「つれづれに」





激しさと優しさと

打ち寄せる波の如く

風と光と

大地に立ち



自然に抱かれて生きる

生命の全て



己の小ささを

人のぬくもりを



受け入れ

認め

共に



歩いていこう

この与えられた足で



(09.01.07)












「想い」





さみしさと

切なさと

やさしさと



やわらかな想い

胸の中でまるくなる



吐き出してはいけない言葉

飲み込んで

閉じ込めて



さみしさと

切なさと

やさしさと



愛していると囁いて

いつもいつもいつも・・・・・



(09.01.18)












「逃げ場所」





まあるくなるよ

まあるくなるよ

まあるくなってバリヤーを張ろう



氷の棘が降り注ぐ

突き刺さる

やわらかな部分

自己防衛システム作動



まあるくなって

まあるくなって

びーどろのように



透き通った世界には

やさしい景色しか映らない

そこで繰り返す

愛しているよ

愛しているよ



受け取られない言葉は

バリヤーの中で反響し

廻り続ける



愛しているよ

愛しているよ



(09.01.26)












「 初夏 」





額に滲む汗と

したたる水滴に夏の暑さを思わせる

はや季節は初夏

透明な水のその中に

太陽の光捕まえて



はじけだすよ元気が

燃える太陽に負けないくらい

見上げた青空が呼んでいる

さあおいでここまで



新しい暮らしに踏み出すために

閉じこもっていた季節は終わり

片付けよう

うずくまっていた想い



(09.05.03  15:12)












「 充足 」





路肩に花が咲くだろう

歩き続ける路に色を添え

険しいことが多い路も

それだけではないのだと

風に揺れ語りかけてくる



見上げれば空がある

見渡せば花もある

頬には風

耳を澄ませば季節の声



こんなにも素晴らしい世界に

生きていることへの感謝を

ひととき歩をゆるめ感じよう

愛を



包まれている

天と地の狭間

溢れるほどの愛があると



受け取ろう

自然の恵み

あたたかな営み

この胸に

生きるパワーを注いでくれるから



(09.05.29)












「 雨 」





暑さで火照った体を

冷やしてくれるかのように

降り続ける雨



冷却装置のように

過熱したこころも冷やしてくれる



冷静に

先走ることのないように

時の流れに逆らわないように



しとしとと

雨が降る



間違えることなく季節が変わるように

時の流れも進み続ける

自分の選んだ路へと



今は

この雨に濡れていよう



(09.05.31)












「紫陽花」





なりたいものにはなれない

行きたい所へは行けない

見たい夢は見られない



ないないづくしの人生なのに

それでもみんな生きている

どこかに小さな希望を抱いて



切ないほどのドラマを抱いて



だからわたしは笑っていよう

出会った人がほんの少し

幸せな気持ちになれるように



少しだけ

やさしい気持ちになれるように



(09.06.07)












「コンティニュー」





しまいこんでいた思い出

引き出しては眺め

駆け巡る想いに



忘れていた物語

走馬灯のように



ひとつひとつの積み重ねが

今日を作り出す

どれが欠けても

今は在り得ない



始まりは

遠い

遠い

母の胎内から



どれもが

愛おしい物語



そして未来へと



(09.06.12)












「愛」





まるくなって

まあるくなって

腕の中で眠る

わたしだけの揺り籠



ゆめはシャボンの泡のように

儚くやさしい

捕まえたら壊れる



目覚めたときに

瞳に写るのは

たったひとつの愛



(09.06.15)












「 寝床 」





ただいま

と帰ってくる

おかえり

と迎えてくれる

私の城



お気に入りのスペースが

やわらかく包んでくれるから

深呼吸しよう



初めて出会う人々

初めて歩く空間

神経をすり減らしてくるから

そっと受け止めて



私だけの素敵を

一杯詰め込んだから

ユートピアになった



ぐっすり眠ったら

また出かけよう

明日へ



(09.07.01)