ボロホロほぼフォロー

なんだこのタイトル。今回は幌の修理の巻である。

-----ウチのジープ掲示板「VOJ Lover's BBS」より引用-----

[56]視界良好 - by おとうさん@大家族---2003/06/05/22:49

  
昨日になりますが、天気がよくて暑いくらいでしたので、
これ幸いと幌の補修をしました。
「サンルーフ」状の穴はふさぎ、すべての窓は張り替えて、
視界すっきり、中丸見えになりました。
リアカーテンの窓がリアカーテンいっぱいに近い大きさに
広げられていたので、幌生地でふさいで、ノーマルサイズくらいの
小さい窓に直しました。
幌はどうしても窓の劣化が激しく、定期的に張り替えないとならないので、
窓は小さめのほうがあとあと楽なのですね。
視界は少し狭くなりますが、どうせすぐ窓がにごって見えなくなる、という
現実もまたこれあり、というところで・・・。
Jeepは死角が多いので、皆さん注意しましょうね。 

[57]思わぬ落とし穴が! - by おとうさん@大家族---2003/06/07/21:55

・・・ってのも大げさですが、
今日、ちょっと時間ができたのでジープのカバーを外したら、
こないだ貼り付けた幌生地がぺろっとめくれていました。
はがれている部分は、まだ糊が「生」のような手触りでした。
これは、軟質塩化ビニールなどに溶剤系の塗料や接着剤を使ったときに典型的な症状です。
素材を柔らかく保つための「可塑剤」が、溶剤で溶け出してくるのです。
幌生地の接着は、テント屋さんに使っている接着剤を見せてもらって、
同じ成分系統のものを使っていましたが、それが違ったようです。
改めて、ビニール用の接着剤で補修しなおしました。
これでくっつかなければ、幌生地のコーティングはゴム系でもビニル系でもないことになります。
明日かあさってに見てみてどうなってるか。
で、幌を外したついでに、室内側から突ついて落ちるサビを落とし、室内を掃除しました。
やいやすごい。シート下の工具箱などは、部分的に「メッシュ」になってるし、
その他随所に、かなりの面積で通気と外部視界を確保してしまっています。
とりあえず、このままでは、遠からず床が抜けます。
一度タンクとかシートを外して、大掛かりな補修が必要ですね。

[61]幌完成 - by おとうさん@大家族---2003/06/10/09:42

ちょっと手間取りましたが、幌が何とかできました。
昨日は接着部を確認し、ちゃんとくっついていたようなので、
元々の水色に前オーナーがつや消し黒をスプレーしてまだら模様だった
外面を、カーキ色のペンキでオーバーコートしました。
内面はシルバーに塗られていますが、これはとりあえずそのままにして
おくことにしました。
で、ボディに固定するベルトのバックルがさびて落ちていたところを
ダブルDリング(手芸用品店で入手)を取り付けました。
出来上がった幌を取り付けてみると、ああなつかしや、15年前の姿がよみがえります。
とはいっても、ボディはまだぼろぼろなんですけどね。
すくなくとも、→のアイコンの姿には近づいてきました。
さ、次の休みはどこを攻めようか・・・。 
-----引用ここまで-----

というわけで、幌だけはなんとかそれなりにきれいになったわけだ。
今のところ、雨漏りもなく、きちんと機能している。

前の幌はとにかくボロボロで、「傘」程度しか用を成さない代物になっていた。
前に付いていたのはやはり純正の幌だったが、ジムニー(SJ30)から乗り換えたばかりの私は、まず、死角が多すぎる!室内が暗い!とばかり、窓の補修がてら、窓を大きくしてしまった。サイドカーテンはベストップばりに骨の部分だけ残して大きく窓を広げた。リアカーテンは、両サイドにも窓を開けて3つ窓にした。
この大きくてたくさんある窓が、後々の手間を増やすものだとは知らなかったのだ。
また、幌とボディをつなぐコットンのベルトはすでに何本かが擦り切れたり、バックルが錆びて崩れたりしていたのだが、脱着を簡単にするために、ベルトを外して、自転車の荷台などに使うようなゴムバンドとフックに交換した。確かに脱着は驚異的に楽になった。しかしおかげで、幌は自由にちぢむことができてしまい、5cm以上も短くなる羽目になったのだ。

知らぬというのは恐ろしいことだ、と思う。
それで懲りたので、今度の幌の補修に当たっては、サイド窓は元のまま(でも大きいと思うけど)、幌の前オーナーによりリアカーテンいっぱいに広げられていたリア窓は、幌生地でふさぎなおして小さな窓を開け、サンルーフとしてあけられていたらしき穴は幌生地でふさいだ。ベルトは金具がサビて崩れていたところは金具を交換し、きちんと張れるようにしたのだ。

幌の窓は、近頃何かと風当たりの強くなりつつある「軟質塩化ビニール」だ。非常に透明で、柔軟なのだが、それも新しいうちだけのことで、紫外線や風雨にさらされると、白濁し、硬化してくる。温度によっても暑いと軟化し、寒いと硬化する。なので、ちょっと古くなると、ガラスの前窓以外はほとんど紗がかかっている状態になって何も見えず、寒い日にはパリンと割れてしまったりする。
白濁した幌窓は、磨いても復活しない。白濁しているのは表面ではなく、内部だからだ。したがって、そのような劣化した幌窓の機能を取り戻すには、窓を張り替えるしかないのだ。
幌窓は、幌布と「ウェルディング」という溶着か、縫い付けで接合されている。溶着は力任せに引張ることで、縫い付けは糸を切ることで、どちらも簡単に窓を外すことができる。問題は、窓の取り付けだ。
テント屋さんに頼んでウェルディングで付けてもらえば一番確かなのだが、貧乏ジーパーはつい自分でやりたくなる。自分で何とかするには、縫い付けか接着のどちらかだろう。私は、接着で補修した。

接着は、「塩化ビニール用」と銘打たれた接着剤でなければ、絶対にだめだ。その他の接着剤の多くは軟質塩化ビニールにはそもそもくっつかない。
窓用のビニールは、少なくとも1mm程度の厚みがあるものを使う。DIYショップなどで、テーブルクロス用に程よいものがロールから切り売りされているはずだ。デスクマット用の2mm位の厚手もあるが、非常に高価になる。0.5mmとか0.3mmとかの極端な薄手を使うと、裂けやすく、劣化も早い。かといって、厚くしても結局は劣化するわけだし、幌布よりも丈夫でも仕方ないので、1mmよりも厚くする意味はないように思う。外した純正の窓は、1mm厚だった。外した窓はえてして硬化しているので、新品の同じ厚みのシートと比べると、新品のシートはへなへなしていて、薄いのではないか、と心配になって、ノギスで測りなおしたりしたものだ。
外した窓が原形を保っていれば、それを型にして新しい窓を切り出す。型紙を作っておけば、また何年後かに役立つだろう。窓の裏表、あるいは左右をまちがえないように、マスキングテープの切れっ端にでも書いて、貼っておくとよい。古くなった幌は、ひずみが出ていて、窓もきれいな方形ではなくなっていることがあるのだ。
窓を張り替える幌は、広くて平らな作業台に展開する。床の上などに直接置くと、接着剤がはみ出たりしてあとが厄介なので、安いコンパネなどを使うといい。幌はできるだけしわを伸ばし、かつ、無理に引張らない状態で、コンパネに画鋲で固定する。外した窓が原形をとどめていない場合は、この段階で幌の上に窓用シートを広げて、幌の窓穴から直接型を取る。その際、のりしろを取ることを忘れてはならない。窓を接着する部分をシンナーでさっと拭いてきれいにして、塩化ビニール用ボンドを、窓と幌の両方の接着面に塗る。塗った接着剤を少し乾かしてから、一気に圧着するのだ。このとき、幌窓は大きいので、全部を一気に施工するよりも、一辺ずつくらいの感じのほうがうまくいくかもしれない。圧着は、これでもか、というくらいに徹底的に圧力をかける。内装工事用のローラーがあれば最高だが、木やゴムのハンマーで叩いてもいい。何も道具がなければ「指圧」しかないが、おすすめはできない。すりこ木でも硬球でも湯飲みでもいいから、丸くて硬いものを転がすのが一番きれいに仕上がる。圧着後は、幌を張る前に接着面をよく硬化させる。あわてて幌を張ると、暑い日なら窓がじわじわずれてはがれてしまう。また、寒い日は接着や塗装といった作業にはまったく不向きなので、気温の高い日にじっくりやるのが望ましい。接着剤からは有機溶剤が揮発するので、室内で施工するなら換気を忘れてはならない。私は、天気のいい日に外で施工し、圧着ツールは木ハンマーと大きなソケットレンチを使用した。ソケットは本来の用途意外にも、ベアリングやブッシュの打ち込み型など、いろいろ便利に使えるツールだ。

ベルト固定の幌なら、バックルが錆びて崩壊するのがベルトの擦り切れよりも先にくるかもしれない。ベルトも補修できる。ベルトの取り付けは縫い付けなので、糸を切れば外れる。縫い付けには業務用のミシンがあればいいが、ふつうは持っていないので、手縫いで直す。その際、普通の縫い方、名前は忘れたが、一針ごとに表、裏、という縫い方では、強度が足りない。両面から互い違いに縫うか、登山用品店で、ザックや靴の修理に使う、ミシン針を使った「ソーイングオール」というのがあるので、それを使えばミシン縫いと同じ縫い方ができる。何針かごとに「止め」を作っておくと、糸が切れたときにすべてがほどけることを防止できる。 ベルトのバックルは、純正品なら、ベルトを外さなければ交換できないが、ベルトを交換するなら、ついでに交換すればよい。私のようなダブルDリングなどなら、ベルトを外さなくてもリングを開いて取り付けられる。いろいろなタイプの金具が、DIYショップ、手芸用品店、テント屋、登山用品店などで入手できる。

「ヒネリ」と呼ばれる、幌独特のホック金具も、修理できる。ヒネリ自体は、♂も♀もテント屋さんで「ジープの幌のヒネリ」といえば入手できる。♂の純正品は、裏板と2本のピンで止められているので、裏板と本体が残ってさえいれば、細いポップリベットで打ち直すことができる。交換する場合は、ハトメ式や耳を折るタイプなど、いろんな取り付け方のがあるので、自分で施工できそうなものを選ぶとよい。ウインドシールドの♂はねじ止めになっているが、これも三菱やテント屋で入手できる。裏のナットを締めるときは、本体を押さえる専用レンチがなければ、瞬間接着剤で仮留めするか、幌自体をレンチ代わりに使うことができる。ナットを仮締めしてから、ウインドシールドに幌をかけ、ヒネリを全部固定してやるのだ。それからナットを本締めする。テント屋さんの専用レンチでなければ、ヒネリ本体は薄い真鍮製なので、プライヤーなどでつかむとつぶれてしまう。

1981以降の純正幌やベストップなどのホックも、簡単に修理できる。古いホックを外すときは、ホックのハトメの開いている部分をドリルで削ってやる。新しいホックは、DIYショップや手芸用品店などで入手できる。ハトメを開くポンチも入手できるので、それで直してやればよい。

ベルト固定の純正幌はゴム引きの防水キャンバス地、ホック止めの幌やベストップなどの社外品はビニールレザーだ。裂け目などの補修は、パッチ当てが確実だろう。パッチを当てる場合は、接着剤の選定に注意する。ゴム引きならゴム用、ビニールレザーなら塩化ビニール用の接着剤でなければ、きちんと付かない。私が補修用に使った生地はビニール系のコーティングだったようだが、テント屋が使っているといって見せてくれた接着剤がゴム系だったため、当初私もゴム系の接着剤を使用した。その結果、一見付いたようでも実はくっついておらず、接着剤はビニールを軟らかくする「可塑剤」が溶け出して乾燥できないネバネバ状態で、はがれてしまったのだ。きちんと自分で材質を確かめなかった私が悪い。表側に貼ったので、元の幌のゴム引きには接着剤が付いてしまっているし、ゴムとビニールを上手く付ける接着剤はすぐには入手できない。しかたなく補修パッチを剥がして、幌の裏からビニール系の接着剤で貼りなおす羽目になった。
かなり大きな損傷でも、窓パネルが接着でもつのだから、窓の長さ程度なら接着パッチでもつと考えてよい。
幌の防水能力の劣化は、一時的には塗装でごまかすことができる。塗装の際、、特にビニールレザーには、軟質塩化ビニールに塗れる塗料でなければ塗ってはならない。ビニールの可塑剤が溶け出してきて、表面がいつまでもべたついてしまうのだ。ビニール壁紙用の塗料などが適当だろうが、壁紙用だけあって、明るいパステルカラーしかないのが難点といえば難点だ。高価だが、テント用塗料というのもあって、こちらはいろいろカラーがそろっている。接着程度ならば接着面をシンナーなどで脱脂すればよいが、大面積の塗装の前には、中性洗剤などでよく油分を洗い流しておく。シンナーなどで脱脂するとコーティングがいたむのだ。ディーゼル車の幌は油煙で汚れているはずなので、よく洗ってやらなければならない。私の場合、価格と性能の妥協点として、屋外用水性ペンキを使用した。幌の補修に使ったビニールコーティングの幌生地の上ではほんの気持ちべたつくが、べたつくか調べるつもりで触ればべたつくという程度で、ラッカーを塗ったときのように気になるほどのべたつきはない。水性とはいえ、雨に当たっても大丈夫だ。しかし、幌をたたんだ際に折り目を引きずるようにすると、塗膜が細かく剥離するようだ。

窓交換と穴補修後
穴をふさいで窓を張り替えたところ。
こちらの下の写真がこの幌の元の後姿。
リアカーテンの緑の部分が窓になっていた。
直したはいいが、窓がクリアー過ぎてちょっと恥ずかしい。
この翌日、緑の部分がはがれて、接着剤の選定ミスがわかった。

幌完成図
できあがり記念。上の写真と同じ幌ですよ。
幌がきれいなだけでずいぶんきれいに見える(と思う)。
掲示板で使っているアイコン→Jeepアイコンと同じ→Jeepアイコン化写真でしょ。

ボロからホロへ、やっとまともな屋根がついた。建物でいえば「棟上」が済んだというところか。
さて、穴だらけのボディをどうしてくれるか、だな。
VOJ (Very Old Jeep)復活作戦 「土に還る」へ