ここは暴露の駅舎、別館その四である。
2000年(平成12年)10月8日から11日まで、我々は北見の姉妹都市、韓国の晋州(ちんじゅ)へ演奏旅行に行ってきた。
3泊4日の強行軍であったが、この間、実に様々なハプニングが続出した。
我々が遭遇した数々の出来事のうち、約半分(別に根拠はないけど)を数ヶ月に渡って書き綴っていこうと思う。
旅行当日の朝は早い。 もしパスポートを忘れた場合、出国することは出来ない。 近くの人ならばダッシュで取りに帰ることも出来ようが、遠くの人ならば、それを待っている時間の余裕もない。 かくして、北見市内に居住している者以外は総務部がパスポートを保管することになった。 さらに、自称「うっかり屋」、他人から見て「おめえ、あぶないぞ」という人も総務部預かりとなったのである。
数人からパスポートを預かった女性がポツリとつぶやいた。
私は朝6時半に起床し、まず昨夜の蟲が這っていないか確かめた。 部屋中探したが見つからなかった。 うむ、それにしても薄暗い部屋だ。 さて、7時半から朝食。 食堂へ行き窓から外を覗いてみると、駅前広場が見える。 おっ、駐車場に野外ライブのセットを組んでいるよ。 もしかして我々の演奏会、ここでやるんだったっけと思ってしまいました。
朝食メニューは洋食のバイキングです。
地元の料理が口に合うかどうか不安だったからホッとしました。
ええ、味はまあまあです。
8時半にバスに分乗してで晋州(ちんじゅ)へ向かう、そして驚く。
いやぁ、タクシーだらけだな。
こんなにタクシーが多いのかい、韓国は。
と思っていたら、ガイドさんが「日本と違って自家用車は緑のナンバーです」だってさ、納得。
バスは高速に入った。
韓国の高速道路は日本と同じく合流式。
進行方向の右側から もう一本の高速道路が迫ってくる。
渋滞、そして・・・・
「あぶない!、そこのタクシー突っ込んできた」
「おおおお、左の車、近づきすぎ。俺のそばに寄ってくるなって!」
「ああ、ああ、右のバス、強引に前の車との間に頭を入れてきた」
凄まじい鼻の奪い合いが続いている。
無論自分たちの乗ったバスも例外ではない。
すばやい加速と急ブレーキの連続。
前後左右たった数センチの先を狙って各車がしのぎを削っている。
我々は加速と減速のたびに体が前後にゆすられ続けた。
そして私は「確実に接触しているように見える」隣の車が見えないように、通路側へと席を移動した。
ああ、心臓に悪い。
さて、合流地点も過ぎ、バスは快調に進んでいる。
いや、快調というよりは、スピードの出しすぎなんじゃない?
ディーゼルエンジンを目一杯唸らせてフッ飛ばしている。
そして道の左右では乗用車が腹を上に向けていたり、観光バスのボディがつぶれ、観光客が道端で途方にくれている光景が目に飛び込んできた。