Movie Review 1997
◇Movie Index

世界中がアイ・ラヴ・ユー('96アメリカ)-Nov 2.1997
[STORY]
ニューヨークで暮らすボブとステフィ(ゴールディ・ホーン)夫妻と子供たちの恋愛を描いたミュージカル。長女スカイラー(ドリュー・バリモア)は婚約者ホールデン(エドワード・ノートン)がいながら仮出所中のフェリー(ティム・ロス)に一目惚れ、ステフィの前夫ジョー(ウディ・アレン)は人妻(ジュリア・ロバーツ)に恋をした。彼らの行末やいかに・・・。
監督もウディ・アレン(『誘惑のアフロディーテ』
−◇−◇−◇−
ミュージカルって、どうして唐突に歌い出し踊り出のだろう?どの映画や舞台を見てもいつも私はそう思う。この映画もまさにその王道を行く作品である。宝石店でノートンや店員が歌い踊る。病院で患者や医者が歌い踊る。はたまた幽霊までもが歌い踊る(聞くところによるとドリちゃん以外は吹替ナシで役者本人が歌ってるらしい)その唐突さを笑いにしているというか、ひょっとすると風刺しているのかもしれない、と疑問に思わせるのがアレンの演出なんじゃないかな?と感じた。

またニューヨーク、パリ、ヴェニスの美しい街並みもロマンチックな気分にさせられる。パリの夜景をバックにホーンとアレンがダンスするシーンが1番気に入った。ホーンはやっぱり若いなぁ。
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ベストフレンズ・ウェディング('97アメリカ)-Oct 23.1997
[STORY]
「お互い28歳になって未婚だったら結婚しよう」と約束したジュリアン(ジュリア・ロバーツ)とマイケル(ダーモット・マルロニー)2人ともうすぐ28歳というある晩「今度の日曜に結婚する」とマイケルから電話が。相手は20歳のキミー(キャメロン・ディアス)ショックを受けたジュリアンは友人でゲイのジョージ(ルパート・エヴェレット)のアドバイスを受け、彼の元へ乗り込んだ・・・。
監督P・J・ホ−ガン(『ミュリエルの結婚』)
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何といってもR・エヴェレットがいいっす!誰が1番印象に残ったか?と聞かれたら絶対に彼を挙げる。それほど出番が多いわけではないが、要所要所でやってくれる、まさに「おいしい役」だ。私の隣に座っていた女性は映画終了後、彼氏の前だというのに「ジョージかっこいい!」を連発していた(笑)またマイケルの弟や、キミーの友人姉妹など脇役のちょっとしたシーンが笑える。みんなで『ちいさな願い』を歌うシーンがすっごいいいし、ラストをこういう終わりかたにしたのもいいな。

で、主役のロバーツだけど、マイケルの結婚を破談にしようと姑息な手をバリバリ使う、はっきり言って嫌な女だ。でもそれほど憎めないのは彼女のキャラクターなのだろう。しかし老けたし髪型も古臭い。若くてスタイル抜群のディアスと並ぶと魅力半減。ディアスのカラオケシーンはホント可愛いもん。この時点で負け。
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スノーホワイト('97アメリカ)-Oct 18.1997
[STORY]
富豪ホフマン家の主人フレデリック(サム・ニール)がクラウディア(シガーニー・ウィーバ)と再婚することになった。先妻の娘リリーは彼女が気に入らない。またクラウディアもリリーの若さと美貌、そして先妻に次第に似てきたことに嫉妬した。何年か経ち、クラウディアは妊娠するも流産してしまう。それがリリーの所為だと思い込み、憎悪を滾らせ彼女を殺そうとする。
監督マイケル・コ−ン(『犯罪心理捜査官』(TV))
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やったぜシガーニー!クラウディアとしてでなく、女優シガニー・ウィーバとして最初から最後まで見てしまった(それがいいのか悪いのか、だが)毒リンゴを手に老婆姿で現れるところは拍手喝采モノである。腰を屈めているとはいえ180センチの長身の老婆は笑える(笑)これがやりたかったんだろうなぁ。『101』でデ・ビルを嬉々として演じたグレン・クロースと間違いなくタメ張れるだろう。ただ、そんなシガニーに頼りすぎたとしか思えないくらいストーリーは面白くない。残虐な物語と聞いていたからどんなものかと思えばそれほどでもないし、ほかの登場人物はイマイチ。うーん・・・仕事選べよサム・ニール。

この映画、日本ではちゃんと劇場公開されたというのに、本国アメリカではTV放映のみだったんだって。しかも子供が見られないような時間に。シガーニーも「私の娘には見せられないわ」とのたまったそうな。ひでぇ!
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ブエノスアイレス('97香港)-Oct 14.1997
[STORY]
ゲイのカップル、ファイ(トニー・レオン)とウィン(レスリー・チャン)は、2人の生活をやり直すためにアルゼンチンのブエノスアイレスへやって来た。これまで何度となくケンカ別れしては、ウィンの「最初からやり直そう」という言葉で元の暮らしに戻る2人。ある時2人はイグアスの滝を見に行く途中また口論になり、何度目かの別れをするが・・・。
監督ウォン・カーウァイ(『恋する惑星』)
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ウォン・カーウァイ監督の作品はそれほど好きではない。『恋する惑星』や『天使の涙』の、あのお洒落だが中身のないところ、登場人物の誰にも共感できないところがである。しかしそのスタイリッシュな映像と、香港らしくない、今までの香港映画とは違うところは好きだ。

今回、舞台がブエノスアイレスなのに香港臭さを感じるところが逆に面白いと思った。また内容だが、傷ついた男が女に甘えるように男に復縁を迫り、またその男を受け入れてしまう男は甲斐甲斐しく食事を作る。そして時に男同士の派手な喧嘩が始まる。男と男が、ある時は女のようになり、また男になり・・・そして見ている方は男同士のカップルということを忘れてしまう、というよりどうでもよくなってしまう。演出と2人の役者の凄さを感じた。ただ逆に言えば延々と痴話喧嘩を見せられているような感覚も無きにしもあらず。ハマる人とハマれない人の差は出るだろう。私はその中間かな。
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Lie lie Lie('97日本)-Oct 13.1997
[STORY]
写植屋の波多野(佐藤浩市)の元に高校時代の同級生、相川(豊川悦司)が現れる。彼は商事会社の社長だというが、実のところはただの詐欺師で、ちゃっかり波多野の家に居候まで決め込む始末。ある時、相川は波多野を誘って出版社を騙そうとする。その対応に当たったのは女性編集者の美咲(鈴木保奈美)だった・・・。
監督・中原俊(『櫻の園』)
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中原俊監督6年ぶりということでとても楽しみにしていた作品だ。『櫻〜』も『12人の優しい日本人』も大好きな作品だったので・・・そうか、あれからもう6年か・・・などとしみじみしている場合ではないけど(笑)

今回も思わずニヤリなキャスティングが主役から脇役までズラリと顔を揃えているので、ほんの1シーンでも見逃せない。ストーリー展開もいい(原作に忠実らしい。残念ながら未読)ただちょっと長い。2時間3分なのだが、あと10分くらい短かくしても良かったと思う。半分トヨエツ目当てだったのけど、役柄は佐藤浩市のほうが気に入った。

そしてこの映画の名言はやっぱり(ネタバレじゃないけど反転します)美咲の「ウンコ召し上がれですわ」(「クソ食らえ」の丁寧語)だな(ここまで)
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