練習メニュー配分                トップページへ

 基本を含めて、全てのメニューを毎日繰り返すのは時間的にも体力的にも不可能です。そのため、メニューの組み立て方で、大会で出せる力も大きく変わってきます。この項では、大会でベストコンディションを作るための考え方をご紹介します。


配分は3段階


1)年間配分

できれば、一番大事な大会で勝利したいものですが、実力によっては、違う大会で勝利を目指す事もあります。いずれにしても、当日は良い体調で迎えたいものです。

大会が近づくと、気持ちが入って一生懸命練習するようになりますが、これが落とし穴です。一生懸命練習すると練習量も増えがちで、疲れも出ます。疲れのピークは、練習量が増えてから、約1ヶ月後ですので、量的配分を間違えると、大会時に体が重く感じる事になりかねません。

 疲れを取るには、大会当日の10日〜15日前から練習量を減らす必要があります。量をこなす練習が選手の身に付くのに約1ヶ月かかります。怪我をせずに量をこなすには、体を慣らすために、2週間程度の助走期間が必要です。つまり、遅くとも2ヶ月前には、大会に向けた調整が必要になります。

高校生の場合は、選手権大会予選が7月に始まりますので、5月〜6月の春季大会を戦いながら調整する事になり、中学生の場合、中体連地区大会は6月ですから、朝晩の寒さが残る時期から始めなくてはなりません。小学校の全軟では、ゴールデンウイークに予選が始まりますので、真冬にスタートを切らなくては間に合いません。

年間配分は、技術ではなく、選手の体調をコントロールする事が第一ですので、アップやクールダウンとメンテナンスをセットで指導する事が大変重要です。


2)大会配分

 大会配分は、大会時に技術のピークが来るようにするのが目的です。通常の練習では、出来ない事を出来るようにする努力を惜しんではいけませんが、大会2週間前頃からは、出来る事の精度を上げる練習をメインにする方が効果的です。これは、成功へのイメージを強化して、大会で前向きにプレイ出来るようにするための工夫で、大いに効果が期待できます。


3)期間配分

 期間配分とは、習得した基本的な技術を忘れないようにするための配分で、比率は分野によって異なります。1週間や1ヶ月単位で計画的に行う事が重要で、本格的な練習でもかまいませんが、体調や時期によっては、確認適度の軽い練習でも問題ありません。

3日以上、空けない方が良い練習の例

ア)スローイング(送球・投球)練習

 特に、アップの段階で体を大きく使って関節を柔らかくする事が大切

イ)打撃での、上下左右の打ち分け練習

 何もしなければ、スイングするバットは真ん中付近に寄っていきますので、端から端まで確認する練習は、スランプを防ぐためにも重要です。

7日以上、空けない方が良い練習の例

ア)ショートバウンドやハーフバウンドの捕球練習

 捕球練習を怠ると、捕球姿勢は、選手の意識とは関係なく変化します。自信を失う事無く、プラスの練習を続けるためには、捕球姿勢の安定が不可欠です。

イ)バント練習

 バントのリズムは、打撃のリズムと共通です。バントの精度も向上しますし、打撃のタイミングを取る意識も強化されます。

ウ)フライ捕球

 フライは、追い方(落下地点への移動の仕方)で、精度が大きく変わります。取れるか取れないかで、戦況が変わりますので、ポディションに関係なく、定期練習が必要です。

2週間以上、空けない方が良い練習の例

ア)走盗塁練習

 走盗塁練習は地味ですが、実力の差が出やすいものです。走盗塁の違いだけで、勝敗が決まる試合も少なくありません。目立ちませんが、勝ち野球には必須です。


 配分は目安です。チーム状態や選手の状態でも変わりますので、メインの練習と組み合わせて、効果的に練習しましょう。



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