ゼロ戦の真実A


@ではゼロ戦と各国の機体のカタログデータを比較してみましたが
ここではゼロ戦本体の長所短所を書いてみます。

長所

★ 機体が軽く、旋回性能が良い 
★ 航続距離が長く、長距離侵攻及び長時間のCAP任務が可能
★ 出現当時の速度性能は世界レベル
★ 出現当時は世界レベルの強武装

短所

☆防弾装備が無い
☆機体の構造が脆弱すぎる
☆20mm機関銃の弾道特性&装弾数&信頼性 
☆各種儀装品が時代遅れ&信頼性の低さ 
☆設計に余裕が無く発展性が殆ど無い 
☆高速域での操縦性能
☆その他諸々


といった感じでしょうか

出現当時はゼロ戦の長所が十分に発揮され熟練の搭乗員の活躍もあり
先述の戦歴の様な戦果を上げました

そして戦争後半では短所が目立ち
それが致命的で有ったと言えるでしょう。

では、その短所について掘り下げて見ます。



☆防弾装備が無い

これは長所である機体の軽量化の為に削られた部分であり
防弾性を上げると重量が嵩み長所の幾つかが無くなってしまいます。

事実 熟練パイロットは防弾性能が向上した52型の事を・・・
と言うか初期型の21型以降は改悪だったと評価しています

しかし 防弾性が無いのは致命的欠点であり
たとえば新兵が敵の弾を受けて、機体が損傷しても
無傷または軽症で帰還できたなら
次回の出撃からはもう新兵ではなくなる事でしょう
そして・・・
熟練の搭乗員の損失が少なくなれば
その後に開発されるであろう、更なる高性能機での戦果が期待できるでしょう。

実際、アメリカ軍は開戦時は熟練搭乗員は少なかった
戦争が進むにつれ搭乗員の技術が上がって行きました
反対に日本軍はミッドウェーでの敗戦、ソロモン方面の消耗戦
で熟練搭乗員を消耗し、錬度不足の割合が多くなり
のちに、マリアナの七面鳥撃ちアメリカ軍に馬鹿にされた
マリアナ沖航空戦を初めとする、各方面での惨敗が続くのでした。

是ほどまでに、防弾性を無視した設計をしたのは
海軍の要求性能が如何に実現困難なもので有ったかを物語っています。


☆機体の構造が脆弱すぎる

これも軽量化を徹底し過ぎた弊害
1gでも軽くする為に文字通り骨身を削りすぎた結果です
開発中も尾翼の昇降舵のマスバランスが突然破損し
操縦不能になり空中分解して、テストパイロットが死亡する事故が起きたり

急降下時に突然 主翼がもげて空中分解するなどの事故が起きました。
こちらもパイロットは死亡しています。

尾翼の件は、マスバランスの取り付け部分が軽量化のやりすぎのため
耐用時間が極端に短すぎたので、この部分を補強して対


急降下の件は機体の外を覆う超々ジェラルミンが高速になると
表面に歪みが発生し、空気抵抗により激しい振動(フラッター)が発生し
限度を超えると突然破断していまうのでした。

これは、表面のジェラルミンの厚さを一部0.5mm→06mmに変更等
若干の改修と制限速度を350kt (648.2q/h)(21型)に抑えること
お茶を濁してしまいました

しかし急降下速度の遅さは致命的欠陥で
敵機に襲われて逃げる際 通常は急降下で逃げるのですが
敵機よりも遅い降下速度のため逃げるのは至難の業でした
反対に敵機はゼロ戦に襲われた時は
急降下さえすれば ゼロ戦に追いつかれる心配は無かったのです

もう一つ構造の脆弱さでの欠点
主翼に搭載されている20mm機関銃を
発砲すると主翼の剛性が足りない為に 主翼がブルンブルン振るえ
まるで節分の豆撒きをしている位に弾があちこちに飛び
運と腕が相当良くなければ命中を期待できないという代物でした!
まぁ地上を掃射する位なら使えたかな!?


防弾性の無さと脆弱な構造は本来ならば戦闘機として使うのには無理が有り
正直いって練習機として使うべき機体であったのではないのでしょうか。

次回は武装と儀装について書いてみます。

ゼロ戦の真実@
ゼロ戦の真実B

トップへ
戻る