「 花 」





待ちわびた季節に

わたし綺麗に咲けたかしら

ひっそりと目立たぬように

けれどしっかりと胸を張り



寒さに耐えた季節を

厳しい時の流れの中

蓄え続けた想いに

そっと開く蕾



まぶしい光は

わけへだてなく降り注ぐから

そっと頬染めて



咲きます

あなたのために



(09.04.23 00:18)















儚い姿に情熱を秘め

一陣の風と共に終わる季節

昨日までの美しさが嘘のように



憧れたゆめの続きは

現実へと引き戻され

変わらない毎日が戻ってくる

見上げた空に眩しい緑

新緑が始まった



下腹に力を入れて

顔を上げる

まぶしい太陽が笑ったような気がした



さあ

また歩き出さなきゃね



(09.04.18 15:40)













「 想いを飛ばそう 」





言葉に出して言えないことが一杯あるから

今は黙って空を見よう

流れる雲を目で追って深呼吸

大好きな唄

頭の中を流れてく



形に残せない想い一杯あるから

今は静かに流れて行こう

風に揺られるたんぽぽに

この気持ち託して

心は空を駆け巡る



時を超え

山も海も渡り

想いは駆け巡る

愛しい者達へと



どこにいても

何をしていても

想いを注ぎ続ける

愛しい者達へと



なんてちっぽけな自分

そんなものをつくづくと感じる

だからといって何ができるわけでもなく

しょうがないから歩いていこう

せめて自分らしく



それが今できる精一杯のことだと思うから



(09.04.14  00:43)













「 愛 」





何気ない一日の

何気ない空間に

あなたがいる

ただそれだけで

やさしくなれる



人のぬくもりは

人をやさしくするのだろう

春の日差しが

やわらかな花を咲かせるように



なにもない

なにもない

特別なことはなにも



生きていて良かったと

こころからそう思えるのは

やさしい気持ちにさせてくれる

あなたがいるから



(09.04.12 11:45)













「 さくら 」





風に舞い

陽に透かされ

淡い想いをのせて

焦がれ続けた花が逝く



溜息と

憧れを残して



胸に秘めた想い

湧き上がる情熱

やさしく受け止め

散り逝く花よ



髪に

肩に

ひらひらと

まといつくはなびら



ああ

まだ逝かないで

もう少し

このまま私を抱きしめて



(09.04.09  15:18)
















一面にさくら

こころ埋め尽くし

見果てぬ夢

誘いかける



酔いしれてさくら

我を忘れ

彷徨うよ

ゆらゆらと

ひらひらと



うすももいろの

上気した頬のような

淡くやさしく

ひそやかな



さくらよ

さくら

散らないで

どうぞ



(09.04.08)










「 切望 」





憧れの

憧れの

桜が咲く

夜目に白く

妖しい夢の如く



ゆらゆらと風に揺れ

はらはらと風に舞い

空一面に桜



後も先も無く

我も人も無く

己を無に感じ



桜よさくら

飲み込んで

わたしを



(09.04.04  20:18)













「 八重桜 」





苦しいことも哀しいことも

全てが嘘だったかのように

明るい顔だけ見せて



雨上がりの空を見上げれば

重たそうに枝をしのらせて八重桜

光を受け輝くように咲き誇る



桜の花はみな下を向いているのだと

あなたは教えてくれた

何故でしょう



顔を上げて

わたしを見て

ほら笑ってるでしょう

そんなふうに語りかけてくるかのように



大丈夫

何も心配はないんだよと

にっこり微笑んでいる



目に鮮やかな桃色の

光り輝く八重桜

ついと手を伸ばしてあなたに触れよう

きっと笑顔で見上げているから



(09.04.04  20:18)











「 花火大会によせて 」





夜空を焦がして炎の花が咲く

ひとときの

束の間の

その瞬間に夢を託して



美しさの命は短い

輝けるのは一瞬

それでも求めてしまうのは何故だろう



次こそは

もっと大きな花を咲かせようと

熱い想いを抱いて帰路につくのか

花火師達よ



ひとときの夢をありがとう

この映像を胸に抱き

また一年頑張れる



辛いことのほうが多い人生に

ひとときの花を夜空に描く

素晴らしい時間に感謝して



2009.10.01 (Thu)