−懸念が当たった2010年− 昨年のまとめコラムで岡大の医療チームの能力に対して疑問を呈したが、岡山期待の星の妹尾の再手術によって疑問は確信に変わった。 妹尾は昨年12月に選手生命を長くし、痛みを完全除去するために手術を行った。 しかし、どんなに遅くとも4月頭には復帰出来る予定が痛みが残ってしまって延び延びとなり、妹尾が実戦復帰したのは6月5日の柏戦となった。 そして無理して復帰したのがたたったのか夏には階段の上り下りでさえ痛みで満足にできない状況となり、再手術を9月に行った。 痛みを完全に除去する手術を行ったはずが、全く痛みを除去出来ず、かえって痛みを増強させる結果となった岡大の責任は非常に大きい。 妹尾だけではなく、これまで多くの選手が手術やリハビリに失敗しており、岡大の医療チームの医療水準が非常に低いことは間違いないだろう。 選手のためにも医療担当から岡大を外す決断をフロントには求めたい。 シーズン開幕前に両サイドハーフの人材不足を懸念したが、こちらも正にその通りとなった。 シーズン開幕当初はネクストから昇格した新中、小寺、臼井をサイドハーフに起用するもパッとせず、ネクストに送り返す結果となり、結局川原と小林の両サイドハーフしかいない状況となってしまった。 岸田がサイドハーフに起用されることも多かったが、やはり岸田はFWの方が生きるプレーヤーで最終的には川原、小林で固定される結果となった。 両選手ともJ2レベルに達しているとは言い難く、特にチーム最年長の川原は非常に厳しかった。 両サイドハーフの補強は必ず必要で妹尾は開幕絶望となっており、元のパフォーマンスが発揮できるという保証もない(そんなことにはなって欲しくないが)。 千明を生かすためにも能力ある即戦力のサイドハーフが必要だ(1人は広島から纉cを獲得したが、もう1枚は欲しい)。 −底上げは達成もこれからは成績が必要− ファジアーノ岡山は今年1試合当たり8000人の観客動員を目指した。結局昨年から999人増の7161人だった。 シーズン前半戦は好調で7650人と後半戦の盛り上がり次第で8000人も狙えるかと思われたが、その後の鳥栖戦の雨と津山での岐阜戦の影響もあり、後半戦は6672人と約1000人も動員を落とした。 昨年は夏場以降の方が動員が好調だっただけに今年の尻すぼみ感を余計に感じる。 最終戦は土曜開催だったことも影響したのか平均以下の7100人と昨年のホーム最終戦よりも1432人も落としている。 6000人前後の固定層が出来て底上げできていることは大いに評価できるが、そこから上積みしていくにはやはり成績を上げていくことが一番の近道だろう。 ファジアーノ岡山には昇格争いに絡めるほど力がつけば平均1万人を超えるポテンシャルがある。2012年に昇格争いが出来れば2012年にも平均1万人突破が可能だろうが、現時点で昇格争いを目指すと言われても信じられない人がほとんどだろう。 来年は本気で2012年に昇格争いを目指していることをアピールするためにも若手育成の方針を覆してでも実力重視の補強をお願いしたい。今年チームで1番得点を取ったのが29歳の岸田であったことも若手にこだわることなく能力で選手を獲得することの重要性を示している。 願わくは勝利の味を知るいわゆる勝者のメンタリティーを持った中堅・ベテラン選手の補強を望みたい(今シーズンはリードしても試合の流れを読んだプレーが出来ずに勝ちを逃した試合が目立った)。 −専用練習場署名に28万4673人− ファジアーノ岡山の練習は現在のところ主に財田、神崎山、灘崎の3ヵ所を利用している。 財田は更衣室すらなく、灘崎は人工芝となっている。灘崎の人工芝練習場は昨年出来たばかりだが、人工芝のために足の疲労骨折者が何人も出ていて人工芝の弊害が顕著に出ている。 ファジアーノ岡山のホームタウンは岡山県全域となっているが、県が試合に関する支援(使用料減免など)、岡山市が練習場などの環境面を担う役割分担となっているようで岡山市はファジアーノ岡山のために灘崎町に人工芝グラウンドを整備した。 しかし、人工芝が出来ると聞いた時に首を傾げた人は多いだろう。当然天然芝よりも足への負担が大きく、選手のことを考えると人工芝でできるだけ練習させたくない。岡山市は維持費用がかからない人工芝を選択し、ファジアーノ岡山を本気でサポートする気があるのか疑問に感じた人も多いだろう。 そして10月末までの3ヶ月間ファジアーノ岡山の専用練習場を整備しようと署名活動が行われて岡山市に提出された。 プロクラブとしての環境が整っているとは到底言い難く、夏場は練習後に子ども用ビニールプールに入って体を冷やすシーンがTVで流れたことに衝撃を受けた人も多かったようだ。 専用練習場のあるなしは既存の選手が時間を気にせず良いトレーニングが出来るかどうかだけではなく、新たな選手獲得にも影響を及ぼす。専用練習場がないために声を掛けた選手に断られることも多いという。 いち早くプロに相応しい環境を手に入れられることを切に願っている人は多い。 しかし、岡山市の高谷市長のやる気のなさは誰もが感じ取っている。署名活動は当初目標10万人でスタートしたが、目標を大きく上回る28万人以上の署名が集まった。 全てが岡山市の人間ではないものの無視するにはあまりにも大き過ぎる数字だ。それでも市長のやる気のなさ言葉の端々に感じられ、積極的に支援していこうという気持ちは一切感じられない。 JFL同期で同じ政令指定都市の北九州は新スタジアム建設に積極的に進めようとしたり、来季からJ2に上がって来る鳥取は自治体の支援が厚く、練習環境に関しては岡山よりも遙かに上だ。そして昨年はほぼ同レベルだった栃木は行政のバックアップもあり来年はJ1昇格を狙おうかというほど勢いがある。 J2で17位と成績は悪いながら観客動員は19クラブ中7位とJ1未経験クラブの中では最も入っている。市民の熱は比較的高いのとは対照的に自治体の冷たさが際立っている。 何でも自治体におねだりするというのはもちろん問題であるが、岡山で唯一のプロスポーツであるファジアーノ岡山は岡山のシンボルとなり得るポテンシャルを持っている。 岡山は地味な県で特に岡山市は政令指定都市でありながらも存在感が薄い。同じく地味なイメージだった新潟がアルビレックスの存在で変わったようにファジアーノ岡山スポーツクラブは投資に値するクラブであるように思える。 まともな環境がない中でJ1昇格は非現実的だろう。プロに相応しい環境で選手が練習できるようになって安定した成績も望める。年間予算7億弱のクラブが自前で練習場を整備することは不可能だ。岡山市が積極的に専用練習場整備に動くことを望みたい。 |
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