ビニールおよびタイサビキについて 2005.12 |
淡路島の漁師さんがビニールでタイを釣っている情報や、買い物袋の切れ端でも魚が釣れるという話を聞きましたがすぐには信じられませんでした。ところがSEASSVの田中船長が向こうの漁師さんから頂いた現物を見せてくれました。その大きさや作り、材質などはカルチャーショックでした。でも海域が違いますので、すぐには真似が出来ませんでした。もう1つは橋本産業のチョクリ仕掛け。これは短い太いハリスに荷造り用のビニールをサビキ代わりにしたもので、いかにも釣れそうにない代物でした。包装も安っぽくてまあ丸アジ用にと思って使っていると何とこれでもタイが釣れる。しかも専用のタイサビキに負けていない、ということでこれがスタートになりました。 |
ところがサビキ仕掛といっても自分で作るとなるとたくさんの選択肢がある。まず基本となるハリスは幹を6号で枝を5号にしました。以前4号と3号のタイサビキで切られたことがあったのと、少々傷付いても余裕があるような太さに決めました。胴調子の長めの竿だと時間をかけて取り込めば良いのですが、この辺りはブイがたくさんありますので出来るだけ早く巻き上げないとロープに絡む可能性も出てきます。 次は針数とエダスの長さに間隔です。まず間隔ですが魚の大きさで群れの中の間隔が変わると思いますので基本は短、中、長でそれぞれ1,1.5,2mの3種類としました。エダスの長さは当然長い方が良いのでしょうが、あまり長いと水中でサビキが幹糸に絡んで泳がないだろうし、何cmぐらいが適当か実際ビニールを付けてカット&トライです。またビニールが回転してハリスがねじれないように回転ビーズを付けます。そして、針数は多くしたいのですが、全長が長すぎると取り回しが大変なので7本をメインにしました。 |
いよいよサビキの作成ですが、第1弾は荷造りヒモを使いました。5色を用意して針を結ぶときに巻き込みます。ヒモの長さですが大は小を兼ねるという事で12cmにし、必要に応じてカットすることにしました。そもそも、その時期に食べている小魚に合わせないと釣れないと思いますのでね。ただしこのバージョンはヒモの部分がすぐに傷んでしまうのですが容易に交換が出来ません。また色を変えるときも針ごとになります。とりあえず緑を中心に仕掛けを作りました。 |
さてここからが本題です。ビニールといっても最近はポリ袋というようにポリエチレンのようです。シートをカットするのですが、長さと幅が問題です。形状は写真のようなタイプとします。さらに問題なのが厚みです。それによって水中での動きが変わってきますよね。この際すぐに交換できるので強度は無視することにして、0.03,0.05,0.1mmの3種類を探しました。もう1つの重要な要素がシートのカラーです。基本は緑、青、オレンジ、ピンクに白としました。ただし色はサンプルを見るとすごい種類がありますが、容易に入手できるものは厚みも含めて限られてしまいます。これも餌にしている小魚と同じ形で色で模様が入っていて、実際に魚が泳いでいるように動けばベストなんでしょうが、荷造りヒモでも釣れるのですからここで手を打つことにしました。 |
ビニールのカットについて |
ではここからは実際に釣れたビニールのレポートになります。 |
写真が悪いですが、ビニールは透明。 ビニールハウス用で結構厚みがあって丈夫です。 これは初期型で、7月末に干出岩で初めてタイが釣れました。 他にガシラが釣れた実績もあります。 色んなカラーのビニールを香川のりょうさんから頂いて作りました。 上側が11月初めに○島でサゴシの釣れたビニール。 下側は金ヶ崎で8月末60cmのタイが釣れました。 これらは不透明で淡い色合いが良いのか、色の濃いものはダメのようです。 たっぷり作ってますので、色を言って貰えればお渡し出来ますよ。 これが最新型です。 先日使った現物なので見にくいですがタイの歯形でボロボロですわ。 ホームセンターで見つけた柔らかい半透明のビニールです。 マルアジやイワシも釣れましたし、ツバス、シオも釣れました。 皆さんに押し売りをしましたので激減しましたが、またコツコツと製作しますよ。 |
ビニールサビキについての仮説 |
途中経過報告 この仮説を証明することは現在出来ていませんが、皆さんからのご意見では依然として小魚である、あるいは海苔であるというのが多かったです。また条件反射的なものということも出ています。しかしどうしても小魚とは思えませんし、8月でも釣れましたので海苔には疑問が残ります。とはいえ普通の鯛サビキに比べて大型の鯛が釣れます。もしかして、今までにない新ジャンルの釣りなのかもです。 |
さて釣り方なんですが、どうも慣れが必要のようです。かなりのベテランに使ってもらってもダメでした。で、どうすれば良いのかを書きたいのですが、これは現在調査中なんです。明らかに違うのは超ゆっくり巻き上げることです。イメージ的にはワームで底をズル引きしてバスを釣る感じでしょうか。そして自覚がないのですが、あたりがあったら無意識にリールを止めるか竿を送り込んでいるのかもです。いずれにしても、あたりの回数にも大きな差がありますので、その理由を調べています。 |
今回のまとめ この間ビニールの効果が出ていません。年末に入れ食いになった時、小魚は10cmぐらいのイカナゴでした。ビニールよりチョグリの方が良かったのはサイズが合っていないと思われます。また海苔のシーズンになっているにも関わらず成果が出ないことから、その可能性は低い様です。振り返りますと、以前ビニールが爆釣した時、中島さん情報ではイワシがベイトだったらしい。その前に○島でタイを釣った時も実際に大きなイワシが釣れていました。 どうもビニールはイワシの様です。しかもサイズアップしたイワシでしょうか。まず小さなイワシを食べる食性が身につきます。そして食事タイムになったタイは必死でイワシを追いかけますが、大きくなって泳力のあるイワシはなかなか口に出来ない。やがてイワシの群れも去って地合は終了します。でも食事の出来ないままのタイはゆらゆらとするビニールに対して条件反射的に口を使うのかもです。もしこれが合っているなら今後しばらくはイカナゴが食性の中心になるため、ビニールの効果は低いままと思われます。次にイワシがベイトになるのは6月頃からで、サイズアップするのは、やはり10月頃になるのでしょうか。従ってそれまでビニールは保管しておいた方が良さそうです。 |
今回の仕掛けは巻き上げるときに僅かな重みを感じることがあって、その時はヒット率が上がる経験があります。この重みは高原さんが言うところの、サビキが泳いでいる状態のようです。巻き上げるときにエダスが幹糸に絡んでいると重みは出ません。潮が動いていてエダスが斜めになりながら各ビニールが泳いでいる状態だと結構な重みを感じます。ゆっくり巻き上げるのもこの状態が作りやすいからだと思います。 |