捕手のゲームメイク トップページへ
指導者(監督やコーチ)が、チーム全体で、一番物足りなさを感じるのは、かなりの確立で捕手です。そのため、捕手は、見ていてかわいそうなくらい叱られる事が多くなります。
守備において、捕手の判断や指示は、戦況を大きく左右する重要なものとなります。そのため、強くないチームでも、ハイレベルな判断を要求される事が多くなるのです。
まぁ~、ここまでは、誰でも知っている事ですね。しかしながら、実際は、このハイレベルな要求に応えられる選手は殆どいません。凡才先生の主観ですが、本当に優秀な捕手の比率は1%未満です。つまり、「100人の捕手がいても、優秀な捕手が見当たらない事もある」と言う事です。こんな感じですから、どこのチームでも、捕手はよく怒られるものです。
では、どうすればいいのか? この項では、技術よりも、考え方を中心に解説いたします。
指導者とのコミュニケーション
優しい指導者なら楽かも知れませんが、厳しいなら厳しいなりにメリットもあります。大事な大会で、強い相手と対戦した時に、この厳しい指導者とのコミュニケーションが、結果を出すための鍵になります。
例えば、ノーアウト満塁は大ピンチです。当然、相手は「押せ押せ」で来ますから、そのままでは圧倒的に不利です。こんな時は、厳しさを知らない捕手では、お手上げなのですが、厳しさを知っている捕手なら、普段の方が大変なのですから、十分戦えます。
指導者が厳しい状況は逃れる事は出来ません。試合でも、厳しい場面は逃れる事は出来ないのです。厳しい指導の下で学ぶべきは、どんな状況でも、「へこまず・くさらず・投げ出さず。」前向きな気持ちを持ち続ける事です。この経験は、野球のみならず、一生の財産になるでしょう。
余談)
口うるさい指導者の多くは、結果主義です。自分の指示に従っていても、結果が悪ければ、叱ります。逆に、結果が良ければ、指示通りではなくても、派手に怒る事はありません。それから、ポジティブな者は叱りが少なく、ネガティブな者は叱りが多くなる傾向があります。たとえ、困難な指示があったとしても、自分自身を見失う事のないように心がけましょう。
声かけ
勝ち負けのあるスポーツに共通するのは、良い意味で、相手を騙す必要がある事です。時には、相手だけではなく、味方も騙し、さらには、自分を騙す事も必要です。
とは言っても、難しい事は考える必要はありません。自分を含め、チームメイトが「ポジティブ(前向きな気持ち)」になるためには、どうしたら良いか?を考えるのです。当然、現実は厳しいわけですから、「うそ」をつかなくてはなりません。ここで言う「うそ」は、メンタルコントロールそのものです。
ピンチの時に、投手を「騙す」例
「出たランナーはしょうがないから、この打者は打ち取ろう」
「びびってると格好悪いから、格好良く行こう」
「次のバッター、変な顔してるよな!」
「ここを抑えたら、今日のヒーローはお前だ!」
「昨日の晩ご飯、何喰った?」
「今夜の歌番組にAKBが出るらしいぞ!」
等々、緊張を和らげる事だったり、奮い立たせる事だったり、色々ありますが、言葉自体に大した意味は必要ありません。必要なのは、ポジティブだけです。
ピンチの時に、野手と打者を「騙す」
例1
右の4番を迎えた場面などで、「三遊間行くよ~」と、声をかけて、真ん中から少し逃げる速球系のスライダーを投手に要求する。
これは、野手に声をかけていますが、実際には、バッターに聞かせて、インコースを意識させるためのものです。内角を意識させられた打者は、早くバットが出てくる確率が高くなり、少し変化しただけでも、引っ掛けてしまう事が多くなり、結果として左方向へのゴロが多くなります。多くは使えませんが、大事な場面で、打ち気満々の打者なら、かなりの確率で罠に落ちます。
例2
2塁や3塁にランナーがいる場面で、「外野バックホーム!」と声をかける。
よくある場面ですが、この声を聴いた打者の多くは、外野への打球を意識させられます。つまり、大振りになりやすくなりますので、緩急の対応が難しくなります。早い球を見せて、少し抜いた球を打たせたり、変化球を見せて、高めの速球でフライを打たせたりする可能性が高まります。
他にも、速球のハイボールを見せてから、投手に「真ん中で良いから落ち着いて!」と声をかけ、真ん中から逃げるスライダーとか、外角のスライダーでカウントを整えて、投手に「いいね~!、今日はスライダー切れてるね~!」と声をかけ、インコースで高さは真ん中のストレートを要求し、ピッチャーゴロを狙う事もできます。
声掛けは、味方に対して行うものですが、相手も聞いているわけですから、これを積極的に利用するべきでなのす。
凡才先生が現役時代は、捕手の声掛けは、打者を騙すためのものだと思っていましたので、罠にかからないよう注意していました。
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