−岡山大学の医療チームに疑問− 以前のコラムでもさらっと触れたが、ファジアーノ岡山は医療体制を岡山大学に依存している。 岡山大学医学部が偏差値の高い大学で全国的に有名ということもあって優秀そうな印象を一見持ってしまいがちだが、選手に対する治療で疑問点も数多い。 昨年は臼井がシーズン絶望に追い込まれ、今年は復帰まで約3ヶ月と発表された小林康剛は4月末に怪我をしながら結局12月初旬のシーズン終了までピッチに姿を見せることなくチームを去ることになった。 また妹尾が足首を捻ったときには靭帯が切れているわけでもなく、全治8週間と発表するという不可解さだった。 靭帯が切れた場合でも手術をしなければ全治8〜10週間で部分断裂の場合だと6週間もあれば治る。 ただの捻挫で全治6週間というのはあまりにもおかしな診断で、結局妹尾は予定よりも早く復帰し、岡大の診断の間違いを改めて実証する結果となった。 最も疑問に思ったのはシーズン序盤に靭帯を部分断裂した野本に対する治療だ。靭帯が切れた場合は骨折した場合とは違い松葉杖は使わず、ギプスで固定してその日からリハビリに取り組む(手術を行っても次の日からリハビリを行い松葉杖とは無縁)。 しかし、野本は靭帯部分断裂にも関わらず、怪我をしてから1週間ほどした段階でも松葉杖をついていて靭帯断裂以外にどこか重傷を負っているのではないかと心配した。しかし、発表通り部分断裂だけだったようで怪我をしてから9週間後に試合に復帰した(部分断裂の割には遅い復帰)。 またシーズン終了直後には7月からリハビリを行っていて経過が思わしくなかった森本が結局大阪で手術に踏み切り、全治はたったの4週間と岡大の治療に疑問を持たざるを得なくなっている。 岡山市には岡山大学の他に女子日本代表GK福元(湯郷ベル)の膝の手術を執刀したことでも有名な医師(柚木医師)がいる川崎病院の2つの大きな病院がある。 ファジアーノ岡山と岡山大学は切っても切れない関係になっており、岡山大学から川崎病院に乗り換えるということはあまりにも非現実的だが、岡山のスポーツ選手の中では圧倒的に川崎病院をかかりつけにしている選手が多いと思われる。 筆者も川崎病院に通っていたこともあり、周りの人間でも川崎病院に通っている人間はいても岡大をかかりつけにしている人間はいなかった(整形外科といえば川崎病院というイメージ)。 岡山大学の他の診療科は優秀なのかもしれないが、整形外科の能力に関してはかなり疑問が残る。 −各選手の来年への課題− Jリーグ参戦1年目の結果は最下位に終わり、チームに残った各選手は個人としても大きくレベルアップしていかなければならない。 リーグ戦に多く出た選手の来年への課題を列挙していきたいと思う。 まずはシーズン終了直前に正GKを奪われた形となったリ・チャンガン。シュートへの反応はピカ一のものがあるのは誰もが認めるところだが、多少良くなったとはいえキックの精度のなさと身長がありながらCKでのボールを積極的に追っていけないところはCKでの失点の多さの一因となった。 子供達にはスーパーセーブが多いということで真子よりもチャンガンの方が圧倒的に人気があるが、チャンガンはアスリートとして根本的な弱点がある。 GKというのはより高い身体能力が求められ、運動選手としてのセンスが求められる。 身長が高いのにCKでボールに触れないのはチャンガンの体の使い方に問題があるためだ。 通常どんなプレーでも足の親指の付け根の母子球に体重を乗せて次のプレーに備えるが、チャンガンはベタ足でつま先からかかとまで地面についている。ウォーミングアップでの体の使い方を見ていると恐らく他の球技をさせてもからっきしのタイプだろう。そのスポーツに対するセンスのなさがキックの精度の悪さやCKでの判断力のなさに繋がっている。またGKコーチがベタ足という根本的問題に気付いていないのも問題でチャンガンはアスリートとして正しい体の使い方を教わる必要がある。 センターバックでチームに残留したのが植田と野本と木村。野本と木村は共に大きな課題を抱えている。それはあまりにも走るスピードが不足しているということだ。今季何度スピードで振り切られたシーンを見せられたか分からないほどスピードに欠ける。 スピード不足というのは対処が非常に難しい。中高生の段階でそれなりにスピードをつけていないとそれ以上の大幅なスピードアップは難しい。 ただトレーニング次第では100mにしてコンマ3秒程度は一冬で改善は見込める。 ファジアーノはキャンプで1日20kmを超える走り込みを行っていたが、DFに求められるのは運動量よりもFWに振り切られない一瞬のスピードだ。それこそキャンプが始まる前の自主トレ期間中は野本が通っている岡山大学の陸上部の短長(200m〜400m選手)に混ぜてもらってスピードを鍛え直して速さを獲得するようなことをしないとJリーグでは厳しい。 植田に関してはポテンシャルはDF陣で随一だというのは多くの人が認めるところだろう。攻撃好きの性格もあって三木に見切りをつけてレギュラーを外されていた植田を1トップにした方が良いのではと思ってしまうほど高さ、シュート力に優れており、問題は大ポカをしてしまうことだ。練習中から常に集中力を高めてミスを減らす努力をしていくしかないだろう。そして試合に使われ続けることによって自信を得ることで頼りになるDFになる可能性を秘めている。植田の課題は集中力の持続になる。 |
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