1塁のリードと盗塁               トップページへ

牽制は、されるのではなく、させるもの。

 「いつ牽制されるのか?」なんて考えていたら体が動きません。受身では、相手に主導権がある事になり、有利な状況とは言えません。安全な距離を確保しながら、牽制をさせる意識が大切です。牽制を誘う意識があれば、盗塁のサインが出ていなくても、相手には走りそうな「ふいんき」に感じられます。

牽制させる意識がもたらす効果

  1 相手投手が打者に集中しにくいため、投球ミスの可能性が増し、打者の援護になる。
2 常に走りそうな「ふいんき」があるため、実際に走る場面と見分けにくい。
3 常に走りそうな「ふいんき」は、守備側の打球への集中力が低下しやすい。
4 沢山牽制をさせる事で、投手の癖が分かりやすくなる。
5 牽制暴投で、進塁出来る事がある。
6 沢山牽制してアウトが取れないと、回が進むにつれて、牽制が減り、仕掛けやすくなる。

つまり、1塁でのリードの基本は、投手に沢山牽制させる事です。これは、盗塁のサインが出ている場面でも変わりません。

 バッテリーの判断、技術ともに完璧な場合でさえ、冷静な走者をアウトに出来る確立は50%程度です。総合的な状況を考えると、実際の盗塁に成功する平均的確率は70%前後となります。

しかし、走者が冷静でない場合は、成功率は大きく低下しますので、冷静である事がとても大切です。

走者が冷静である事とは?

 盗塁しない場合は、戻りの意識が100%です。前述のとおり、牽制させる事が前提になりますので、投手が動けば戻る・投手が動けば戻るの繰り返しです。盗塁する場合でも、戻り7割スタート3割くらいの意識で上手くいく選手が多いようです。常に、戻りの意識を多めにしておく事で、牽制への不安を軽減でき、結果として、体の反応が良くなって、スムーズなスタートを切る事が出来ます。

投手の癖

 投手の癖は、見ると言うより、感じるものです。何度も対戦する相手ならともかく、初対戦の多い学生野球では、特に、感じる事が大切です。

 この、感じる力は、不安が大きい状態では弱く、冷静な時には研ぎ澄まされるものです。安全な範囲で、大き目のリードをするわけですが、牽制が前提なのですから、走者の意識の大半は「戻る」になっています。大き目のリードは、投手には不安なものです。つまり、投手は不安で走者は冷静、と言う有利な状況になります。この状況は、投手の癖が出やすく、走者はそれを感じやすい状況です。不思議なもので、こんな時は、投手の感情がリアルに伝わってきます。最速のスタートなんて考えていなくても、俊敏なスタートになる事が多いものです。

帰塁

 分かっていると思いますが、リードは、ベースとベースの延長線上よりも、少し後ろに下がります。なぜ、下がるのかと言うと、帰塁の時に、体が左反転しますので、その分を計算した上で、タッチが遠い位置に帰塁するためです。

 


スタートは全力で走るな!

 スタートで気合が入り過ぎると、トップスピードになる前に前傾姿勢が崩れてしまいます(上体が起きてしまう)。これでは、一生懸命走っても早く2塁に到達する事は出来ません。2塁への盗塁は、止まった状態からのスタートですので、スタートからトップスピードまでの加速が成功の鍵になります。
 
前傾姿勢が崩れなければ、その分、前に進む事が出来ますので、前傾姿勢が崩れない程度に加速を加減した方が、結果的に早くなります。理屈で実行するのは難しいので、凡才先生流のイメージを紹介します。

1)忍者スタート
 忍者は、音を立てずに、風のように走るイメージがありますので、自分が忍者になったつもりで練習すると、以外に効果が有ります。(凡才先生の経験では、多くの選手に改善が見られます。)

2)高回転スタート
 トップスピードになるまでは、歩幅は小さくて構わないので、とにかく、足の回転を速くする練習です。大柄な選手は、歩幅が大きい事が多く、前傾が崩れやすいので、これだけでも、かなりの効果が期待できます。


参考動画
盗塁王で有名な福本豊さんは、足の速い選手ではありませんでしたが、驚異的な加速を身に付け、プロになってから盗塁が上手になった選手です。
【野球替え歌】福本豊が倒せない



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