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Input-Output Analysis「産業連関分析の覚え書き」



1. 産業連関分析
1.3 物量と価格
1.3.1 物量連関モデル

 産業連関表から需給バランスモデルが得られたが、各財の価格を与えることで物量に関する連関モデルが得られる。

第 i 財の価格 pi、第 j 部門への投入数量 qij、生産数量 Qi とする。
xij = aij Xj = pi qij、 Xi = pi Qi、 Fi = pi fi

サービス等物量 qij を定義できない場合は、円価値単位を導入し、xij = 1単位(1円)× 数量(価額 xij)と考えれば、pi = 1とすることができる。

このとき、需給バランス式は次のように表すことができる。
 
p1 q11 + p1 q12 + p1 f1 = p1 Q1
p2 q21 + p2 q22 + p2 f2 = p2 Q2
(1.3.1)
行列表示して、
p10
0p2
q11q12
q21q22
+
p10
0p2
f1
f2
=
p10
0p2
Q1
Q2
q11q12
q21q22
+
f1
f2
=
Q1
Q2
(1.3.2)
となる。

ここで qij について、
qij =
1
pi
aij Xj =
1
pi
aij pj Qj
であるから、
q11 + q12
q21 + q22
=
1
p1
a11 p1 Q1 +
1
p1
a12 p2 Q2
1
p2
a21 p1 Q1 +
1
p2
a22 p2 Q2
=
1
p1
0
0
1
p2
a11a12
a21a22
p10
0p2
Q1
Q2
(1.3.3)
すなわち、
q = ^
p
-1 · A · ^
p
· Q
(1.3.4)
ただし、 q =
q11 + q12
q21 + q22
, ^
p
=
p10
0p2
, A =
a11a12
a21a22
, Q =
Q1
Q2
となる。

さらに、
f =
f1
f2
とおくと需給バランス式は
q + f = Q
^
p
-1 ·A· ^
p
·Q + f = Q
(1.3.5)
となる。Q について解くと、
Q = ( I - ^
p
-1 ·A · ^
p
) -1
·f
(1.3.6)
となる。

 産業連関表には、付帯表として物量表(投入数量 qij)と、6000品目細分類の単価表(価格 pi、生産数量 Qi)がある。物量表は計上されている品目が少なく、そのまま使うにはデータが足りないが、単価表と取引基本表からある程度推計はできる。


1.3.2 価格モデル

 産業連関表を横方向に見た需給均衡式からは需給バランスモデルが得られたが、縦方向の収支均衡式
 
x11 + x21 + V1 = X'1
x12 + x22 + V2 = X'2
(1.3.7)
からは価格モデルが得られる。

財iの価格 pi、第j部門への投入数量 qij、生産数量 Qiとする。
xij = aij X'j = pi qij、 Xi = pi Qi、 X'j = p'j Q'j
とおくと、
 
p1 q11 + p2 q21 + V1 = p'1 Q'1
p1 q12 + p2 q22 + V2 = p'2 Q'2
(1.3.8)
さらに、
a'ij = qij / Q'j、 v'j = Vj / Q'j
とおくと、
a'11a'21
a'12a'22
p1
p2
+
v'1
v'2
=
p'1
p'2
(1.3.8)'
となる。

 行部門i = 1,...,m、列部門j = 1,...,nとして一般化すると、次の価格バランス式が得られる。
A't · p + v' = p'
(1.3.9)
ただし、
A't =
a'11a'n1
·
·
·
·  
 · 
  ·
·
·
·
a'1ma'nm
p =
p1
·
·
·
pn
v' =
v'1
·
·
·
v'm
p' =
p'1
·
·
·
p'm
ここで、1.1節の条件B(各財と各中間需要部門は1対1に対応する)を仮定する。 これにより、p = p'Q = Q'(即ちX = X')とすることができるので、次のような均衡価格モデルが得られる。
At · p + v = p
(1.3.10)
pについて解くと、
p = ( I - At )-1 v
(1.3.11)
となる。  これより、単位あたり付加価値vの変動に対し、各中間需要部門の費用構成を通じて価格体系にどのような影響が及ぶかを見ることができる。



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