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走塁のスタート
打者が打った場合の走塁で、最も大切なのは、事前の心の準備です。どんな打球がどこに飛んだらどうするか。沢山のパターンがありますが、迷わないものは考えなくても出来ますので、迷いそうなものを、試合状況によって事前に判断しておきます。
迷いそうなものとは、進塁を狙って、セーフになれるか微妙な場面です。最初からどうなるか分かりませんので、考え方としては、多少の危険を冒してでも、狙わなくてはならないのか、危険を冒す必要が無いのかを、投手が投げる前に決めておく事です。
迷いは選手の判断を鈍らせ、体の動きも鈍らせます。本来、正しい選択だったとしても、一瞬の迷いが、最悪の結果にしてしまう事も少なくありません。しかし、結果的に幸運な場面の多くは、選手が迷わず行動した時に多いものです。
盗塁のスタート
走塁・盗塁ともに、スタートはとても重要です。日本プロ野球最多盗塁(世界2位)記録を持つ、福本豊さん(通算1065盗塁、2位の広瀬叔功さんが通算596盗塁)は、跳びぬけて足が速かった訳ではありませんが、スタートを良くする為の工夫があったようです。
福本豊さんが実戦していたスタートを良くする為の工夫の一つは、投手を分類する事です。具体的には、セットに入ってから投球するまでの時間を、頭の中でカウントし、一般的・早い・遅い、の3種類に分類し、スタートの為に集中する時間をコントロールしていたそうです。
タイプ |
早いタイプ |
一般的なタイプ |
遅いタイプ |
投球までの時間 |
2秒未満 |
3秒前後 |
4秒以上 |
タイプ別に、スタートの為に集中する時間をコントロールし、他の時間は、牽制させたい意識があったため、戻る意識を多めにしていたようです。
毎回、同じではありませんが、こんな意識で投手を見ていると、投球しそうな「ふいんき」や、牽制しそうな「ふいんき」を感じやすいそうです。特に、相手が緊張している場面(攻撃側にはチャンス)では、高い効果が期待できるようです。
投手のリズムを把握しておく事で、3盗成功率を上げるための予備動作(予備スタート)が容易になります。
このように、牽制されるのではなく、牽制させる意識をベースにして、盗塁を考えると、スタートが非常にスムーズになるようです。