スライダー(カーブ)打ちのコツ                 トップページへ

出だしの高さを基準にした上下判断

 縦スライダーやフォーク等の落ちる球に有効です。

 変化球打ちに共通する事ですが、投球練習や他の打者の時に、曲がり具合や落ち具合を事前に把握しておく必要があります。

 相手投手がブルペンの投球練習する時は、変化球の曲がり具合を必ずチェックしておき、打つべき高さに来る投球の最初の軌道と、振ってはいけない高さを覚えておきましょう。

参考図1(大きい変化)

参考図のように、大きい変化の場合

  @より上でストライクになるのは、BCのスライダー(カーブ)のみ
  @〜Aでストライクになるのは、ストレートのみ
  D以下のスライダー(カーブ)は、ボールになる

つまり、打つべき球は、@より上はスライダー、@より下はストレートと判断する事が出来ます。@付近以外は、黄色腺の、早い段階で判断できますので、十分に対応出来ます。

 図1の通り、@付近は判断が難しくなりますが、2ストライクまでは、打てる可能性の高い方を待つか、来る可能性の高い方を待つかを決めておく事ができ、判断が難しい範囲が小さい場合は、打たずに見逃す方法もあります。

参考図2(小さい変化)

参考図1に比べて、小さい変化は判断の難しい範囲が広くて、中途半端なスイングになりがちです。しかし、小さい変化球の多くは、球速の変化も小さい事が多く、考え方次第では、強気に行く事も出来ます。

 2ストライクまでは、配球を予測し、合っていれば強打、違ったら空振りでも、ファールでもOKです。まずは、しっかり打ちきる事を目指しましょう。配球目的の多くは、外からストライクゾーンに入れてくるか、甘そうなコースから曲げるかのどちらかです。他の打者への配球を見る時は、見逃して欲しい球なのか、振って欲しい球なのかを考えながら見ると、傾向が分かりやすいでしょう。

 小さい変化しかない投手の場合、2ストライク以後、基本はストレート待ちです。少なくとも、下半身はストレートのつもりで準備しましょう。しかし、強打を意識し過ぎると変化に付いて行けませんので、センター方向にクリーンヒットを打つようなイメージが良いでしょう。この意識があれば、変化した場合でも、丁寧にバットに乗せるようなスイングをすれば、結構付いて行けます。


スライダー(カーブ)打ちの練習

基本

 落ちるものは、下にバットを出すような(縦スイング)意識が大切です。横スイングでは、ミートポイントが作れずに迎えに行ってしまいますので、上から高めに来るもの意外では、とても重要です。更に、大きくスイングして、しっかりバットに乗せる事も重要です。引っ掛ける打球が多い場合は、バットの芯よりも近い場所(詰まり気味)で捕らえるように意識すると、ミス打球が激減します。

ティーバッティング

 実際の軌道に近づけるため、ショート方向から投げてもらいましょう。(左投手のイメージはセカンド)硬いボールを使用する場合は、危険ですので、投げる人の前に必ず防球ネットが必要です。防球ネットから手だけ出して投げてもらいましょう。打者のレベルや投げる人の球によっては、どこに行くか分かりませんので、周囲にも十分な配慮をして下さい。(練習自体は柔らかいボールで十分ですので、柔らかいボールを推奨します)

 基本的に、ショート方向から、外角いっぱいに投げてもらいます。球速はランダムで構いませんが、山なりを多めにすると良いでしょう。

 実際に外角にボールが来た場合は、できるだけ低い位置(ベース付近まで呼び込む)でボールを捕らえましょう。内角にボールが来た場合は、低い位置(呼び込む)でミートポイントを作る事が出来ない場合もありますので、この場合は高い位置で構いません。

 この練習のポイントは、打球の強さよりも、飛球方向を意識する事です。自然に右中間かライト方向にコントロールできるようになれば、実際の打席でもそうなります。

フリーバッティング

 フリーでスライダー(カーブ)を打つ時のポイントは、インコースはセンター方向を意識し、真ん中から外角は右方向を意識する事です。飛球方向がコントロール出来るようになるまでは、この意識が役に立つでしょう。(若干ですが、ボールの回転方向の影響を受けますので、飛球方向が、ストレートのイメージよりも、やや左にずれます)


出だしのコースを基準にした左右判断

 上下判断を左右に置き換えたもので、右対右や左対左の場合は、特に有効です。自分の体を基準にして、打つべきコースに来る球と、打ってはいけないコースになる球を、出だしのコースで判断します。


ここがポイント

ポイント1
 変化球の多くは、多少なりと落ちるのが普通です。そのため、ミス打球の多くはボールの上を叩いてしまいます。落ちるボールに逆らって、横スイングのままポイントを前にしようとしがちですが、実際には、引き付けて落ちきった位置でなければ良い打撃姿勢は作れません。(上から高めに入ってくる球は、タイミングに注意して、ライナーを打つ意識さえあれば、直球の場合とあまり変わりません。)
 そのため、練習では、落ちきった位置を予測し、バットの芯よりも少し詰まり気味で捕らえるような意識が大切です。更に、ボールが落ちきった位置にバットを持っていくために、バットのスイング角度を大胆に下向きにしましょう。感覚を掴むため、最初はゴルフのようなイメージでも構いません。
 相手投手の変化球を見て、スイング角度のイメージが出来るようになれば、変化球への苦手意識は無くなっているでしょう。

ポイント2
 変化球には、大きく分けて2種類があります。一つはストライクを取る為に見逃して欲しい球。もう一つは、振って欲しい球です。どんな変化球でも、バッテリーにはどちらかの意識がありますので、投げるコースにも偏りが出てきます。打つべき球と、振ってはいけない球を事前に判断しておくためにも、他の打者が打席に立っている時には、これを意識して見ておく必要があります。

ポイント3
 右対右や左対左の場合ストライクゾーンに入ってくる球は、そのコースに対してバットが直角になるなるような意識を持ちましょう。結果的には引っ張る事になりますが、普段、引っ掛けてしまう選手にしてみれば、かなり、窮屈な角度になりますので、スイングすると言うより、押し出すようなイメージです。ストライクゾーンから逃げて行く球は、センター方向を意識しましょう。(結果としてライト方向やレフト方法へ飛んでも構いません。意識の問題です。)体勢が崩れても、最後まで、この意識があれば、以外に安打になりやすいものです。凡才先生は左打者でしたが、投手側の足を固定して、腰から上を軸足でレフト(右打者はライト)方向に押し出し、その勢いでバットに乗せるだけで良いのですから、左対左のスライダーを打ち損ねた記憶は殆どありません。
 右対左や左対右の場合もストライクゾーンに入ってくる球は、そのコースに対してバットが直角になるなるような意識が大切です。右打者なら右中間、左打者なら左中間のイメージです。少し厄介なのは、ストライクゾーンから逃げて行く球です。結果として向かってきますので、打者にぶつかるかも知れません。2ストライクまでは振らなくて良い球ですが、2ストライク以後はそうもいきませんね。それでも、大きな変化球しか無い投手の場合は、ストライクになりにくいので、見逃す方法も悪くありません。しかし、小さな変化球を持っている場合は、ファールでも良いので打った方が良いでしょう。見極めている暇はありませんので、三振しない事を優先して下さい。
 いずれも、ポイント1とポイント2を前提にしていれば、それ程難しい事ではありません。


 次の動画は、上記ポイントを強く意識して見ると非常に参考になります。

参考動画  内川外角のスライダーをセンターへ  09センバツホームラン集




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