ゼロ戦の真実@

今までゼロ戦の戦歴について書いてきましたが
少々長くなってきたのでここから一旦休憩して
ゼロ戦の本質について掘り下げて行こうと思います。

ゼロ戦 マンセーばかりではなく・・・
いやどちらかと言うと辛口コメントばかりですが
心を鬼にして書いてみます。

まずは・・・
@ 出現当時のゼロ戦は本当に世界最強か?!
いろんな書物にゼロ戦は出現当時脅威の高速性と航続距離、格闘戦能力
強武装で世界最強の戦闘機と評されていますが
実はそんなことも無いというのが真相です

各国のゼロ戦と同時期の機体のスペックを比較します。

ゼロ戦21型
1939年初飛行 最高速度533q/h 航続距離3350q 最高出力 940ps
自重 1680kg 武装 機銃7.7mm×2 20mm×2 爆弾 120kg


ドイツ
Bf109E-3
Bf109 1935年初飛行 1939年 E 型開発
最高速度 560km/h 航続距離 660km 最高出力 1175ps
自重2016kg 武装 機銃 7.92mm×2 20mm×2
 
Fw190A
1939年初飛行 最高速度650km/h 航続距離850km 最高出力1800ps
重量3995kg 武装 機銃 7.92mm×2 20mm×2 爆弾500kg


アメリカ

P-38ライトニング 初期生産型
1937年初飛行 1939年採用

最高速度630km/h  航続距離3000km? 最高出力 1150×2
自重 5806kg  武装37mm機関砲×1、12.7mm機銃×4 

P-40E ウオーホーク
1938年初飛行 最高速度:552km/h 航続 離 1740q 最高出力:1150hp
自重 2810kg 武装:12.7ミリ機関銃×6    
オプションとして450kg爆弾×1 または450kg以内で爆弾を多数装備可能

F-4F ワイルドキャット
1937年初飛行 最高速度515km/h  航続距離 1200q 最高出力1200ps
自重 2610kg 武装12.7×6 爆弾 90kg


イギリス

ハリケーン Mk.T
1935年初飛行 最高速度528km/h 航続距離 965q 最高出力1030hp
自重 2118kg 武装 7.7mm×8 爆弾 226kg

スピットファイア Mk.T
1936年初飛行 最高速度571km/h 最高出力1030hp
 重量 2420kg 武装7.7mm×8 爆弾226kg

ざっと見た限りでは確かに航続距離は確かに長い
しかし、脅威の高速かというとそうでもない
ほとんどの機体がゼロ戦よりも高速です。
武装に関しては各国、各機の設計思想がありますのでこれは後で考えます。
格闘戦能力に関して言えば、ゼロ戦の血の滲む様な軽量化のおかげで
身軽に動けるというのは間違いではないでしょう。
しかし、ゼロ戦の操縦性、及び各種機動に関しては軽量化の悪影響で
いささか問題が有ります。 これも後ほど書いてみます。

という事で軽量である運動性と航続距離の長さ以外は
ほとんどゼロ戦の負けです。

しかも、戦争が進み各機種の性能が飛躍的に向上して行きますが
ゼロ戦のみは微々たる性能向上にとどまりました。

大戦末期の各機の最高速度を比較してみます。

ゼロ戦52型丙
540.8km/h

Bf 109K-4
704km/h

Fw190D
686km/h
Fw190Dの発展型Ta152
750km/h

スピットファイア F.Mk.24
730km/h

(なおアメリカは続々と新型機を投入しこちらもゼロ戦の性能を凌駕している物でした。)

各機とゼロ戦の性能差は絶望的に開いて行きました。
これは基本設計がギリギリだった為に能力向上に限界が低かったのが原因です。

と いう事でゼロ戦は
全然最強戦闘機ではありませんでした orz


ウェーク島攻略戦 ゼロ戦の真実A

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