捕球の基本                     トップページへ


 下手な選手は、いつも苦労しているのに、上手な選手の守備を見ていると、難しそうに捕球している場面はあまり見かけませんし、いとも簡単に捕球しているように見えます。実際のところ、簡単に捕球しているように見える場面の多くは、本当に簡単に捕球しています。では、上手な選手は何が上手なのでしょう。「とりあえず、上手な選手を観察してみることにしましょう。」凡才はここで一工夫、観察するのにもコツがあります。どんなスポーツでも共通だと思いますが、基本は足元からです。まずは足元、膝、腰、上体の角度や使い方、肩の動き、肘の使い方、手首の使い方、そして捕球位置やグラブの動き、の順に見ていきましょう。

 上手な選手の特徴(細かい技術は沢山ありますので、大まかに拾っています)
1) 打った瞬間(送球の場合、相手が投げた瞬間)に足が動く
2) 打球の場合、自分にボールが向かってこない時でも、その瞬間に足が反応している
3) スタートダッシュは全力でも、捕球する時はゆっくり。
4) 膝から下がよく動くので、腰から上が上下せずに安定している
5) 余裕のある時は、送球方向に踏み出しながら捕球するので、球が早くて正確
6) 手を伸ばせば届く球でも、きちんと体をもっていく
7) フライが正面に上がった時は、直ぐに半身になって前進後退の動きが俊敏
8) 低いゴロは、上体をかぶせるようにして捕っているので、イレギュラーして体に当たっても、球が体の前に落ち、拾って投げる動作が速い
9) どの方向に投げる時でも、グラブを持った方の肩を送球方向にきっちり向けてから投げるので、制球が安定している
10) 走る時はグラブを構えず、しっかり腕を振って走っているので、速くボールに追いつく。
11) ボールを捕るときは、最後までボールが来る方向に手の平が向いているので、弾く事が少ない(ショートバウンドを捕る瞬間には、ボールの着地地点に向けて手首を反し、かぶせるように捕っている)
12) 早い球は、肘を柔らかく使って打球の勢いを殺している
13) ゆるいボールは、ほんの少しボールを押し込むようにして、しっかり掴んでいる。(踏み出しながら掴んでいるので、送球のための持ち替えがスムーズ)
14) ぎりぎりで追いつくような場面を除き、殆ど肘が伸びきってしまう事が無く、下手な選手よりも、自分の体の前で捕球している

「急ぐ」と「慌てる」の違い
 「急ぐ」や「早く」とは、やるべき事をしっかりやれる範囲でのことであり、やるべき事がしっかりやれてない時は、「慌てている」といいます。例えば、「内野ゴロをしっかり捕ってしっかり投げたが、間に合わなかった。」これは、仕方ありません。「早く投げないと間に合わないと思い、ボールを掴む直前にボールから目を離してしまったため、弾いてしまった」とか、「ボールは捕ったが、不十分な体勢のまま投げたため、暴投になった」とかでは、話になりません。2アウトランナー2塁の場面でこれをやってしまったら、1点失った上に、相手を勢いずかせてしまいます。
「急ぐ」と「慌てる」の違いをしっかり理解しておきましょう。

 ゴロは、バウンドのリズムを数えながら捕球しよう。(着地点をキーにしてリズミカルに数えると、どこが捕りやすくて、どこが捕りにくいか分かりやすく、集中力が増します。)

 気が付いた方も多いと思いますが、上手な選手は、ミスを少なくする動きをしています。うるさく言われなくても出来てしまう選手が、いわゆる才能豊かな選手ということになりますが、上記項目の一つ一つは、練習すれば凡才にも十分に出来ることばかりです。とはいえ、チーム全体の事を考えれば、自分一人だけのために沢山ノックを打ってもらうことは出来ません。だから、キャッチボールなのです。キャッチボールを“肩を温めるためだけ”にしてはいけません。相手が暴投してくれた方が、自分のための練習には好都合ですから、腹を立てずに練習に生かしましょう。
 毎日一つずつ、出来ない事を無くしていけば良いのです。こういった努力の積み重ねは、必ず試合で生かされます。一生懸命やった分だけ、運もみかたしてくれます。凡才先生は、運がみかたしてくれた瞬間を、何度も見てきましたので、確信があります。運は、待っていても中々来てくれません。自分で引き寄せるものです。「運も実力の内」という言葉をよく耳にしますが、自力で引き寄せるのですから、実際その通りだと思います。諦めずに頑張れば、頑張って良かったと思える日が必ずやって来ます。


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