タッチアップとハーフウェイ トップページへ
3塁のタッチアップは、距離+可能性で判断します。
距離
外野フライは、どの位置でも自分で確認出来ますし、スタートするかどうかは、サードコーチャーの判断ですので、基本的にはサードコーチャーの指示に従います。しかし、ランナーにも、心の準備は必要ですので、必ず、外野の守備位置を確認しておきましょう。それぞれの守備位置を確認したら、それぞれの位置にフライが上がった場合、タッチアップが可能かどうか事前に判断しておきます。
例1) レフト・センターは可能だが、ライトは浅いので、正面では不可
例2) 全て、浅い位置のバックホーム体勢なので、正面では不可
これに、可能性が加わります。可能性が低いのは、バックホーム送球しやすい状態で捕球出来る場合のみです。それに、送球ミスや中継ミスの可能性も低くありませんので、微妙なものは、基本的にGO!です。
考えてみて下さい。1塁から盗塁する場合、わずかなリードからスタートして2塁を狙います。1・2塁間と3・本間距離は同じですから、送球の距離で置き換えると、投手-本塁間18.440m + 本塁-2塁間38.795m = 57.235mで、リードの分を考慮しても、70m程度です。守備位置では、だいたい、レフトの定位置付近です。更に、正確なバックホームになる可能性も考えると、レフトの定位置付近まで打球が飛んだ場合、例え、正面で捕球したとしても、タッチアップ成功率は高いと言えます。
レフトやライトに比べ、センターの定位置は、最初から距離がありますので、タッチアップ成功率は、更に確率は高くなります。
横に走りながらの捕球や、後退しながらの捕球は、万全な送球が難しいため、浅いフライでも、タッチアップ可能な場合があります。
タッチアップとハーフウェイは、塁上のどこにいる時でも可能です。理屈では分かっていても、3塁はタッチアップ、他はハーフウェイのイメージが強いのではないでしょうか?実際の試合でも、こうなる場面が多いですし、そうした方が無難ではあります。しかし、上位チームでは、相手の隙を突き、値千金の走塁をする選手もいます。
例1
3回裏の攻撃、0対2で相手リード、ノーアウト1・3塁だとします。2点リードされている場面ですから、同点逆転の期待が出来ます。ここで、打者が、レフト定位置付近のフライを打ったとします。通常は、3塁ランナータッチアップで、1塁ランナーハーフウェイが定石ですが、ホーム突入に失敗した場合、得点が無い上、レフトフライと合わせて、2アウト1塁となり、相手守備は、一気にピンチを脱した状況になってしまいます。
しかし、1塁走者がタッチアップに成功して2塁に進塁していたら、ワンチャンスで1点の可能性があり、ピンチを脱したとは言えません。味方が0点の状況では、1点取れると取れないとでは、精神的に大きな違いがあります。
ホームがセーフになった場合は、1点入って、1アウト2塁ですから、打者は、的を絞ってじっくり攻める事が出来ます。
*注意*
実力のある相手だった場合、中継がバックホームするふりをして、1塁走者をアウトにしようとしてくる場合があります。これは、「1点やっても2点目はやらない」と言う意思表示です。ある程度、得点できる自信があるチームは、「1試合を、3点以内に抑える」とか、「1試合を、5点以内に抑える」と言うように、失点範囲に明確な意識を持っていますので、ピンチの場面でも、無失点ではなく、最小失点の守備でくる事があり、強豪相手の試合では、こちらが隙を見せないように注意が必要です。もし、隙を突かれて1塁走者がアウトになったら、1点取っても、「2アウトランナー無し」となり、2点目が取れる可能性は激減します。
例1で、タッチアップの判断が可能な条件
1) レフトがミス無く捕球出来る可能性が高い場合(分からない場合は、ハーフウェイ)
捕球ミスの可能性が殆ど無い時は、1塁に戻り、タッチアップの準備
捕球したら、スタートしながら次の状況を確認
2) レフトがバックホーム
レフトが直接バックホームした場合は、そのまま2塁に行きます
中継に送球した場合でも、ホームのタイミングが微妙(クロスプレイになりそう)で、中継がバックホームしたら、そのまま2塁に行きます
ホームがセーフになりそうな場合は、中継から1塁走者の方へ転送される可能性がありますので、1塁に戻れる範囲でリード(ハーフウェイ)し、状況を見ます。
2塁からのタッチアップ
レフト正面のフライでは、3塁への距離が近いため、ハーフウェイで良いのですが、それ以外は、タッチアップを狙い、最低限、スタートは切りましょう。スタートの段階で相手が油断しているようであれば、成功する可能性もありますし、後退して捕球する場合やセンターより右に飛んだ打球は、ホームへの距離と変わりませんので、成功率も高くなります。
飛球の落下地点と距離がある時はタッチアップの準備
抜ける可能性がある場合は、状況により、判断も変わりますので、微妙な場面に備え、事前に、ある程度決めておく必要があります。無理が必要ない場面では、ハーフウェイ、積極的に行くべき場面では、「タッチアップを狙い、スタートを切ってから、無理そうな場合は戻る、行けそうな場合は行く」が良いでしょう。
高く上がったフライの落下地点が遠い場合で、抜ける可能性が低い時は、積極的にタッチアップを狙いましょう。相手が強豪チームなら、落球の可能性は殆どありませんし、味方のチャンスも多くはありません。目立たないプレイですが、接戦では、走塁の良し悪しが、勝敗を分ける事が以外に多いものです。
ハーフウェイ
ハーフウェイは、主に飛球の落下地点と走者が近い場合に行います。目的は明確で、取ったらバック、落としたら進塁です。落とした場合は、送球に時間が掛かりますので、走塁ミスになる事は少ないものです。殆どのミスは、戻れる範囲を超えてしまっている場合に起こりますので、戻れる範囲である事が、ハーフウェイの基本です。
走塁が大切な理由
走塁に隙が無いチームは、1点の重みを、よく理解していると言えます。ノーアウト1塁で、後続に3割打者が3人いても、3アウトまでの平均安打数は約1本ですから、ナンナーが1塁にいたままでは、長打でなければ、点は入りません。しかし、ランナーが2塁なら、長打でなくても、点を取れる可能性は非常に大きくなります。
参考(単純な確率です)
ノーアウト1塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 20%以下
全員が2割打者 10%以下
ノーアウト2塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 60%以上
全員が2割打者 40%以上
1アウト2塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 40%以上
全員が2割打者 30%以下
2アウト2塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 20%以上
全員が2割打者 10%以上
ノーアウト3塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 90%
全員が2割打者 60%
1アウト3塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 60%
全員が2割打者 40%
2アウト3塁の場面で、点を取れる確率(進塁打も長打も出なかった場合)
全員が3割打者 30%以上
全員が2割打者 20%以上
このように、走者がどこにいるかで可能性は大きく変化します。バントで送ってもらう場面も含めて、練習の段階から、隙のない走塁を心がけましょう。
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