攻撃的な守備 トップページへ
守備とは、打者や走者の行動(打ったり、走ったり)に対処する事で、一般的に受身のイメージが強いですね。では、攻撃的な守備とは何だと思いますか?当然ながら「足で蹴ったり、ボールをぶつけたり」ではありません。(こんな事をする者はプレーヤーの資格がありません)強いチームの打者は、打席に入る前に守備位置を確認しますので、打者に守備位置を見せて、精神的なプレッシャーをかけるのが、攻撃的な守備です。
例1)ランナー無しで長打力が自慢の4番打者に対し、外野はフエンス付近の深い守備。
これは、普通に強打すれば、フェンスオーバーしないかぎり、外野は抜けない事を意味します。つまり、長打を打ちたい打者が、良くてシングルヒットという状態を強要される事になり、「長打を打てるものなら打ってみろ」と言われているようなものです。傲慢な打者ほど苦痛を感じるもので、強引なスイングで自滅する事もよくあります。接戦となった試合の2アウトで好調の強打者なら、2塁打以上を意識して打席に入るのが普通ですから、特に有効です。
例2)守備側が2点リードの9回裏、1アウト1・3塁、打者5番(右打者)の場面でショートが2塁ベース付近、セカンドは1・2塁間。
3塁ランナーを無視した、大変強気な守備ですね。右打者に三遊間を空けるのですから、外角攻めが容易に予測できます。「引っ張れるもんなら、引っ張ってみろ!」と、言っているのです。
これだけ極端にされると、好調な打者でも楽ではありません。普段、安打になる1・2塁間とセンター方向に守備の選手がいますので、ナイスバッテイングでゲッツーになる可能性もあります。
打者の選択肢は、強引に引っ張る、右方向の狭い間を抜く、外野を抜く、の3つが考えられます。外野フライでも1点取れますが、1塁ランナーはタッチアップ出来ませんので、2アウト1塁で下位打線となり、逆転には、更に2つ以上のチャンスが必要となりますので、可能性が高いとは言えません。
打者にしてみれば、長打を打って1塁ランナーも生還させ、1アウトのままで逆転のチャンスを作りたい場面ですが、外野は、長打警戒で深めに守っていますので、1塁ランナーを3塁に進める事さえ容易ではありません。
強引に引っ張る事ができたとしても、1点取って、1アウト1・2塁で下位打線ですから、やはり、逆転には、更に1〜2つのチャンスが必要となりますし、失敗すれば、内野フライの可能性が大きくなり(相手はそれを狙っています)、ピッチャーゴロでゲッツーの危険もあります。
右方向の狭い間を抜くのは、大変危険で、ゲッツーのゲームセットと隣り合わせですし、投球がシュートだった場合、ピッチャーゴロでゲッツーの可能性が大きくなります。
凡才先生が打者なら、打球が高く上がり過ぎないように注意し、打球の強さよりも、コースを右中間のど真ん中に狙い、一気に同点を目指します。もし、1塁ランナーが3塁で止まっても、1アウトのままで2・3塁ですから、1チャンスで逆転です。更に、2ストライク後の内角はレフト線に打ち、最低でも1塁ランナーを3塁に進める事を考えます。(結果は分かりませんが・・・)
このように、相手がやりたい事を、守備位置で「やらせない」とアピールするのが攻撃的な守備です。他にも、極端なバントシフトなど色々ありますが、いずれも強気な守備と言えます。
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