交渉もやりやすくなるであろう。

 

43.韓国とEUのFTA交渉始まる(07年5月12日)

韓国と米国のFTA交渉は米国がコメ輸出をあきらめる代わりに、牛肉の輸入の全面開放を韓国に認めさせるという、米国としては異例の形で何とかまとめた。

韓国はそれに勢いを得て、EUとの自由貿易協定の交渉を5月7日(月)から開始した。

第1回の交渉は基本問題の意見の交換に終わり、環境と労働についてそれを貿易制限の条件にしないということで合意を見たという。これはEUが韓国を先進国として認識しているということであろう。韓国はOECDメンバー国なので当然であるといえよう。

次回は7月、3回目は9月に交渉がおこなわれ1年以内に交渉を妥結させたいということで合意を見た。

EUはASEANともFTA交渉をおこなう予定である。

 

44、日本.円の急騰のカゲで韓国ウォンは暴落(08年3月18日)

アメリカ経済がサブ・プライム・ローンのコゲ付きで、金融恐慌にも似た大騒ぎが起こっている。日本の金融機関も多少のトバッチリを受けて金融株も必要以上に下げているが、これはたいしたことがないので早晩収まるであろう。

しかし、アメリカ経済そのものは、可なりの重症である。ブッシュ政権8年の間に、貿易赤字をドンドン膨らませ、国内では長年住宅建設ブームが続いていたのである。住宅を作れば家具も要るし、電気製品も必要である。アメリカは好き放題輸入を拡大してきたのである。

その恩恵を最大限に享受してきたのは中国である。もちろん中国に進出していた日本、台湾、韓国などの企業もその最大の受益者であった。

ここに来て、今までで安かった円が、急騰をはじめ、1ドル=96円まで来てしまった。1ドル=115円ぐらいで「安定する」などというご託宣は一体どうなってしまったのであろうか?過去の円安の根本原因は日本の限りなくゼロに近い低金利政策のセイである。

このために、日本国民は利子収入が得られず、安い食料や衣類ぐらういしか買えず、国内需要が長年抑制されてきた。誰がこんな政策を考えたか?これは自民党政府、銀行資本、大蔵官僚、日銀および一部の迎合的なネオリベラルの経済学者である。

それはさておき、韓国では金利は3%台が維持されており、引き下げられてもいないのに通貨のウォンが急落しているのである。1ドル=940ウォン前後で安定していたと思っていたら、瞬く間に1ドル=1,023ウォンになってしまった。

数年前には韓国の空港の両替で1万円出すと10万ウォンもらえて、急にリッチになった(?)ような錯覚に陥いったものだが、最近は1万円出して7万5千ウォンぐらいしかもらえなくなった。

ああ日本も落ちぶれたものだと内心穏やかではなかったが、なんと3月17日の交換レートでは1万円で10万6千ウォンに戻ってしまった。実際韓国の空港でもらえる円は手数料を引かれるから、下の表よりは若干悪くなる

それにしても韓国経済は05年~07年とウォン高の中で良く頑張ったものである。円高だから大変だなどといって日本の経済人が右往左往するのはあまり良い格好ではない。ジェスチャーであればなお見苦しい。ヨーロッパ人などは大して騒いでいない。

円安のときは日本経済がダメだkら円安だなどといわれていたが、今度は韓国経済がダメで日本経済が急に良くなってきたのか?いずれにせよこれは短期的な行き過ぎ(オーバー・シュート)である。テレビのいい加減なコメンテーターに幻惑されないようにしましょう。

 

韓国の最近の株価と為替;1ドル(中)と100円(右)=₩

05年1月20日   909.4   1033.2  1000
06年9月29日 1371.4 946.25 800
 07年1月24日   1383.1   936.05 769
  3月1日   1417.3 941.75 800
  6月4日   1737.6 927.80 763
7月2日 1771.4 921.20 752
7月25日 2004.2 916.25 763
8月21日 1736.2 945.40 826
10月2日 2014.1 915.50 787
11月23日 1772.9 930.30 862
08年1月25日 1692.4 947.40 877
2月22日 1686.5 949.80 775
3月10日 1625.2 967.50 943
3月14日 1600.3 995.40 990
3月17日 1574.4 1023.50 1064

 

 

 

 

 

 

 

 

 

45.2008年の韓国経済

45-1.韓国の08年1Qの成長率は5.7%と好調だが不況感強まる(08年4月25日)

韓国銀行は08年1Q(1~3月)の成長率(実質国内総生産)の速報値を公表した。それによると前年同期比で5.7%と、07年2Qの4.9%、3Qの5.1%、4Qの5.7%と徐々に良くなってきている。

2007年通年では5.0%とほぼ06年(5.1%)並みである。それを上回る伸びを示しているのだからマズマズであるがまずい数字が出てきている。それは設備投資が落ち込んできていることである。輸出は相変らず好調で、それにつれて製造業も9%大の伸びを示しているが、先行き輸出に不安があるという。

製造業が1Qの伸びの主役で9.1%であり、経済を引っ張っている。

製造業の伸びを支えているのは輸出でウォン高にもかかわらずかなり数字を伸ばしている。07年4Qの輸出の伸びは前年比17.9%ときわめて好調であったが08年1Qも12.1% と立派な伸び率である。輸入の伸びが08年4Qの16.9%から9.5%に鈍化した。これはGDPにはプラスに作用した。

建設部門が07年4Qは1.4%から08年1Qには0.9%とさらに悪化した。電気・ガスなどの公益部門が好調(+8.0%)の理由は良くわからない。

支出では民間消費は3.5%と前Qの4.6%をやや下回った。雇用の悪化の反映であろう。

固定資本形成(設備投資)は07年後半から悪化している。はじめは建設が悪く、機械設備の投資はまずまずだったが最近は両方とも悪くなった。これは韓国企業が海外の投資に熱心だが、国内にあまり投資しなくなったことも影響している。

表45-1 韓国の実質GDP((2000年価格)伸び率(前年同期比、%)

2005  2006 2007 07/1Q 07/2Q 07/3Q 07/4Q 08/1Q
国内総生産・実質 4.2 5.1 5.0 4.0 4.9 5.1 5.7 5.7
農林水産業 0.7 -1.5  1.1  5.8 1.1 3.5 -0.7 1.8
製造業 7.1 8.5 6.5 3.8 6.1 6.3 9.5 9.1
電気・ガス・水道 7.8 3.4 4.0 2.3 1.6 5.7 7.0 8.0
建設 -0.1 0.3 1.8 3.9 2.7 0.1 1.4 0.9
サービス 3.4 4.2 4.8 4.1 4.7 5.5 4.8 4.1
民間消費 3.6 4.5 4.5 4.1 4.4 4.8 4.6 3.5
政府消費 6.0 6.2 5.8 6.3 6.9 4.5 5.6 3.8
総固定資本形成 2.4 3.6 4.0 7.2 5.5 1.3 2.9 0.9
 建設 -0.2 -0.1 1.2 3.7 1.6 -0.1 0.4 -0.7
 機械設備 5.7 7.8 7.6 10.9 11.0 2.3 6.5 1.7
輸出 8.5 11.8 12.1 11.0 10.8 9.3 17.9 12.1
輸入 7.3 11.3 11.9 11.4 12.1 6.9 16.9 9.5

Data; http://www.bok.or.kr/ 下欄は国内総支出伸び率

注;08年4月25日発表数値に置き換えました(05年の数値は除く)。


45-2.韓国の08年2Qの成長率は4.8%に低下(08年7月25日)

韓国銀行は08年2Q(4~6月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で4.8%と、08年1Qの5.8%にくらべ1%低下した。

製造業が1Q(9.3%)に続き伸びの主役で8.5%であった。

製造業の伸びを支えているのは輸出で2Qは12.2%(1Q=11.8%)と高い伸びをしめした。これはエレクトロニクス、船舶、機械などの主力品が以前好調だったためである。

建設部門が08年2Qは-1.4%と1Qの04%からさらに悪化した。電気・ガスなどの公益部門が1Qの好調(+8.0%)から一転して1.6%とスロー・ダウンした。

支出ベースでは民間消費は2.7%と前Qの3.4%からさらに悪化した。

固定資本形成(設備投資)は1Qの0.5%に続き2Q=0.4%と不振が続いている。機械設備の投資は1Q=-1.1%、2Q=-0.8%と不振である。これは韓国企業が国内よりも海外での投資に注力しているためと考えられる。

表45-2 韓国の実質GDP((2000年価格)伸び率(前年同期比、%)

2005  2006 2007 07/2Q 07/3Q 07/4Q 08/1Q  08/2Q
GDP 4.2 5.1 5.0 4.9 5.1 5.7 5.8 5.0 
農林水 0.7 -1.5  1.1  1.1 3.5 -0.7 2.0 4.5 
製造業 7.1 8.5 6.5 6.1 6.3 9.5 9.3 8.5 
電ガ水 7.8 3.4 4.0 1.6 5.7 7.0 8.0 1.6 
建設 -0.1 0.3 1.8 2.7 0.1 1.4 0.4 -1.4 
サービス 3.4 4.2 4.8 4.7 5.5 4.8 4.1 3.3 
民間消費 3.6 4.5 4.5 4.4 4.8 4.6 3.4 2.4 
政府消費 6.0 6.2 5.8 6.9 4.5 5.6 3.9 4.0 
総固定資本形成 2.4 3.6 4.0 5.5 1.3 2.9 0.5 0.4 
 建設 -0.2 -0.1 1.2 1.6 -0.1 0.4 -1.1 -0.8 
 機械 5.7 7.8 7.6 11.0 2.3 6.5 1.4 0.8 
輸出 8.5 11.8 12.1 10.8 9.3 17.9 12.0 11.8 
輸入 7.3 11.3 11.9 12.1 6.9 16.9 9.0 8.1 

Data; http://www.bok.or.kr/ 下欄は国内総支出伸び率


45-3.韓国金利引き上げ5.0%⇒5.25%へ(08年8月7日)

韓国銀行は8月7日(木)に基準金利を5.0%から5.25%に引き上げた。これは2000年以降最高の水準である。

狙いはインフレ対策であり、中央銀行としては景気対策よりもインフレ抑制に重きを置いている。また、これによって多少ともウォン高になればエネルギーや鉄鋼原材料などの輸入価格が割安になる効果も狙ったものと見られる。

韓国銀行としては年末にかけてもう一段の金利引き上げも考えているという。

韓国のインフレ率は7月は前年同月比5.9%であり許容範囲を超えているという判断が働いたものと思われる。

韓国銀行が懸念しているのは最近のウォン安傾向であり、為替介入の結果7月はドル準備が105.8億ドル減り、7月末j外貨準備は2475億2000万ドルになった。


45-4.韓国政府が銀行に資金投入、ウォン安、株安目立つ(08年10月3日)

韓国の銀行はもともと資金力が弱く、外国からの借り入れに多くを依存し、それが一因になった10年前に通貨・経済危機に見舞われたとも言われている。

その後10年間韓国は高い経済成長を続け、かつての「問題点」は大幅に改善されてきたことは間違いない事実であるが、最近になって外国の金融機関がウォンを売って韓国から資金を引き上げるという事態が目立ってきている。

それを反映して、最近韓国株が売られ、ウォンも売られる動きが目立っている。今年に入って8月の20日ごろまでは100円=940ウォンだったものが、10月2日には1,162ウォンである。

日本からの旅行者にとっては誠に好都合であるが、大量の機械・部品などを日本から輸入している韓国ぬ企業家にとっては大打撃である。

米ドルに対してもウォン安となっており、原油価格の高騰にも追い討ちがかけられる形になる。

韓国政府はこのままでは国内銀行の資金が不足し、中小企業などへの貸し渋りに繋がるとして最近50億ドルの資金を供給することを決めたという(08年10月3日WSJ).。

この先どうなるかはわからないが、半導体の価格下落や自動車の不振や造船業の中国の追い上げなどあまり明るいニュースはない。これは台湾でも似たような動きにある。台湾は馬英九政権に代ってから経済が悪化したとして非難されている。
 

韓国の最近の株価と為替;1ドル(中)と100円(右)=₩

05年1月20日   909.4   1033.2  1000
06年9月29日 1371.4 946.25 800
 07年1月24日   1383.1   936.05 769
10月2日 2014.1 915.50 787
08年1月25日 1692.4 947.40 877
5月23日 1827.9 1047.80 1,010
6月18日 1774.1 1030.50 943
7月1日 1666.5 1051.12 1,000
7月9日 1519.4 999.10 935
8月26日 1490.3 1090.0 990
9月16日 1387.8 1159.50 1,098
9月25日 1501.6 1155.50 1,087
10月2日 1419.7 1222.85 1,163

 

 

 

 

 

 

 

 

 


45-5.韓国の08年3Qの成長率は3.9%に減速、株・通貨とも下落(08年10月26日)


韓国銀行は08年3Q(7~9月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で3.9%と、08年1Qの5.8%、2Qの4.8%にくらべさらに1%低下した。

製造業が1Q=9.3%、2Q=8.5%に比べ3Q=6.4%と鈍化傾向にある

輸出が2Q=12.5%の伸びだったのに対し、3Q=8.1%と鈍化したことが直接響いている。

建設部門が08年2Qは-1.4%に引き続き3Q=-0.3%とマイナス成長である。電気・ガスなどの公益部門が2Q=1.6%から3Q=5.6%とやや回復した。

支出ベースでは民間消費は2Q=2.3%から3Q=1.1%と低迷している。

固定資本形成(設備投資)は2Q=0.1%にくらべ3Q=1.8%とやや持ち直した。機械設備の投資が2Q=0.7%から3Q=4.9%へと上向いている。

しかし、これからの世界的な経済不振を考えると輸出依存度の高い韓国経済はいっそうの困難が予想される。2009年の成長率は2.2%程度まで落ち込むという見通しも出ている(Moody)

表45-5 韓国の実質GDP((2000年価格)伸び率(前年同期比、%)

2005  2006 2007 07/3Q 07/4Q 08/1Q  08/2Q 08/3Q
GDP 4.2 5.1 5.0 5.1 5.7 5.8 4.8  3.8
農林水 0.7 -1.5  1.1  3.5 -0.7 2.0 4.4 1.4
製造業 7.1 8.5 6.5 6.3 9.5 9.3 8.5  6.4
電ガ水 7.8 3.4 4.0 5.7 7.0 8.0 1.6  5.6
建設 -0.1 0.3 1.8 0.1 1.4 0.4 -1.4  -0.
サービス 3.4 4.2 4.8 5.5 4.8 4.1 3.3  2.1
民間消費 3.6 4.5 4.5 4.8 4.6 3.4 2.3  1.1
政府消費 6.0 6.2 5.8 4.5 5.6 3.9 4.0  4.4
総固定資本形成 2.4 3.6 4.0 1.3 2.9 0.5 0.1  1.4
 建設 -0.2 -0.1 1.2 -0.1 0.4 -1.1 -1.2  -1.3
 機械 5.7 7.8 7.6 2.3 6.5 1.4 0.7  4.7
輸出 8.5 11.8 12.1 9.3 17.9 12.0 12.5  9.4
輸入 7.3 11.3 11.9 6.9 16.9 9.0 8.6  9.0

Data; http://www.bok.or.kr/ (08年12月2日に発表の確報に置き換え)

最近の極端な韓国株の暴落と、通貨ウオンの下落が目立つ。1万円を空港で両替すると15万ウオン以上もらえるなどという話しはにわかには信じがたい。1年前は1万円で8万ウオン位しかもらえなかったのだから。いずれにせよ、今の韓国の状態はおかしい。

韓国政府は銀行の保護に当面最大の努力を傾注しており、最近1,300億ドルの救済資金を用意したと発表した。また国民や企業に対し、手持ちの外貨をウオンに交換するように呼びかけている。

韓国の最近の株価と為替;1ドル(中)と100円(右)=₩

05年1月20日   909.4   1033.2  1000
06年9月29日 1371.4 946.25 800
 07年1月24日   1383.1   936.05 769
10月2日 2014.1 915.50 787
08年1月25日 1692.4 947.40 877
7月9日 1519.4 999.10 935
8月26日 1490.3 1090.0 990
9月25日 1501.6 1155.50 1,087
10月2日 1419.7 1222.85 1,163
10月15日 1367.7 1195.70 1,163
10月20日 1207.6 1320.50 1,299
10月23日 1049.1 1407.90 1,449
10月24日 938.8 1457.03 1,587

 

 

 

 

 

 

 

 

 


45-6.韓国11兆ウォンの財政支出増などで09年は4%成長を目指す(08年11月3日)


韓国政府は急激に悪化しつつある経済状態を立て直すために、総額33兆ウォン(うち財政支出11兆ウォン)の総合景気対策を打ち出し、2009年は4%の経済成長と20万人の雇用創出を目指すこととした。

今回の目玉は
①財政支出11兆ウォン(≒8,250億円)でインフラ投資、中小企業と農民への援助。
②減税3兆ウォンの上積み(すでに19兆ウォンの減税は約束済み)。

韓国政府の問題意識は、現状の韓国経済の問題点は①建設(不動産投資部門)と金融部門の傷みが激しいとして、この2部門の対策を緊急におこなう必要があるとしている。

①建設については8兆ウォンの追加投資をおこない、さらに規制緩和により古いアパートの建て替えなどを促進する。また、建設業への融資を促進する。

②金融部門については米国との間ですでに300億ドルの緊急時融資協定を結ぶなどして突発的な事態に備えている。外貨協力協定をさらに複数国と結ぶ。

また、韓国銀行の基準金利は5%で据え置かれてきたが、先週0.75%カットされ4.25%となった。ウォンのレートには影響が見られなかった。

これらに加え、環境規制の緩和や労働者保護政策を見直すことも検討するというような物騒なことを考えているようである。もし、そういうことをやれば一騒動持ち上がることは間違いなく、全体の政策効果が薄れることは間違いない。

45-7.韓国の08年4Qの成長率は-3.4%に落ち込む、通年では2.5%(09年1月25日)

韓国銀行は08年4Q(10~12月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で-3.4%と、08年1Qの5.8%、2Qの4.8%、3Qの3.9%から一気にマイナス成長となったと発表した。08年通年では2.5%とITバブルのはじけた2003年の3.1%を下回った。通貨・経済危機の1998年は-6.9%であった。

農業は4.3%とまずまずの成長であったが、製造業が-9.2と極度の落ち込みとなった。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が-7.2%(商品輸出は-11.5%)と大きくマイナスになったためである。これは半導体関連のみならず、自動車、電気製品など広範囲にわたって輸出が10月頃から急激に減り始めたことによる。

建設部門も-4.7%とマイナス成長である。

支出ベースでは民間消費が不況を反映して-4.4%となった。

固定資本形成(設備投資)も同様に-8.4%となった。特に、機械設備の投資が-14.0%と急減した。

米国や中国向けの輸出依存度の高い韓国経済は当分苦しい状況が続く。


45-8.韓国の09年1Qは-4.3%成長、下げ止まり感あり?(09年4月24日)

韓国銀行の発表によると09年1Q(1~3月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で-4.3%と11年ぶりの大きなマイナスを記録した。08年1Qの5.5%、2Qの4.3%、3Qの3.1%から4Qは-3.4%と一気にマイナス成長となった。

09年1Qはさらに下げ幅が拡大したことになるが、08/4Qに比べれば+0.1%となったという。つまり、下落には歯止めがかかったという見方である。そのことを韓国銀行はやけに強調している。1998年は-6.9%であったが、今回はこれほどひどくならないであろうという見方である。

過去のGDPの数値が今回大幅に改正されているのでご注意ください

農業は1.2%と低成長ながらプラスであった。08年の農業は+5.5%と高成長であった。日本では到底考えられない数字である。

製造業が08/4Qの-9.1%よりもさらに悪化し09/1Qは-13.5%と極度の落ち込みとなった。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が-10.5%(商品輸出は-14.5%)と大きくマイナスになったためである。これは半導体関連のみならず、自動車、電気製品など広範囲にわたって輸出が10月頃から急激に減り始めたことによる。

なぜか、電気・ガス・水道の「公益部門」が+8.2%と高成長になっている。理由は良く分からない。

建設部門は0.6%とかろうじてプラスになった。これは公共投資がプラスになったためであろう。

政府消費は+7.2%と民間消費の-4.4%をカバーしているが、消費全体では-2.0%である。

固定資本形成(設備投資)は-7.5%となった。特に、機械設備の投資が-22.1%と急減した。

輸出は-10.5%と前のQの-6.9%よりも悪化した。米国や中国向けの輸出依存度の高い韓国経済は当分苦しい状況が続く。

表45-5 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2006 2007 2008 08/1Q  08/2Q 08/3Q 08/4Q 09/1Q
GDP 5.1 5.1 2.2 5.5 4.3  3.1 -3.4 -4.3
農林水 -1.5  4.0 5.5 7.4 4.4 4.2 6.4 1.2
製造業 8.5 7.2 3.1 9.1 8.4  5.6 -9.1 -13.5
電ガ水 3.4 3.8 5.1 8.3 3.9  6.2 1.4 8.2
建設 0.3 2.6 -2.4 0.8 -1.5  -1.0.
-6.3 0.6
サービス 4.2 5.1 2.5 4.4 3.3  2.6 -0.1 -0.5
民間消費 4.5 5.1 0.9 4.0 2.3  1.4 -3.7 -4.4
政府消費 6.2 5.4 4.2 3.6 4.0  4.5
4.7 7.2
総固定資本形成 3.6 4.2 -1.7 -0.5 0.6 1.8
-7.3 -7.5
 建設 -0.1 1.4 -2.1 -1.9 -0.3  0.2
-5.6 1.7
 機械 7.8 9.3 -2.0 1.5 1.1  4.3 -14.0 -22.1
輸出 11.8 12.6 5.7 11.0 11.5  9.3
-6.9 -10.5
輸入 11.3 11.7
3.7 9.7
8.9  9.0
-11.2 -18.4

Data; http://www.bok.or.kr/ (09年4月24日に発表された速報値)


45-9.韓国の09年2Qの成長率は-2.5%と改善、輸出があっや回復(09年7月24日)

韓国銀行の発表(速報値)によると09年2Q(4~6月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で-2.5%と1Qの-4.2%にくらべかなり改善されてきた。

製造業が09/1Qの-13.1%に比べ2Qは-7.9%と改善された。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が-10.6%(商品輸出は-14.1%)から2Qは-3.6%(商品輸出は-4.3%)と大きく改善されてきているためである。

電気・ガス・水道の「公益部門」が+8.2%とから2Q=4.1%とプラスながらも伸びは鈍化した。

建設部門は0.3%から、2Q=1.3%とやや改善された。

2Qの政府消費は+7.0%と民間消費の-1.1%をカバーし消費全体ではプラス0.7%となった。韓国政府は国内需要対策として09年上期に65%の予算を執行する(おそらく投資だけであろうが)としているようである。それが建設部門のプラスに寄与していると見られる

固定資本形成(設備投資)は-4.0%と1Q=-8.1%よりやや改善されたものの、機械設備の投資が-17.2%(1Q=23.5)と落ち込んだままの状態が続いている。

輸出は-3.6%と1Qの-10.6%に比べ大幅に改善してきている。

7月24日に日経新聞の夕刊(東京版)には「韓国2.3%成長に」という大きな見出しの記事がのっていた。これは09年1Qに対する2Qの伸びである。実働日数の違いもあり、こういう数字は実際たいした意味はない。どこの国でも「前年同期比」の数字で議論するのが普通である。

韓国銀行のプレス・リリースにも両方の数字を乗せた資料を配布している。

日経の記事を最後まで読んでみたが、「前年同期比」の数字は全く出てこない。因みWSJは両方書いてある。それは経済新聞としては当然であり、日経新聞の不誠実な記事は読者を幻惑させる。こういうイイカゲンな記事しか載せない日経新聞の能力と良識を疑う。

表45-9 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2007 2008 08/1Q  08/2Q 08/3Q 08/4Q 09/1Q 09/2Q
GDP 5.1 2.2 5.5 4.3  3.1 -3.4 -4.2 -2.5
農林水 4.0 5.5 7.4 4.4 4.2 6.4 1.5 -1.0
製造業 7.2 3.1 9.1 8.4  5.6 -9.1 -13.6 -7.9
電ガ水 3.8 5.1 8.3 3.9  6.2 1.4 8.1 4.3
建設 2.6 -2.4 0.8 -1.5  -1.0.
-6.3 0.4 1.3
サービス 5.1 2.5 4.4 3.3  2.6 -0.1 -0.5 0.3
民間消費 5.1 0.9 4.0 2.3  1.4 -3.7 -4.4 -1.1
政府消費 5.4 4.2 3.6 4.0  4.5
4.7 7.3 7.0
総固定資本形成 4.2 -1.7 -0.5 0.6 1.8
-7.3 -8.1 -4.0
 建設 1.4 -2.1 -1.9 -0.3  0.2
-5.6 1.6 2.4
 機械 9.3 -2.0 1.5 1.1  4.3 -14.0 -23.5 -17.2
輸出 12.6 5.7 11.0 11.5  9.3
-6.9 -10.6 -3.6
輸入 11.7
3.7 9.7
8.9  9.0
-11.2 -18.2 -13.7

Data; http://www.bok.or.kr/ (09年7月24日に発表された速報値)

45-10.韓国の09年3Qの成長率はプラス0.6%(09年10月27日)

韓国銀行の発表(速報値)によると09年3Q(7~9月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で+0.6%と2Qの-2.2%、1Qの-4.2%にくらべかなり改善されてきた。

製造業が+0.6%と09/1Qの-13.1%、Qは-7.9%から大きく改善されプラスに転じた。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が+0.9%と1Qの-10.6%、2Qの-3.9%にくらべプラスに転じたことが大きく響いている。

電気・ガス・水道の「公益部門」が+8.3%と2Q=4.0%とからさらに伸びた。こういう部門が高い伸びを示す理由が分からない。

建設部門は0.6%の伸びであり、2Q=2.2%に比べやや改鈍化した。

サービス部門は+0.8%と2Qの+0.4%に比べやや改善された。

(GDE=支出)

3Qの個人消費は+0.6%と2Q=-0.8%に鞍b、プラスに転じた。政府消費は+4.9%と2Q=+7.1%に比べ鈍化したものの景気下支え効果がでていることを物語っている。

固定資本形成(設備投資)は-1.4%と2Q=-2.7%、1Q=-8.1%よりやや改善されたものの、機械設備の投資が-8.7%と依然回復は見られない。建設関係は+2.5%と2Qの3.7%とともにプラスになっている。これは不動産投資がプラスになっている体と見られる。

輸出は+0.9%とプラスに転じたのが大きい。サムソンのエレクトロニクス部門の回復が寄与している。現代自動車も好調である。

10月26日のNHKの報道で「韓国2.9%成長、年率換算12%成長」というようなことをアナウンスしていた。これは前Q対比の数字であり、実際たいした意味はない。どこの国でも「前年同期比」の数字で議論するのが普通である。どうしてこういう数字しか報道しないのか理解に苦しむ。

韓国銀行のプレス・リリースにも両方の数字を乗せた資料を配布している。

2Qの時は日経に同じ注文をつけた。

表45-10 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2007 2008  08/2Q 08/3Q 08/4Q 09/1Q 09/2Q 09/3Q
GDP 5.1 2.2 4.3  3.1 -3.4 -4.2 -2.2 0.6
農林水 4.0 5.5 4.4 4.2 6.4 1.5 -1.2 2.9
製造業 7.2 3.1 8.4  5.6 -9.1 -13.6 -7.3 0.6
電ガ水 3.8 5.1 3.9  6.2 1.4 8.1 4.0 8.3
建設 2.6 -2.4 -1.5  -1.0.
-6.3 0.4 2.2 0.6
サービス 5.1 2.5 3.3  2.6 -0.1 -0.5 0.4 0.8
民間消費 5.1 0.9 2.3  1.4 -3.7 -4.4 -0.8 0.6
政府消費 5.4 4.2 4.0  4.5
4.7 7.3 7.1 4.9
総固定資本形成 4.2 -1.7 0.6 1.8
-7.3 -8.1 -2.7 -1.4
 建設 1.4 -2.1 -0.3  0.2
-5.6 1.6 3.7 2.5
 機械 9.3 -2.0 1.1  4.3 -14.0 -23.5 -15.9 -8.7
輸出 12.6 5.7 11.5  9.3
-6.9 -10.6 -3.9 0.9
輸入 11.7
3.7 8.9  9.0
-11.2 -18.2 -13.7 -8.7

Data; http://www.bok.or.kr/ (09年10月26日に発表された速報値)


45-11.クムホ・タイヤが給与遅配(09年12月30日)

日本で「激安タイヤ」で有名になったクムホ・タイヤが資金不足から09年12月分の従業員への給与支払いができず、2010年1月のはじめに支払うと発表し、同社の資金不足が明るみにで、12月29日のクムホ・タイヤの株価は12.7%下げ1株4,240ウォンで引けた。現在は1,000ウォン=78円

クムホ・グループの株価もいっせいに下げた。①アジアナ航空=-5.7%=3,915ウォン、②クムホ工業=-6.8%=9,790ウォン、③韓国クムホ石油化学=-13.2%=22,050ウォン(WSJ,電子版による)

クムホ・タイヤ09年12月末の資金不足は110億ウォン=8億6000万円といわれている。しかし、09年末の借り入れ返済額が2,300億ウォン、2010年1Qは1,567億ウォンといわれており苦しい状態が続く。

資金不足を招いた根本原因は2006年12月にクムホ・アシアナ連合は大宇エンエンジニアリング社の株式72.13%を6兆4260億ウォン(約5,000億円)で買収したことに始まる。しかし、その資金の大半は投資家を募ってまかなわれていたという。

クムホ・グル-プは外部の投資グループに対し、大宇エンジニアリングの株価が09年12月15日現在で31,500ウォンを下回ったら、39%の大宇株を買い戻すということを投資家グループに約束していた。ところが実際の株価は15,000ウォンを下回ってしまったという。

そのため、クムホ・アシアナ・グループとして4.2兆ウォン(約3,300億円)の資金が必要になるという。

この大宇の買収がクムホ・グループにとっては誤算であり、急遽株を売りにかかったが、それもうまくいっていない。

クムホ・タイヤは韓国では第2位のタイヤ・メーカーであり、従業員5500人で、工場の稼働率は93%でマズマズであったが、肝心の業績は09年1~9月は3,371億ウォンの赤字であった。

このような資金不足問題は多かれ少なかれ他の財閥にもあるのではないかという疑念がもたれているという。韓国経済は景気回復が進んでいるといわれるがまだ顔色は良くない。

(記事のソースはWSJとKorea Times のインターネット版を参照しました。)



46-1.韓国の09/4の成長率は6.0%(2010-2-24)

韓国銀行の発表(2010-1-26、速報値)によると09年4Q(10~12月)の成長率(実質国内総生産)の前年同期比で+6.0%と3Qの0.9%、2Qの-2.2%、1Qの-4.2%にくらべ大幅に改善されてきた。

製造業が+12.5%と3Qの1.6%と09/1Qの-13.1%、Qは-7.9%から大きく改善された。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が+9.3%と3Qの1.2%と1Qの-10.6%、2Qの-3.9%にくらべ大幅に伸びたためである。中国向けの輸出の伸びが大きかった。

(GDE=支出)

4Qの個人消費は+5.6%と極端に増加している。3Q=-0.8%であった。個人消費がこんなに伸びるとは信じがたい。韓国は依然失業率は高いはずである。

固定資本形成(設備投資)は+6.4%とプラスに転じた。特に機械設備の伸びが+12.9%と大きい。これは民間企業の設備投資が活発化してきていることを示している。

表46-1 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2007 2008 2009 08/4Q 09/1Q 09/2Q 09/3Q 09/4Q
GDP 5.1 2.2 0.2 -3.4 -4.2 -2.2 0.9 6.0
農林水 4.0 5.5 1.6 6.4 1.5 -1.2 3.1 2.8
製造業 7.2 3.1 -1.8 -9.1 -13.6 -7.3 1.6 12.5
電ガ水 3.8 5.1 5.7 1.4 8.1 4.0 8.7 1.4
建設 2.6 -2.4 1.9
-6.3 0.4 2.2 0.7 3.8
サービス 5.1 2.5 1.0 -0.1 -0.5 0.4 0.9 3.1
民間消費 5.1 0.9 0.2 -3.7 -4.4 -0.8 0.8 5.6
政府消費 5.4 4.2 4.9
4.7 7.3 7.1 5.0 0.9
総固定資本形成 4.2 -1.7 -0.9
-7.3 -8.1 -2.7 -0.8 6.4
 建設 1.4 -2.1 3.1 -5.6 1.6 3.7 2.7 3.9
 機械 9.3 -2.0 -8.9 -14.0 -23.5 -15.9 -7.9 12.9
輸出 12.6 5.7 -1.0
-6.9 -10.6 -3.9 1.2 9.3
輸入 11.7
3.7 -9.0
-11.2 -18.2 -13.7 -8.7 5.9

Data; http://www.bok.or.kr/ (2010年1月26日に発表された速報値)


46-2.韓国の2010年1Qの実質成長率は7.8%(2010-4-27)

韓国銀行の発表(2010-4-27、速報値)によると2010年1Q(1~3月)の成長率(実質国内総生産)は前年同期比で+7.8と09年4Qの6.0%、3Qの1.0%、2Qの-2.2%、1Qの-4.3%と09/4Qに引き続き大幅に改善された。

製造業が+20.0%と09/4Qの+13.0%に引き続き大幅回復となった。これは09/1Qの-13.6%、にタイフル反動増であるともいえる。

その最大の理由はいうまでもなく輸出が+16.1%と09/4Qの+9.8%に引き続き大幅伸びとなった。しかし、09/1Qの-10.6%に対する反動増とみることもできる。

(GDE=支出)

個人消費は6.2%と09/4Qの+5.8%と引き続き極端に増加している。これも09/1Qの-4.4の反動増である。

固定資本形成(設備投資)は+10.7%と09/4Qの+7.1%に引き続き高い伸びっとなった。特に機械設備の伸びが+28.8%(09/4Qは+13.3%)と大きい伸びを示した。これは民間企業の設備投資が活発化してきていることを示している。もちろんこれも09/1Q=-23.1%という極端な落ち込みからの反動という面がある。

2010年通年では5%前後の成長に落ち着くものと思われる。中国経済の過剰成長にどのような形で「修正局面」が現れるかが韓国経済にとって問題である。

表46-1 韓国の実質GDP((2005年価格)伸び率(前年同期比、%)

2008 2009 08/4Q 09/1Q 09/2Q 09/3Q 09/4Q 10/1Q
GDP 2.3 0.2 -3.3 -4.3 -2.2 1.0 6.0 7.8
農林水 5.6 1.6 6.5 1.5 -1.3 3.3 2.8 -1.3
製造業 2.9 -1.6 -9.4 -13.6 -7.2 1.7 13.0 20.0
電ガ水 6.2 4.9 2.7 6.1 4.0 7.5 1.4 5.2
建設 -2.5 1.9
-6.8 0.0 3.2 0.3 3.3 1.2
サービス 2.8 1.0 0.2 -0.4 0.3 0.9 3.0 4.3
民間消費 1.3 0.2 -3.6 -4.4 -1.0 0.7 5.8 6.2
政府消費 4.3 5.0
4.7 7.2 6.7 5.3 1.1 3.8
総固定資本形成 -1.9 -0.2
-8.7 -7.4 -2.3 0.4 7.1 10.7
 建設 -2.8 4.4 -7.7 2.8 5.1 4.4 5.0 1.9
 機械 -1.0 -9.1 -13.3 -23.1 -17.3 -7.0 13.3 28.8
輸出 6.6 -0.8 -6.1 -10.7 -3.4 1.0 9.8 16.1
輸入 4.4 -8.2
-11.8 -18.8 -13.3 -7.7 8.7 22.1

Data; http://www.bok.or.kr/ (2010年4月27日に発表された速報値)