ゴロ捕球後の送球                     トップページへ


 一般論として、可能な限り、送球を意識した捕球が必要です。では、送球を意識した捕球とは、具体的にどんな事でしょう。個別の例を取り上げては、きりがありませんので、単純な概念を紹介します。

 送球を意識した捕球とは、簡単に言えば、捕球動作と送球動作を連動させる事です。捕球優先ですので、可能な場合ではありますが、捕球の時点で、送球方向へのステップが容易な状態(近距離の場合は、軸が容易に固定出来る状態)であれば、捕球から送球への移行が短時間で済みますし、安定した送球も期待出来ます。

 胸付近の高さで捕球出来る場合は、捕球と同時に送球姿勢を作る事は十分可能ですが、足元の打球のように、しっかり捕球しなくてはならない場面で、無理に、捕球と同時に送球姿勢を作ろうとすれば、捕球自体にミスが発生しやすくなります。

 捕球から送球までの時間は、「捕球と同時に送球姿勢が作れる」のが最小で、「捕ってから体勢を整え直して送球」が最大ですが、この中間もあります。しっかり捕球した上で、最大よりも、少しでも早く送球出来れば良いのです。

 ここで、ご紹介するのは、上記の目的に対し、沢山ある細かな技術の基礎になる部分ですので、ぜひ、実践して下さい。

低い姿勢で捕球したら、低い姿勢のままで送球せよ
 「捕ってから体勢を整え直して送球」の場合、低い姿勢で捕球してから、体勢を整えるために、上体を起こしてしまいます。これは、重力に反する動きですので、一瞬、体が浮きます。正確には、60キログラムの体重の選手なら、一瞬20キログラム程度あるいは、それ以下になります。

 この状態では、軸足でしっかり地面を蹴る事は出来ませんので、上や右方向に送球ミスしやすくなります。もっとも、浮くのは一瞬ですので、その後しっかり地面を捉えてから送球すれば、送球ミスの可能性は少ないのですが、急いでいればいるほど、しっかり地面を捉える時間が作れないものです。

 中高生でも、これが原因で送球ミスが減らない選手は、以外に多いのです。しかし、試合中に、早く投げたい意識を抑えるのは困難ですので、そもそも、浮かないようにした方が現実的です。

 「低い姿勢のままで送球」には、幾つかのコツが有ります。低い姿勢を意識しすぎて、不自然な送球にならないためにも、ここは重要です。

捕球時の上体の角度
 まず、捕球時の上体の角度ですが、前に倒し過ぎると、送球の為に上体を起こさなくてはなりません。逆に、起こし過ぎると捕球そのものが困難ですので、送球と、捕球の両方が可能な角度が理想的です。送球可能な角度で捕球出来たら、そのまま送球するだけですが、捕球優先ですので、打球によっては、最大時間を覚悟して捕球に集中しなくてはならない場合もあります。しっかり練習すれば、慣れるのに、さほど時間は掛かりません。

グラブの動き
 捕球後のグラブの動きは、以外に重要です。
1) 捕球後、グラブは右肩付近に落ち着いて移動
2) グラブの動きに合わせて左肩を送球方向に向ける
3) グラブの動きに合わせてボールを持ち替える
4) グラブの動きに合わせて送球しやすい足位置を確保

 上記、1)〜4)は、同時に行います。最初はギクシャクしますが、慣れれば難しい技術ではありません。ポイントは、慌てずに、全てが同時に出来るように心がける事です。もし、一つでも出来ないのであれば、安定した良い結果は出ませんので、最小が不可能でも、最大よりはましだと、割り切って下さい。落ち着いて実行出来れば、結果的に、思った以上に早くて正確ですし、見た目も良いので、周囲からの評価も急上昇です。



送球の際、球が浮いてしまう場合

早い送球ばかり意識してしまうと制球がみだれますね。最優先は、相手の取りやすい送球です。

体制が不十分な時は、山なりでも、ワンバウンドでも構いません。

その結果、アウトに出来なくても、暴投よりはましですので、制球を第一にしましょう。


送球の時、綺麗な回転で伸びがある球を投げたい。

これは、体制が十分な時だけ可能な事ですので、選択肢は二つしかありません。

1)体制を整える時間をしっかり作くる。
2)「伸びがある球」を諦めて、制球を重視する。


実際のプレイで、時間と制球を同時に出来る事は「まれ」ですので、必ずどちらかを選択しましょう。



正しい送球フォームほは?

形として「正しい送球フォーム」と言うものはありません。しいて言えば、「制球ミスしにくい範囲で、早い送球」です。
横から投げようが、ワンバウンドしようが、「制球ミスしにくい範囲で、早い送球」が出来ていれば、それが、その時の、最高の「正しい送球フォーム」となります。



参考動画

内野の動画
https://www.youtube.com/watch?v=Zy9rcyY-UVA
https://www.youtube.com/watch?v=-GJZcPl-1xI
https://www.youtube.com/watch?v=y7M37Y4PsoU
https://www.youtube.com/watch?v=if2sY43uaKo

外野の動画
https://www.youtube.com/watch?v=JqHqh2_L6-g
https://www.youtube.com/watch?v=s5s_7Q_E9bk
https://www.youtube.com/watch?v=oaXEbgHRGaY
外野の場合は、距離があるので、「体制を整える時間を作る」が優先です。

100点ではなく、合格点を探しましょう。





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