自分を上品に見せるには


 あなたはちょっといいレストランに行っていろいろあせった事はありますか?自分は家があまり裕福ではなかったし、育ちも あまり良くなくて(最低限の躾は受けましたけどね)常識的なエチケット以外は(それすらも怪しい・・・)知らなかったので結構ありました。

「品がある」とは、いったいどう言う事でしょうか。この事について、立川談志がテレビで

 「品があるとは、欲望に対する動きがスローな事だ」のような事を言ってました。

 僕は「ああ、そうかもしれない」って納得しました。確かに育ちのいい人は、おっとりしていると言うか、 ガツガツしていませんね。彼らは成長していく過程で必要なもの、欲しいものがふんだんに与えられていて、それらを求める 必要が無かったのかもしれないです。

 イギリスの言葉で「本当のお嬢様とは、暑がらず、寒がらず、飢えを訴えず、欲しがらない」 みたいのがあるそうです。 タイタニック号で、自分だって極寒の海に投げ出されたくないに決まっているのに女子供を優先して救命ボートに乗せた 紳士のように、上品に気高く振舞うには多少のやせ我慢が必要なのかもしれません。

 また、育ちのいい、高貴な人を演じる役者を見ていると、いろいろな動作(歩きやお辞儀まで)についてゆっくりと 振舞っているのにも気づきました。

 そういうのを見ている自分としてもそれらの人、役者の振る舞いに対してなんとなく優雅なイメージを 抱かされているのも気づきます。

 まあ、人間として欲望に対する動きが鈍いと言う事は1個体の生命体としてみると生存能力が低いとも言えるので、 自分としては根本的には品が良くなりたいと思いません。でも、時と場所によっては、相手に自分を品が良く見せる必要 があるかもしれませんし、見せたいと思うときもありますね。他人にどう思われるかっていう受身的な気持ちより、 他人に自分をどう思わせるかっていう気持ちを持っていたほうが気持ち的にも余裕が出ますし。ハッタリで相手を 騙してやる気持ちでね。

 そういう時に、どういう事に気をつければ品良く見せられるかについて考えてみました。 暇な人は話半分で読んでみてください。

 「なんか高級な所・場面に来たみたい。ちょっと気後れしちゃうな。」って思ったときには、

 まず、上で述べたように、
 1・いろいろな動作(歩き方から手の動きまで)について丁寧に、ゆっくりと振舞う。

 できたら指の先までちゃんと意識して動かすようにするといいかもしれません。ゆっくりでいいんだからできますね。

 そして、
 2・誰が、何が相手でも胸を張って絶対に卑屈な態度をとらない。

 人は他人のちょっとした卑屈な振る舞いにも気づく事があります。相手が誰だろうと、どこにいようと、 「相手も人、自分も人」とか「私は客なんだ。」 とか自分に暗示をかけましょう。失礼な態度をとられたらちゃんと怒りましょう。 どんな時でも相手の出方は自分の出方次第で変えられるものです。 気持ちが押されそうなら、かえって傲慢に振舞うくらいがいいかもしれません。

 あと、食事の時に品の良し悪しが如実に出る事があります。
 3・相手を深いにさせないというエチケットレベルの事は品の良し悪しに関係無く必須。

 これは当然ですね。物を噛んでいる時に口をあけてクチャクチャ音をさせたりしたら相手が気持ち悪くなることが ありますし、ひじをついて食べるとか場の雰囲気をわきまえないで大声を出すとかはやっぱり良くないですね。 これらができないと、今までの事も全て意味が無くなっちゃいます。せめてハッタリ効かしている時くらいは守りましょう。

 4・テーブルマナーの本で、ある程度の知識を入れておく。  わからなかったら質問すればいいのでテーブルマナーを詳しく知る必要はないかもしれません。 でも知らないことがあるとやはり不安になります。「自分のしてることが実はトンチンカンなこと だったらどうしよう・・・。」とか。ライスをフォークの背に乗せて食べるというのも 「そんな事してるのは日本人くらい。あれではフォークがあのように曲がっている意味が無くなってしまう。」って書いて ありました。テーブルマナーを知っているかどうかの差は本を1冊読んだかどうかの差でしかないんだからすぐに縮まります。

 読んだ後、気の置ける友達と「おかしな所があったらお互い注意しあおうね。」って約束して実際にレストラン に食べに行って場数を踏むとより望ましいです。僕は友達、イトコと何回かした事があります。っていうかそういう口実で おいしいレストランに行ってただけかもしれないですが。まあ、普段より動作をゆっくりするんだから慣れていなくても 大丈夫だとは思いますが。あと、わからないことがあったらできるだけ堂々と店員に聞く事。聞く事は実際恥ずかしい事では ないですが、しったかぶりは最高に恥ずかしいので避けたほうがいいです。

 ここで話が少しずれますが、食事の時に脇をあけて食べていると、周りからはガッついているように見えて良くないです。 でも、いすとテーブルとの相対的な高さによっては脇を締めると腕の長さが余っちゃって窮屈になる事があります。 そういう場面ですごく上品に食べている女の人を見かけた事があります。ポイントはどこだろう?って横目で チェックを入れてたら、それは手首にあることに気づきました。

 脇を締めると腕の長さが余るから腕を深く折り曲げなくちゃならない。

 深く折り曲げると手首の位置がテーブルよりもかなり高くなる。

 その時に食べづらいからと言って脇をあけちゃうんじゃなくって、手首を深く折り曲げてナイフとフォークを持つ。 イメージとしてはカマキリのオノみたいかもしれません。上品に見えたのは僕だけかもしれないので鏡の前ででも 自分で確認してみてください。

 ワインとかは興味ガなければまったく知らなくてもOKだと思います。ソムリエの活躍の場を苦労して奪う必要はないでしょう。 中途半端な知識を店でひけらかすとソムリエに笑られることでしょう(心の中で)。ワインの名前なんかも僕は「すごく自分に 合ったワインに出会ったら名前を覚えようと思うけど、まだ出会った事ない。」って事にしてます。上品な人は 「この銘柄のワインじゃなきゃだめだ!」なんてガツガツしないでしょうしね。

 僕の友達の間では下手にワインにこだわる人を「かっこいいよなあ。 まるで江川卓みたい。」って揶揄します。 それも少し歪んでいるかもしれませんね(笑)。

 長くなってしまいましたが、繰り返すと、 1・いろいろな動作動作について丁寧に、ゆっくりと振舞う。
  2・誰が、何が相手でも胸を張って絶対に卑屈な態度をとらない。
3・相手を深いにさせないというエチケットレベルの事は品の良し悪しに関係無く必須。
4・テーブルマナーの本で、ある程度の知識を入れておく。

 って事ですかね。また思いついたら付け足します。他人に「あの子はひょっとしていい所の お嬢さんか?」などと思わせる事に成功したらきっと楽しい事でしょう。ゲームとしてでも やってみるのもいいかもしれません。

 最後に、テレビなんかで「上品な味ですね〜。」って言ってる時、僕は「ああ、味が薄くって、どちらかと言えば物足りない って事だな。」って解釈する事にしてます。


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