送球のアップ                     トップページへ


 プロの投手の場合、アップに1時間位の時間を掛けますね。投手は、投げる事がメインですから、当然なのですが、野手でも、自分の体に、思い通りに動いてもらうためには相応の準備が必要です。

 理屈では分かっていても、どれだけ重要なのかと言う意識には、個人差が大変大きいようですが、答えは明確です。プレイ(特に送球)に自信の無い選手ほど、重要性が大きいと言えます。しかし、なぜ重要なのかが分からないと、なかなか気持ちが入らないものです。

 この項では、アップの重要性についてご紹介します。

 アップの目的は、筋肉をほぐす(暖める)事で、これは皆さんご存知だと思います。では、どんなふうに筋肉をほぐすのか?と聞かれたら、どう答えますか。これが答えられる方には、この項は不要ですが、答えられない方には、とても重要だと言えます。

筋肉の日常範囲と非日常範囲
 間接を含め、筋肉には、日常範囲と非日常範囲があります。下半身では、日常で低い姿勢での作業は頻繁には行いませんし、よく使う上半身でも、スローイング時の大きなテイクバックなどは、日常では、あまり必要ありません。しかし、スポーツをする時は、非日常範囲を多く使いますし、これを上手に使っているかどうかで、優劣が発生すると言っても過言ではありません。

高いパホーマンスが得られる範囲を広げる筋トレ
 筋肉は、伸ばしきった位置と縮みきった位置の間で、高いパホーマンスが得られる範囲があります。この範囲が広い選手は、身体能力の幅も広いですね。軽めのウエイトで早い動きをするトレーニングは実践的で、必要不可欠です。これは、誰でもやっていると思いますが、重めのウエイトで、ゆっくりなトレーニングも必要です。
ゆっくりなトレーニングの効果は、筋肉が高いパホーマンスで使用出来る範囲を広げる事が出来ます。伸ばしきった位置や縮みきった位置に近いほど、ゆっくりでも結構きつい練習になります。高いパホーマンスの範囲が広がれば、実際の早い動きにも磨きがかかります。

高いパホーマンスが得られる範囲を広げるアップ
 筋トレは有効な手段ですが、疲労を考えると、試合前は控えたいものです。しかし、アップなら、いつでも大丈夫ですし、大事な時こそ効果を発揮します。ただし、試合前だけ上手なアップなど、出来はしませんから、普段から上手なアップを習慣付ける事が大切です。

アップ共通のポイント
いきなり早い動きでは故障の原因になりかねませんので、何をするにも、最初はゆっくりです。
全力の準備ですので、ペースアップ直前は、全力の動きをスローモーションで行うようなイメージが大切。

ランニングのポイント
 最初の歩幅は小さめで、徐々に大きくしていきましょう。
膝を高く上げ、腕も大きく振りましょう。

キャッチボールのポイント
最初は、両手を大きく開き、全ての間接をしならせるように使いましょう。
 最初は、出来るだけ遅く、山なりに投げましょう。イメージは、遠投をスローモーションで行う感じです。距離をとって行く時は、山なりで届く、最大距離まで続けましょう。(これにより、角度を変えた送球が容易になり、距離感が飛躍的に向上します)
 肘から先は、送球方向に対し、真っ直ぐ振りましょう。(これだけでも、大暴投は防げます)
 距離は、リリースの瞬間、指で弾く加減の仕方で調整しましょう。(上下の制球が向上します)

 本来、アップの考え方は全てに共通しますが、わざわざ送球の項に入れたのは、特に影響が大きいためです。特に、投手の場合、アップが上手な選手ほど安定しています。


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