今月のオススメ
夢路 行 (1)
さて、今月から始まるこのページ、イーエスブックス読者書店「リエカオサム堂」にて月替わりで紹介する
オススメ本について、何か語っちゃおう!というページです。
その時により、作品について熱く語っちゃったり、著者の方の最新作に萌えちゃったり、特定ジャンルで
好きなものを並べちゃったりするかも、ですが、許容範囲でしたらぶっ飛んじゃっててもお許しをv
ではでは、さっそく参りましょう!

今月のオススメは、夢路行のコミックスです。
書店の棚には手に入りやすそうなものから並べましたが、好きな作品、というとまた別でして。
だからといって、「じゃあどれが好きなの?」と訊かれても答えに窮すかも知れません。
みんな好きだし。
今回、このコラムを書くのに持っているコミックスを全部読み返そうと思ったのですが、どうにも通常の
コミックスサイズのが見つかりません。
多分、まとめて押し入れあたりに入っていて、今ちょっと押入が開けられないのでして。
だいたい月に10冊は増えてるんですよ、本。
正直言って、一度引っ越したいくらいです。片付け始めたら、夜寝るところが無くなっちゃうんですもん。
そのくらい、時間がかかるってことです。
まあ、言い訳はそのくらいにして。幸い、版型の大きな本はすぐに見つかりましたので、今回はそのあたりを
中心にコメントをつけてみたいと思います。

夢路行、ちょっとデビューが早すぎたかも知れない、と思うことがあります。
もう何年になるかな。私が初めて手に取ったコミックス(もちろん、1冊目の本ですよ)が14年ぐらい前かな?
SFな作品で、ちょっとマニアックだったかも知れない。
当時、「ぶ〜け」自体がそんなに読まれていたとは思えないし。
SFとかFTとかは私の好きなジャンルで、少女マンガらしい綺麗な線(この場合、描き込みすぎていない、と
いう意味だけど)も好みだったので、それ以来追いかけています。
あいにく貧乏なので雑誌を追いかけることは出来なくて作品集見かけたら買うって感じだったけど、昔から
新刊チェックはマメにしていたので(書店に張り出されてる新刊情報とかね)殆ど買い逃しはないでしょう。
シリーズとかも結構あって、その辺も好きな要素のひとつ。
全体に、ほのぼのした空気が漂っていて、読後感はとても良いです。

今回、初回ですので、まずはご挨拶代わりに東京三世社発行「オプショナル・ツアー 1」から紹介しますね。
この本は、彼女お得意の不思議話の短編集。
「月の小径」の兄弟もいいのですが、私としては「涸れ井戸」をオススメします。
祖父の葬式を抜け出して、庭の片隅にある涸れ井戸でに腰掛け語らう従兄弟二人。
ところが蓋が腐っていたのか、井戸の中に落っこちて、二人はそこで井戸の見てきたものを見る。
ペットが死んで泣いている子供、恋の形見に日本人形を落として(捨てて?)いく着物の少女、花占いする
女性……たくさんの願い事、ぐち、悪口、告白、八つ当たり。
たくさんの井戸、様々な時代、万華鏡のように移ろう光景。
彼らは二人で様々な幻を見るけれど、一番の幻はそんなものではなくて……。
二人の内の一人は、井戸の中で見た幻のように過去の人で、気がついて尚、普通に会話できてしまう人物
設定の妙、というかセンスというか、そんなものがほのぼのさせてくれるのかもしれません。

このコーナーは、実は週替わりでオススメ文を追加していく予定です。
それでは、書店のオススメラインナップもご覧下さいましね♪   →夢路行(2)を読む →夢路行(3)を読む
→[リエカオサム堂 オススメ棚を見に行く]
→[本の庭 に戻る]