走塁と盗塁の基本               トップページへ

走塁の基本

 走塁は、左回りに走ります。遠心力が、体の右方向(外側)に働きますので、何も考えずに走ると、軌道が大きく膨らみ、長い距離を走る事になりますので、ベースへの到達が遅くなります。直線を走る場合と違い、走り方によって、速さが大きく変わります。

固定ベースの場合は、ベースが動かない事を最大限に生かしましょう。ベースを踏む時に、体を左側(内側)に傾ける事で、遠心力に対抗出来ますが、全力で走っているだけでは、うまく傾ける事が出来ません。

 走塁は、前傾姿勢を崩さずに走ります。(上体が起きてしまうと、バランスが取りにくくなり、外へ大きく膨らむ事が多くなります)ベースに近づいたら、ほんの少し速度を落とし、胸を左(内側)に向けます。すると、体が大きく左に傾きます。十分傾いた瞬間にベースを蹴る事が出来るように、ほんの少し速度を落とすタイミングを調整して下さい。タイミングが合わせられるようになったら、次の手順です。

体が左に傾くと、コースも左方向に行きますので、その分を、最初から右に修正しておきます。つまり、次のベースが狙える場面では、最初から、これから通過するベースの少し右に向かって走るのです。体を傾けてからベースまで、斜めに23歩走りますので、見た目には、大股で1歩〜1歩半くらい右が良いと思いますが、選手の脚力によりますので、個々に合った修正を行いましょう。

 ベースを蹴る前に、ほんの少し速度を落としていますので、ベースを蹴る所からは加速します。ベースを蹴る所では、遠心力も最大になっていますので、次のベース方向と言うよりは、次のベースとマウンドの中間(次のベースよりも内側)方向に向かって走るくらいのイメージが良いでしょう。遠心力が加わる間は、遠心力と戦いながらの加速ですので、強靭な脚力が必要です。遠心力から開放されたら、そのまま次のベースに向かいますので、そこからは直線的に走ります。

移動ベースの場合は、ベースが動くため、外側に蹴る事が出来ません。(外側に蹴ると、ベースが滑って危険です)ベースを踏む瞬間は、遠心力に逆らわないようにしなくてはなりませんので、加速は、ベースを踏む所からではなく、ベースを通過した後に行いましょう。

固定ベースでは、ベースの3歩ていど手前で少し減速し、ベースから加速しますが、移動ベースでは、ベースの1歩ていど手前で少し減速して、ベースを通過してから加速すれば、ベースで転ぶ事無く、早い走塁が出来ます。

盗塁の基本

 塁上では、自分がやりたい事の「ふいんき」を、守備側に気付かれてはいけません。監督が盗塁のサインを出せば、警戒されていようと無かろうと、走らなければなりません。いつ、盗塁のサインが出ても良いように、常に心の準備をしておき、実際に盗塁のサインが出ても、落ち着いて行動出来るようにしておかなければなりません。

 実際の盗塁は、出塁してからでないと出来ませんが、シュミレーションならベンチにいても可能です。

牽制は、されるのではなく、させるもの。

 「いつ牽制されるのか?」なんて考えていたら体が動きません。受身では、相手に主導権がある事になり、有利な状況とは言えません。安全な距離を確保しながら、牽制をさせる意識が大切です。牽制を誘う意識があれば、盗塁のサインが出ていなくても、相手には走りそうな「ふいんき」に感じられます。

牽制させる意識がもたらす効果

1) 相手投手が打者に集中しにくいため、投球ミスの可能性が増し、打者の援護になる。

2) 常に走りそうな「ふいんき」があるため、実際に走る場面と見分けにくい。

3) 常に走りそうな「ふいんき」は、守備側の打球への集中力が低下しやすい。

4) 沢山牽制をさせる事で、投手の癖が分かりやすくなる。

5) 牽制暴投で、進塁出来る事がある。

6) 沢山牽制してアウトが取れないと、回が進むにつれて、牽制が減り、仕掛けやすくなる。


第2リードとは?

 第2リードは、非常に重要です。大きいリードが出来ない選手でも、第2リードは、しっかりやってもらいたいものです。

 投手がホームに投げたら、打者が打つかも知れませんし、捕手がそらすかも知れません。そのため、少しでも次の塁に近づいておく必要がありますので、第2リードの考え方は、ハーフウェイと同じです。

第2リードの仕方

 第2リードは、盗塁のスタートのみの状態です。試合をしながら盗塁のためのスタートを練習できますので、実際に盗塁する時に非常に役に立ちます。しかし、捕手から各塁に送球される事もありますので、帰塁を迅速にする事も大切です。帰塁に使える時間は、投手→捕手→各塁の送球間ですから、以外に大きく出る事が出来ます。しかし、実際には、帰塁が間に合わず、アウトになってしまう選手もいます。帰塁が間に合わない選手は、帰塁を始めるタイミングが良くありません。帰塁開始は、捕手が投げてからではありません。捕手が捕球したら、すぐに帰塁です。

 実際のイメージは、投手がホームに投げたらスタートし、捕手が捕球するタイミングに合わせて一旦止まる(リードの状態を作る)。捕手が捕ったら直ちに帰塁。打者が打ったり、捕手がそらしたら、再スタートして次の塁に進塁です。

 走塁や盗塁で、アウトになってしまう場合の多くは、ほんの1〜2歩足りないだけです。この1〜2歩の違いが接戦に強いか弱いかの分かれ目でもありますので、普段から、1歩の大切さを意識しながら練習しておきましょう。


トップページへ