日本は幕末に開国して以来 不平等条約により辛酸をなめておりましたが
国力を強くし、世界の一等国になる事を目指していました。
また当時の世界は弱肉強食の時代であり、搾取するものとされる者の鬩ぎ合いの時代でし
た。
インド・東南アジア・中国までもが欧米の毒牙の餌食になり苦しんでいました。
日本も如何にこの毒牙に蝕まれないようにするか足掻いている時代でした。
その結果が明治維新であり富国強兵であったわけです。
明治維新を経て国内の力を集約し、経済・産業・軍備そして様々なインフラを整備していきまし
た。
が 依然として欧米の脅威が無くなった訳ではなく
少しでも気を許すと 阿片漬けにされた中国の二の舞を踏んでしまう恐れがあるのでした。
そして、日本が一番恐れていたのはロシア ロシアはその地政学的関係から外を目指す傾向
があり
「マッキンダー」の論ではハートランド(ユーラシア大陸中央部)を制するものは世界を制すとし
「スパイクマン」の論はリムランド(ユーラシア大陸周辺部)を制するものは世界を制すると云
う。
この2つの相反する論理は共に整合性があり
意識してか無意識かは別として モスクワ公国から始まったロシアは着々と領土を拡大し 気
が付くとヨローッパ東部から極東アジア・中央アジアまでの広大な国土を保有する事となった。
しかし ロシアには1年を通して使える「不凍港」が少なくそれを求め南下する政策を1980年
代まで続けられていました。
(ハートランドからリムランドに侵攻)
北東アジアでは満州 朝鮮半島を狙い、中央アジアではアフガニスタンーイラン等を狙い198
9年に挫折するまで続けられていました。
そしてモチロン日本も標的になっていてブレジネフ政権の時には占領時の下準備で北海道の
住民票はすべてソ連に把握されていました。
1980年代にソ連経済が破綻した時 北海道に対し軍事的冒険をするのではないかとの説も
流れていたがゴルバチョフのペレストロイカ政策のお陰で軟着陸に成功し事なきを得た。
最近までソ連(ロシア)の脅威に怯えていた日本ですので明治・大正・昭和初期の恐怖心
は相当なのもだったでしょう。
そしてキーとなるのが朝鮮半島 ここは日本が大陸に進出(軍部のみでなく経済活動を含め)
するためには必要な場所であり
繁栄していることが必要でした。
しかし朝鮮半島は利害の対立する清の属国であり清はロシアに食い物にされていたので何時
朝鮮半島に恐ろしいロシア軍が展開するのか・・・
釜山港を母港にロシア艦隊が停泊する事になったら・・・
日本海はロシアに牛耳られ経済活動も儘ならくなってしまう。
そのためには清の影響力を排除し日本に友好的な独立国として一本立ちして欲しい。
という事(原因はそれだけではないが)で始まったのが日清戦争。
それに日本が勝利し独立を手に入れた大韓帝国でしたが、腐った儒教思想のため中華序列
では下に当たる日本の意の儘になるのを良しとせず
それどころか敵対的な行動をするようになった。
そして今度は直接ロシアの脅威が迫り、日露戦争へ・・・
日英同盟や国際的な協力もあり綱渡りの様な勝利で辛うじて国家を存続させる事に成功し
た。
だがその代償にアメリカ人に不信感を与えてしまったのが後に命取りになっていくとはこの時
は誰も思わなかったでしょう。
満州鉄道を手に入れ大陸での権益で国力増強を図り 日露戦争で疲弊した国力を回復させる
と共に国際的な地位を向上させていく
そして韓国を日本の保護国として傘下に治めることで日本海での船の航行の安全と大陸への
橋頭堡を築くことができました。
しかし 日本の傘下である事に不満を持つ勢力により伊藤博文(初代総理大臣)が満州のハ
ルピンで射殺され
その事により日韓併合が行われる事になる。
第一次世界大戦が始まり日本は渋々ながらも参戦しそれなりに戦い国際的な地位を得た。
が「対支21ヶ条」の要求を中国政府に突きつけると、中国を初め一部欧米から非難された。
これにより中国の対日感情をかなり悪化させた。これも太平洋戦争の遠因の一つとなっている
と思います。
しかし全般的には世界的にも信頼を得ていて国連の常任理事国にもなるし経済的にも発展し
ていき人権的にも大正デモクラシー等があり文化的にも成熟した国家になる事ができました。
まだまだその差は大きいが 念願の世界の一等国に近づいてゆくのでした。
しかし日本の内情は
朝鮮半島のインフラ整備のために国家予算が浪費され国民の不満が溜まっていく・・・
そして農村では大凶作で大打撃受ける「おしん」の時代も丁度この頃です。
朝鮮半島も凶作であったが朝鮮人商人による米の買占めにより朝鮮農村も更に深刻な状態
になる。
買占められた米は日本に高値で輸出され、現在の三星などの韓国財閥が生まれる。
打撃を受けた農民はブラジルやハワイ、満州などに移民していく。
第一次大戦末期ロシアで革命が起こり、資産家などが粛清されていくのを世界中の資産家が
恐怖するのでした。
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