牽制                     トップページへ


 牽制の元々の意味を辞書で調べると、「相手を威圧したり監視したりして自由な行動を妨げる事」と、書いてあります。まさに、これこそが、牽制の真髄です。走者は、「盗塁したい」とか、「一気にホームを狙いたい」とか、場面によって意識が異なりますので、その時々の走者がやりたい事を妨げるのが牽制と言う事になります。
 例えば、2アウトの場面での各走者は、エンドランと近い意識になりやすく、打者が打てば、確実にスタートしてきますので、大きなリードは、その分、走者をアウトにする事が難しくなります。もちろん、打者をアウトにすれば走者は関係ないので、走者を無視して守備に徹するのも、場面によっては有効な手段なのですが、走者の大きなリードは、投手の精神状態に悪影響が出てしまう事がありがちですので、守備の質を落とさずに、走者をベースに釘付けにしたいものです。つまり、走者をしっかり牽制する事で投手を援護できるのです。まぁ、この辺までは理解している選手の方が多いでしょうし、牽制の練習は普段から沢山やっているでしょう。

落とし穴
 沢山練習していると、どうしても動きが単調になりがちで、配球とは関係ない動きをしてしまう事が多々あります。これによる代表的な失敗例は、ショートやセカンドの守備位置への戻りが遅れて、本来討ち取れる定位置付近の平凡なゴロが抜けて失点してしまう事でしょう。これは、投手を援護するどころか、足を引っ張ってしまいますので、自滅パターンの一つです。
 投手を援護しながら自滅を防ぐには、バッテリーとの連携が不可欠です。ストライクゾーン付近で勝負するかそうでないのか?右に打たせるのか左に打たせるのか?バッテリーの意識を野手も共有する事が大切です。以心伝心が理想的ですが、サインにしても良いでしょう。

 アンラッキーは仕方ありませんが、防げるものを防げないのはミスでしかありません。


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