捕球のメンタルコントロール                     トップページへ


 「自分の所に打球が来い!」と思える選手は、守備に自信が有るのでしょう。えてして、凡才の発想は、「打球が来たらどうしよう」、「三振してくれ」、「こっちに打たないでくれ」こんなのが普通でしょう。しかし、これがミスをする一番の原因でもあります。ベストなプレイをするためは集中力が大切ですね。消極的な発想は集中出来ていない証拠ですので、まずは、これを何とかしなくてはなりません。

集中するために・・・その1
 集中するために確実な方法は、守備に自信が持てるくらい上手になる事です。「チームを自分が引っ張っているんだ!」と言う意識があれば、必然的に「自分の所に打球が来い!」と思えるようになります。日頃、厳しい場面を想定しながら練習する事が出来れば、実際に厳しい場面に遭遇しても、いつもと同じ事をするだけですから、集中する事はさほど難しくありません。特に、本番で緊張しやすい選手は、日頃から、一打逆転などの厳しい場面を想定しながら練習する習慣を付けましょう。
メニューをこなすだけの練習は、どんなに沢山やっても本場では通用しません。

集中するために・・・その2
 その1は理想的ですが、自信が持てる選手が多数派ではないのも事実です。ここで紹介するのは、技術レベルに関係なく可能な方法です。
まず、自分はどんな選手か考えてみましょう・・・。そうですね、自信が持てないのですから、失敗してしまう可能性が自覚(想像)できるはずです。極論ですが、「下手な選手が上手にプレイしようとする事自体が間違いです」。なんて言うと、消極的な発想に聞こえてしまいそうですが、実は、これが重要なポイントです。もちろん、普段の練習では、その1で紹介したように、自信の持てるプレイを目指す事が第一である事に間違いありませんが、まだ、自信が持てない状況で試合に臨まなくてはならない事は多々あります。こんな状況が凡才には、かなりの難関ですね。
どんな状況でも、この項目の通りで、集中する事が大切です。「集中」と言うと、やる事や考える事が沢山有りそうですが、実際に集中するためには、沢山考えてはいけません。
 脳が活発に活動すると筋肉は緊張状態(無意識に力の入った状態)になり、身体の動きが普段よりも鈍くなります。俗に言うところの、硬くなっている状態です。こうならないためには、考える事を極端に減らす必要があります。その1の例のような「打球が来たらどうしよう」、「三振してくれ」、「こっちに打たないでくれ」これらは、いずれも不要な事を考えてしまっています。この項でも、「下手な選手が上手にプレイしようとする事自体が間違いです」と書きましたが、「上手にプレイしよう」と、考えてしまっていますね。プレイが始まる前から、色んな事が頭の中を駆け巡ってしまっています。
 具体的に、どうすれば良いかは次の通りです。
1)現状確認(イニング、カウント、走者の位置、打者の打順など)
2)対処の確認(外野の例:フライを捕ったらバックホーム、ゴロならセカンドなど)(内野の例:弱いゴロならバックホーム、早いゴロなら走者牽制後に1塁送球など)
3)牽制が必要なポディションの場合は牽制
4)投手が投球動作を始めそうになったら、考えることをやめ、頭の中を空にする
5)投手が投げたら、打者のスイングに素直に反応(「しっかり捕らえた」とか「引っ掛けた」とか「詰まった」とか、何か感じるはずですので、自分が感じた通り、素直に行動しましょう。

 実際の試合では、1球ごとに、これの繰り返しです。これが出来るようになれば、実力相応のプレイがいつでも出来るようになります。実力が低ければ、ミスをする事も有るでしょう。それが自分の実力なのですから仕方ありません。自分の意思とは関係なく試合はどんどん進行しますので、後悔や責任を感じている暇はありません。考えて良いのは試合が終わった後です。何があっても、試合中は1球ごとに、考える事をやめて、1)〜5)を徹底しましょう。

 集中の練習は、自分の気持ち次第ですので、ノックやチャッチボールでも練習出来ます。まずは、自分自身をコントロール出来るようになりましょう。


トップページへ