4DR5冷却系統図


4DR5エンジンの冷却系統図

今回は本編の復活作戦とは直接関係ないのだが、せっかく描いた図なので本編に入れることにした。
上は掲示板で冷却系統の話題が出た際、描いてみた「4DR5エンジンの冷却系統図」だ。
実体の観察と、4DR51のパーツカタログからの推定だが、まあ間違いないと思う。
後の年式では、図の「オーバーボードドレン」にリザーバータンクがつながれる。
ウォーターポンプの軸の先(図では左端)に付いているのは、ファンベルトのかかるプーリー。このプーリーに冷却ファンが共締めされている。

サーモスタットの「ワックスペレット」という部分に、パラフィン系のロウのようなワックスが入っている。
ロウソクでわかるとおり、ワックスは温度が上がると、温度に比例してかなり体積が増える。サーモスタットはその体積の温度変化をアクチュエータの動力として使っている。
水温が上がり、サーモスタットのワックスが膨張すると、頭がつかえているので、サーモスタットの軸は図では下のほうに伸びていく。軸にはメインのバルブと、先端にバイパスバルブかついている。軸が伸びるとメインのバルブは開き、ウォーターパイプからラジエターに冷却水が流れるようになる。同時に、メインバルブが閉じているときにウォーターパイプからウォーターポンプに冷却水を戻していたバイパスラインがバイパスバルブにより閉じられていき、冷却水をラジエターへ強制的に送るようになっていくのだ。
ヒーターのラインはサーモスタットの上流で分岐されているので、エンジンを出た直後の熱い湯がヒーターに送られていることがわかる。
ヒーターの構造はラジエターと同じなので、ヒーター作動中はヒーターでも冷却水の冷却が行われている。もっとも、流量はラジエターとは比べ物にならないくらい小さい。とはいえ、オーバーヒート気味のときは、夏でも我慢してヒーターを全開にすると、少しは冷却の助けになるのだ。
図のようなリザーバータンクのない冷却系統の場合、冷却水の量は、冷えた状態でラジエターのコア上面から20mm程度にして、ラジエターの上に空間を設けなければならない。さもないと、冷却水の温度膨張でオーバーボードドレンから熱い冷却水(というか熱湯)が噴き出す。
リザーバータンクがあれば、系統内が冷却水で満たされていても、温度変化による冷却水の体積変化はリザーバーが吸収してくれる。


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